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「楽園のカンヴァス」原田マハ

2014年10月24日 19時58分36秒 | 読書
「楽園のカンヴァス」原田マハ



私はクラシック音楽についてはわずかな知識もあり,バイオリンを少し触れることもあって,好みの曲について薀蓄を語りだすと止まらない方ですが,こと美術についてはからっきしダメです.
マネとモネの区別もつかない美術オンチです.
(ただし,ダリだけは好きなんですけどね.)

そんな僕に,読書通かつ美術通の友達が教えてくれた一冊がこの「楽園のカンヴァス」
目から鱗というか,1枚の名画にこれほどの深い謎や物語や恋愛が隠されていようとは...

考えてみれば,音楽でも,例えばベートーヴェンのシンフォニー1曲にだって,ベートーヴェン自身の人生の数ページが関わり,その間の出来事と喜怒哀楽が込められていることは,容易に想像できるわけですから,美術作品だって同じだと思えば,当たり前なんですけどね.
今までそういう目で美術作品を見たことがなかったことが迂闊でした.

あらすじを語るのはここでは控えます.

是非,読んでいただいて,ご自身の感想をかみしめていただければと思います.

ただし,一言申し上げておかなくてはなりません.

この小説自体には大いに感動しましたが,残念ながら,小説中に出てくる絵画を眺めても,そこまでの感動は得られませんでした.
これは,私の感性の問題であり,美術作品のせいではありません.

この小説の評としては,素晴らしいという推薦を惜しみませんが,アンリ・ルソーの絵を見て,全ての人がこの小説の主人公と同じ感動を得られるかは,残念ながら保証できないことをお断り申し上げておきます.

著者は関学の文学部の日本文学科と早稲田の文学部の美術史科を卒業した後,国内の美術館勤務を経て,ニューヨークの近代美術館(MoMA)勤務を経験している,と書けばこの小説を書けそうな人だという気がしてくるでしょう?


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