8月1日。
毎年この日になると、思い出すことがある。
それは12年前のこの日のことだ。
その日は朝からめちゃくちゃ調子が悪かった。
いや、もうその前から、この年の6月くらいから蕁麻疹がちらほら
出始めていて、7月の後半になってそれが悪化していて、ずっと調子は
悪かったのだが、8月1日のこの日は特に脱力感もすごくて、「もうこんな
生活嫌!!!!!」と思った記憶がある。
そしてその日、私にとってとても大きな出来事が起きた。
友人が亡くなったのだ。
正確に言うと友人が亡くなったのを知った日だった。
あの打ちひしがれた日から12年が経った。
夏になるといつもこの前後のことを良く思い出す。
友人が亡くなったと知った後の8月7日、私は友人のマンションにお線香を
上げに言った。
その日までの1週間あまり眠れなかった。
しかし彼女にお線香を上げに行き、旦那さんともお話をさせてもらい、
ちょっと気持ちが落ち着いた8月8日の夜、少し治りかけていた蕁麻疹が出
始めた。
それまでは指先とか胴体に出ることが多かったが、その日は珍しく顔に
出た。
旦那と「明日の朝になったらもっと酷い顔になってたりしてね」と冗談
混じりに言っていたら、それが本当になった。
朝起きると片目が半分くらいしか開かない。
最初は目ヤニがくっついて開かないのかなと目をこすったがなんか違う
気がした。「まさか・・」と思い顔を見ると、試合後のボクサーのように
片目は半分潰れていて、他にもおでこや顎なども腫れあがっていた。
「わわわ・・・」という感じだった。
それでも病院嫌いな私はすぐには病院に行こうとは思わなかった。
しかしお昼に近くなるにつれて、手がクリームパンのように腫れあがり、
顔はまったく痒くないのに、手だけが異常に痒くてたまらなくて、我慢
ならなくなり、いよいよ観念し、病院に行った。
薬をもらって帰ってきたが、前回蕁麻疹で病院に行った時は、もらった
薬を全部飲みきる前に引いた記憶があったので、今回も薬を飲めばすぐに
引くだろうと思っていた。が、5日後にまた来て下さいと言われたその5日
後まで結局蕁麻疹は引かなかった。
再度病院に行くと完全に治るまでに3ヶ月かかると言われた。
どういう状態なんだと思った。
その再度病院に行ったのがちょうど旦那のお盆休み中だったので、旦那に
連れて行ってもらった記憶がある。
薬は倍に増やされ、そのお盆休み中も私はその薬の眠気で、ほとんど寝て
いた。お皿洗いや買い物なんかは旦那がやっていた。
その当時は闇の中にいた。
友人が亡くなり、自分もそんな状態。
しかし何故か、今思い起こすと、そうやって旦那があれこれ支えてくれて
いたその頃の自分が幸せそうに見えるのだった。
って、今も旦那はあれこれ支えようとはしてくれてて、決して過去形では
ないのだけど、きっと今のこともいつか思い出しては「あの頃は良かった
なぁ」なんて思うのだろうと思っている。
そんな最悪だと思っていたあの夏だったが、あの頃は本当にとにかく体調
が悪かった。今も睡眠障害などがあるので決して毎日毎日すごく元気と
いうわけではないが、あの頃に比べたら全然動けている。
今日も、今週中に生理が来るので、今は絶賛生理直前の時期なので、多少の
体のダルさはあるが、何もしたくないというほどでもない。
少し前にも旦那と、私が蕁麻疹地獄だったよねという話をしていた。
「なんであんなに蕁麻疹が出ていたんだろうね」と。
旦那も「そしてなんで治ったんだろうね、結局何もわからなかったね」
と。薬は2年間くらい毎日飲んでいた。要するに2年間蕁麻疹が治らなかった。
今思うとだけど、考えられる原因は2つある。
一つはコーヒー。
蕁麻疹に直接関係があったかはわからないが、とにかく私にはコーヒー
が合わないらしい。しかし当時は好きで毎日飲んでいた。なので慢性的に胃腸
の調子も悪かったのではないかと思っている。
そしてもう一つは「え?そんなこと?」と思われるかもしれないが、もう
一つの理由は「運動不足」だと思っている。
蕁麻疹地獄が始まったのは2011年だが、その2年後の2013年に私は自治会の
役員をやることになった。普通の役員の仕事だけならまだ良かったのだが、
夏祭りの実行委員をひょんなことからやることになり、そこから自治会長
さんに行事のたびに呼ばれるようになってしまい、結局役員が終わる2015
年の春までそれが続いた。
役員の仕事をあれこれやるようになって、私は考えた。もうこのストレス
からは逃れられない。(とにかく嫌だったが断わることもできなかった)
だから他の、ちょっとでも自分で解消できるストレスは自分の力で取り除こ
うと。そして私が日常的に感じているストレスって何だろうって考えた時、
やはり毎朝起きて来るとキッチンは洗い物でいっぱいだし、リビングも散ら
かり放題。こういうのが意外とストレスになっているかもと考え、でも日々
体調が悪かったので、「とりあえず朝起きたらキッチンだけは完全リセット
をしよう」とだけ決めた。
ダルかろうが、やる気が出なかろうが、毎朝とりあえずキッチンだけは
片付ける。あとはゴロゴロしようが寝ようが自由。そう自分で決めて
始めた。すると数ヶ月後にはキッチンを片付けたあと、ついでに洗濯も
干しちゃおうとか、この勢いで掃除もしちゃおうとか、他の家事にも
どんどん派生していき、リビングとキッチンは常に綺麗な状態を保てる
ようになった。
その1年後、私は家を建てて12年目にして初めて、大がかりな断捨離を
した。普段生活している部屋が綺麗を保てるようになったら、他の部屋
の汚さが気になってきたのだ。引っ越しでもするのかというくらいの大荷
物が出て、それを一気に捨てた。
すると旦那の給料が上がり始めた。びっくりするくらい。
そして自治会の役員が終わった2015年、私達夫婦はキャンプを始めた。
という流れ。
家事で良く体を動かすようになって、部屋が綺麗になったり多少の運動
不足も解消されてストレスもそれ以前よりは軽減され、蕁麻疹が引いた
のでは、と。
しかし依存的に好きだったコーヒーは2019年の年末まで結局やめられなか
った。
2020年からはコーヒーもやっと断ち、その後の3年間で私は5㎏くらい
痩せた。MAXに太っていた時よりは7,8㎏痩せたと思う。
これくらい痩せると見た目も変わるし、着れる服も違ってくる。
それまでは容姿のコンプレックスもかなりのもんだったが、それも今で
はかなり軽減された。
あ、でも髪は薄くなった。
だからこれからどれだけ髪を維持していけるんだろうという不安もある
んだけど。
私にとっての大事なことはとにかく「コーヒーを飲まない」「家をとにかく
片付ける」ということかな。
余裕があったら、運動できる時は運動もした方がいいのかもしれないが。
ただ今でも心身共に私は普通ではない。
あの蕁麻疹地獄の頃に比べたらかなりマシにはなったが。
あ!あと最近始めたことで「これはいい!」と思ったことがある。
それは深呼吸だ。
少し前にラジオ体操をやっていたのだけど(また続かなくなったのだけど)
その時に「結局深呼吸が一番気持ちがいいな」と思ったのだ。
なので、朝とか昼間の時間帯にも時々深呼吸をするようになった。
すると、なんだかそれまでのぼせ上がっていたものがスーンと静まった
、かのような感じで、前より動ける気がしているのだ。
ま、これは本当に個人の感想で、言ってみれば蕁麻疹の本当の理由だって
コーヒーと運動不足なのかどうかもわからない。
でも「これをしているといい方向に向かうな」と漠然と感じてきたと
いう感じだ。
深呼吸はかなりいいと感じている。
そんなわけで、12年前のあの日から私は12年間また生きてきた。
これからもいろんなことがあるだろうが、なんとか生き延びねば、と
いう感じだ。