元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

“趣味は囲碁です”と、取りあえず言っておく(笑)。

2006-07-14 06:56:13 | その他
 職場の関係者や近所の人から“あなたの趣味は何ですか?”と聞かれたら、たいてい“私の趣味は囲碁です”と答えるようにしている。事実、私は学生時代から囲碁を嗜んでおり、いちおう“段位”も持っている。社会人になってからも、会社主催の大会や(←その頃は世相的にノンビリしていたせいか、そういうものがあったのだ)労組主催の大会、地域の大会なんかに参加したこともある。

 では、本当に囲碁がこよなく好きなのかと問われると、そうではない(爆)。実を言えばここ10年ばかりはマトモに対局したこともない。先日、職場での研修のインストラクターが、私が囲碁をたしなむことを知って“じゃあ、貴方の場合、休日なんかは碁盤に向かっているのが、絶好のストレス解消になるんでしょうね”と無邪気に言っていた。もちろん私も“ええ、そうです”とニコヤカに答えておいたが・・・・冗談じゃないよ(笑)。

 本音を言えば、囲碁の対局ほどストレスの溜まるものはないのだ。特に長時間の接戦で、結果僅差で負けたなんてことになると、悔しさでブチ切れそうになる。仕事面で多大なストレスを受けているのに、余暇の時間にまで別のストレスを溜め込んでどうするんだっての。

 しかし、ここで“あなたの趣味は何ですか?”と聞かれた時に正直に“私の趣味は映画鑑賞で、年に100回以上は映画館に足を運びます。ときどき同好の士と集まってバカ話で盛り上がりますよ”とか“私は音楽を聴くのが好きで、社宅には200枚程度のCDしかありませんが、実家にはLP・CD合わせて500枚以上のディスクを所有しています。オーディオにもこだわってまして、とはいっても実家に置いているやつでも定価総額百数十万円の安物だし、社宅のサブ・システムに至っては20万円もしない超安物だから、自慢するほどじゃないんですけどね”とか答えようものなら、相手は確実にドン引きだ。

 どんな趣味を持とうと個人の自由だが、世の中には確実に“趣味のランキング”というものが存在する。言葉を変えれば“公言して良い趣味と、悪い趣味”があるってことだ。この“公言して良い趣味”というのは社会人の場合で言えば、まずゴルフと釣り、あとはゴルフ以外のスポーツやガーデニング、それと読書(歴史小説に限る)あたりが挙げられる。もちろん囲碁、そして将棋も“公言して良い趣味”の代表選手だ。

 私はゴルフなんてどこが良いのか分からないし、釣りのような殺生な趣味もノーサンキューである。一戸建てに住んでいないからガーデニングにも縁はないし、読書は好きだが歴史小説ばかり読んでいるわけでもない。だが、こんな“私は好きじゃないからやらない”みたいな態度では通らないのが、浮き世の道理というものだ。だから最低限“公言して良い趣味”のひとつぐらい押さえておかなければ人付き合いに支障が出る。

 映画鑑賞も趣味の一つには違いないが、せいぜい“年に2,3回は映画館で観て、あとは週末にレンタルビデオを家で見る”というのが一般的な認識だろう。それを逸脱すると確実に気味悪く思われる。ましてや同じ趣味を持つ者と映画談義で盛り上がるなんてのは、変人そのものだ。特に親しい者や家族縁者を除いては、絶対公言してはいけない。音楽鑑賞も世間では「趣味」として認知はされるが、一般的に許容できるソフトの所有数はCDにして50枚程度が限度だと思う。これを超えるとアブナい。100枚以上CDを持っていることを安易に公言すればキ○ガイ扱いされること請け合いだ(笑)。

 そんな“本当の趣味”を明かして気まずい雰囲気に陥るよりは、単純に“趣味は囲碁です”と言っておいた方が無難である。

 しかも、囲碁は“公言して良い趣味”の代表格であるにもかかわらず、愛好者数が将棋その他の趣味より少ないことが実にオイシイ。つまり“ほう、私も好きです。今度一回お手合わせ願いたい”なんて面倒くさいことを言われることがあまりないのだ。多くの人は“白と黒がゴチャゴチャと並んでいるだけで、何が何だかわからない。でも、伝統的なボードゲームだし、プロ棋士も多数居るし、たぶん御立派な趣味なんだろな”としか思わない。

 そこですかさず“囲碁に由来する言葉ってけっこうあるんですよ。序盤・中盤・終盤なんてのはその代表だし、「手抜き」とか「ダメ」も囲碁用語。そうそう、素人と玄人も囲碁から来ているです”なんてウンチクの一つも披露しておけば完璧だ(爆)。万が一、相手も囲碁の愛好者で“今度一緒に打ちましょう”と言われた場合でも、“いや、忙しくてねぇ”と言い訳しつつ“林海峰の二枚腰は素晴らしかったですね”とか“絶頂期の加藤正夫(剣正)の秒殺ぶりにはシビれました”とかいう大物棋士の話題を振っておけば、互いに気を悪くせずに会話を終えることが出来る。

 だが、今は囲碁から遠ざかっている私も、定年後にヒマが出来たら、碁会所通いに明け暮れたいと思っている。仕事その他のストレスがなくなり、ひとつのことに専念できる境遇になれば、囲碁ほど楽しめる趣味はないことも知っているからだ。しかも、嬉しいことにあまり囲碁はカネがかからない。碁会所ではそこそこの料金を払えば一日中没頭できるし、自宅で過去の名対局の棋譜を並べてるだけでも面白い。

 仕事やハードな勉強に追いまくられることのない層、つまり定年後のシニア層や勉学に過度に集中する必要のない学生、子育てが一段落した専業主婦なんかには、囲碁はもってこいの趣味である。一度覚えれば一生楽しめる。テレビゲームなんか足元にも及ばない奥の深さ、“棋譜”という過去からの膨大なソフトの蓄積もある。こんな面白いもの、やらなきゃ損だ。

 この“囲碁ネタ”については、今後も何か思いついたらアップする予定です。乞うご期待(といっても誰も期待しちゃいないだろうけどね ^^;)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ロシア・ハウス」 | トップ | 「陽気なギャングが地球を回す」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

その他」カテゴリの最新記事