風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

歌舞伎座新開場 こけら落四月大歌舞伎 『熊谷陣屋』(4月25日)

2013-04-25 23:26:37 | 歌舞伎

本日は15時からシネマ歌舞伎のチケットを買ってあったのですが、どうしてももう一度キッチー熊谷&仁左さま義経の二人並んだお姿を拝みたい(><)!と思い立ち、「熊谷陣屋」の幕見にチャレンジしてまいりました。
といっても私は長時間並ぶのが大嫌いな人間なので、発売25分前の10時50分に歌舞伎座に到着。
ダメだったら美術館でも行って3時まで時間をつぶせばいいやと思っていたところ、幸い、立ち見で入ることができました。
きゃーーー、うれしい!!

玉さま、なんか前回よりも良かった気がする。気のせいかな。
相変わらず母性はあまり感じられなかったものの、熊谷との“夫婦”がとってもよかったのです。本当に、夫婦に見えた。
相模が小次郎の首を抱えて泣き崩れているときの吉右衛門さんの辛そうな表情も、良かったなぁ。
そもそも、吉右衛門さん&玉さまの夫婦が、絵にならないわけがないのです。
さらにそこに仁左衛門さんの義経が加わっちゃうのだから、絵的にこれ以上のものがあり得るだろうか。いや、ない。
パーフェクト。
あと一人の菊之助は、、、うーん、やっぱり今回も前回と同じ印象でした。どうも、薄いというか…。
もっとも今は他の三人と比べる方が酷なわけで、こういう先輩達との共演を重ねて、これからどんどん成長していけばそれでいいのだと思います。
そういう意味で今回の四人の組み合せは、あえて大御所だけで揃えることをせずに未来の可能性も含めた、とても“杮茸落らしい”配役だったのではないかなと、今日の舞台を観て感じました。
それにミーハーな見方をすると、吉右衛門さんの両側に玉さま&菊という構図は、最高に美味しいのです。
「お騒ぎあるな!」、、、もう美味しすぎてクラクラした。。。
首実検のための首を手に持つ熊谷に二人が両側から袖を摘まんで「せめて最後のお別れを…」と縋るところなんか、もうたまらなく絵になりますよね。こんなに可愛い二人に、こんなに可愛らしく袖を摘まんでお願いされて、よく拒否できたなぁ、熊谷(って、ここでデレたらサイテーですが)。

仁左衛門さんは、本日も絶好調でした。
この義経を観て、やっぱり今日もう一度来てよかった!って心から思った。
筋書の中で「動きが少ない中で颯爽と見せる、難しい役」と仰っていますが、まさにそのとおりの義経でした。
ところで今回は義経にオペラグラスをロックオン状態だったのですが、梶原景高の登場場面の義経が、大変ツボでございました。景高は「見たぞぉ~」と鬼の首をとったように意気揚々と現れるのに、義経は(もちろん予想していたことなので)「おや、来たな」という風にちょっと視線をやり、のんびりと眺めているだけ。一人で意気込んでいる景高が気の毒になってしまう^^;
そして景高が弥陀六に倒された瞬間も、驚いた風でもなくその方向に首を動かして「おや、景高が倒れた」という風に僅かに眉を上げ、あくまでのんびり。いいなあ、好きだなあ、この義経。仁左さま義経は梅玉さん義経と比べて、重みはないかもですが、その分どこか飄々とした愛嬌がありますね。
そのくせ弥陀六に「もしまた敦盛生き返り、平家の残党かり集め、恩を仇にて返さばいかに」と聞かれて、「うむ、そのときこそは義経や兄頼朝が助かりて、仇を報いしそのごとく、天運次第、恨みを受けん」って、、、もう爽やかすぎです。最高。

歌六さんの弥陀六もとっても素晴らしかったのだけれど、前回も思ったんですが、鎧櫃を持ち上げるとき重そうにしすぎではないかと・・・。
あんなに重そうでは、数メートルも歩けないと思うのです・・・。

ラストの素晴らしさは、もう何度観ても、たまりません。
熊谷の「君にも益々ご安泰」から幕引きまでの吉右衛門さん&仁左衛門さんは、もうこのお二人以外の熊谷陣屋は観たくないと本気で思ってしまいました。
本当に本当に、こんなに素晴らしい舞台を観させていただき、心から感謝します。
そして願わくばいつの日か、ぜひまたこの配役でお願いいたします!!

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