業者に連絡してからあっという間に浄化槽の工事の日が決まってしまい、
今日工事の当日を迎えている。
さきほど工事をする業者が早々とピンポンを押してきた。
玄関に出ると、斜め後ろの家のご夫婦も、ちょうどどこかから帰ってきた
時なのか、2人で庭から家に入って行くところだったので、業者と同時に
ご夫婦にも「おはようございます」と挨拶をした。
そこんちの人とは微妙な関係だ。
10年以上前には夫婦同士で食事に行ったり、妻同士も家を何回か行き来した
こともあったし、7,8年前には家族で一緒にBBQにも行ったことがあった。
が、その後はほとんどつきあいはなかった。
何か用事があって訪ねて行ったり、来たりする時はそれなりに仲良く話すの
だけど、突然バッタリ会ったりすると、素っ気なく応対されることが多かっ
た。
以前からそういう奥さんの態度に振り回されることが多かった。
なので、最近はもう「あの人にはもう素っ気なくなれるもの」と思い、
接することにしていた。当然会えば挨拶はする。普通に。でもそれ以上は
期待しない、というか、期待というより、これまでの距離感で言うと
ここは何か少しは話すところでしょうというところで向こうは話そうとも
距離を詰めようともしなかったので、「じゃあ、わかりました」という
気持ちでいた。
今日もバッタリ会ったので、挨拶だけはした。
というか、こちらは業者が来たので玄関から出ただけなので、それ以上も
何もない。
業者と話をし、「じゃあ、お願いします」と玄関を入り、扉を閉めた時に
かすかに「SARAちゃん」という声がした。
近所で「SARAちゃん」と私のことを呼ぶ人はそこんちの奥さんしかいない。
洗濯物を干す時にベランダからでも声をかけたのか・・と最初ベランダを
見たが、いない。「あ、空耳だったのか・・」と思うと同時に玄関前からこ
ちらに向かって来る奥さんの姿が目に入った。
何か話がある様子なのはすぐにわかった。
何かと思い、話を聞くと、どうやら今朝奥さんが車を出した際にウチの
塀に車をぶつけてしまったらしい。
「ごめんね・・」と謝られた。
もう20年経って、かなり汚くもなっている塀なのでちょっとくらい擦られて
いても、何の問題もない。「全然気にしないで」と言った。
そこから少し話した。奥さんは2ヶ月前に骨折していたと言っていた。
それはまったく知らなかったことだった。でも「ヤケに最近車があるなぁ、
奥さん仕事辞めたのかなぁ」と思っていた時期があったので、たぶんその
時のことだったのだろう。私も夏に突発性難聴になったという話をした。
なんだかなぁと思うところはあるのだけど、少しだが久々に近況報告の
ような会話ができたのはちょっと嬉しかった。社交辞令だろうが別れ際に
彼女が「またゆっくりね」と言ってくれたことも。
実際の「また」はないのだろうけど、そう言い合える関係であるという
ことがありがたかった。
さて。
このあと1,2時間したら私は外に出る。
今はもう1組、浄化槽のくみ取り業者が来ているので、終わったらその業者
にはその場で現金で支払わなくてはいけないかもしれないので、その作業を
待っている。
家にいてもなんか落ち着かない。
外に出ても落ち着かないと思うけど。
ずっと、ずっとこの工事が憂鬱だった。
もう今年に入ってから。
とにかく家に業者が来て工事をしてもらうのが苦手。苦手も得意もないの
かもしれないけど、とにかく物凄くストレスを感じる。
それに今回の30万近い出費。そう、それが一番痛いことだった。
その30万を出したくなかった。
でももうしょうがない。
とりあえずあとで4,5時間は外に出よう。
用事もあるし。
ということで一日頑張ります。