コメント(私見):
諏訪中央病院は地方の中規模病院ですが、研修施設として非常に人気があり、毎年、研修医マッチングで全国から多くの志願者を集めてフルマッチング(定員4人)を達成してます。現在、初期研修医と後期研修医とを合わせて20人が在籍しているそうです。研修医の教育には相当力を入れて実績を挙げているようです。
名誉院長の鎌田實先生は作家として超有名です。著書「がんばらない」は、2001年に西田敏行主演でテレビドラマとしても放映されました。
緩和ケア病棟、東洋医学科など、他の病院にはない特色があります。以前、この病院の緩和ケア病棟に患者さんをお願いしたことがあり、その時、何度かこの病院の緩和ケア病棟まで患者さんに会いに行きました。その患者さんの部屋は、角部屋の個室で壁の2面が全面大きな窓になっていて、美しい花が咲き乱れる緑豊かな大きな庭に囲まれ、患者さんのベッドから八ヶ岳の山々を一日中眺められるとても素晴らしい環境でした。
私は、新米医者の頃から長年にわたって漢方薬をいろいろ処方してきましたが、いつまでたっても素人漢方の域を脱することができません。当科の常勤医数がもう少し増えて勤務体制にも余裕ができたら、諏訪中央病院の東洋医学科に通って漢方のちゃんとした研修を受けたいと以前から思ってます。でも、常勤医数は一進一退で、毎年毎年、一喜一憂しているような状況ですから、定年退職になるまで無理かもしれません。
また、諏訪中央病院の産婦人科は、一時期、常勤医がゼロとなってしばらく休止してましたが、昨年4月に常勤医2人で再スタートし、現在は常勤医3人体制となり、分娩や手術もだんだん増えてきているようです。その3人の常勤の先生方とは、県内外のいろんな学会の会場でよくお会いします。今月の京都の日産婦総会の会場でも、部長のK先生、新任のA先生(医長)と偶然お会いして、いろいろと情報交換しました。『研修医の確保は毎年が勝負!今年も互いに負けずに頑張ろう!』と互いの健闘を誓い合いました。
**** 医療タイムス、長野、2009年4月15日
今年度の研修医は計20人
諏訪中央病院 新規採用は8人
諏訪中央病院(濱口実院長)は今年度、初期と後期合わせて計20人の研修医を確保した。同院はここ数年、「教育環境の充実」と「地域医療の実践」を軸に据えた独自の取り組みで研修医の獲得に実績を残しており、地方の中規模研修病院の医師獲得の「成功例」として注目されている。
研修医の内訳は、初期研修医9人(1年目4人、2年目5人)、後期研修医11人(3年目5人、4年目5人、5年目1人)。初期研修医は1、2年目とも定員の4人を充足している。2年目は東海大との連携による「地域医療研修」プログラムのため、同大研修医が4ヵ月間同院で学ぶ。
同院では、初期研修医、後期研修医、上級医に17人の指導医が重なるいわゆる「瓦屋根式」の指導体制が整う。
具体的には、基本的な臨床能力を養うため、数日間かけて県外の医師を招き行う「教育回診」や総合診療など4つのコースを設定した後期研修プログラムの枠を超えた流動的な診療体制、初期・後期研修医が参加する毎朝の合同カンファランスなどがある。今年度の「教育回診」には、音羽病院総合診療科の植西憲達氏ら5氏を招く予定だ。
2004年度に始まった新医師臨床研修医制度の1期生で、大学卒業後から同院で初期・後期と研修を続けていた斉藤穣、後期研修から残った伊藤誠の両医師が今年度から内科のスタッフに加わった。
(以下略)
(医療タイムス、長野、2009年4月15日)