元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

MORDANT-SHORTのスピーカーを聴いてみた。

2012-02-08 06:19:47 | プア・オーディオへの招待
 英国MORDANT-SHORT社のスピーカーを聴くことが出来たのでリポートしたい。同社は1967年設立。歴史の長いメーカーではあるが、日本に正式輸入されるようになったのは最近のことだ。聴いたのは同社の上級シリーズのひとつであるPerformance6で、アンプとプレーヤーは国産のLUXMANの製品が使われていた。

 このPerformance6は3ウェイのバスレフ形式の、フロアスタンディング型だ。ユニットはすべてアルミニウム製。外見上で注目すべきは、エンクロージャー(筐体)の後方にある角みたいな突起物である。カタログによればこれは“吸気口”で、高音ユニットが“呼吸している状態”を維持することにより、歪の問題を解決させるらしい。



 スピーカーユニットが“呼吸している”という比喩は初めて聞いたが、ならば中音域や低音部は“呼吸”させないでいいのかという疑問も残る(笑)。さらに言えば“吸気口”を設けていない他社のスピーカーは、ずっと“窒息状態”が続いているのだろうか(爆)。いずれにしろオーディオの方法論は百鬼夜行だが、もっともらしい論理は脇に置いて、要は音が良ければいいのである。さっそくサウンドを聴いてみた。

 ひとことで言って、あまり上等な音とは言い難い。とにかく分離が悪いのだ。全域に渡って各音像がベットリとくっついていて、まるで“水気の多いチャーハン”みたいな案配である(何だそりゃ ^^;)。音場も狭い。縦方向にも横方向にも広がらず、奥行き感なんて無いに等しい。メタル系の振動板を使用しているせいか音の立ち上がりこそ速いが、見通しの悪い音場に余韻がマスクされてしまう感じで、聴いているとストレスがたまる。

 肝心の“高音ユニットの呼吸状況”についても、耳障りな付帯音が散見され、どうやら喉が荒れているようだ(笑)。定価が70万円近い高級品だけに、この低調なパフォーマンスには脱力するしかない。

 ただ、この機器はエージング(鳴らし込み)が不足しているという可能性もある。MORDANT-SHORTには他の価格帯のラインナップも存在するし、機会があれば別のモデルも聴いてみたいものだ。

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