コショウ科のフウトウカズラです。
関東地方以西の本州から四国、九州に分布する常緑のつる性植物です。
茎には節があり、節から出る気根で回りの木に付着してはい上がります。
長さは10メートルほどにもなり、節から枝が分かれて垂れ下がります。
葉は互生、節から葉柄をのばします、先のとがった卵型で細長いものからハート型まで変化があります。
葉の縁は滑らかで、厚みがあります、葉脈は5本が目立ちます。
春の終わりから初夏に花がさきます、雌雄異株で雄花のさく木と雌花のさく木があります。
葉の付け根から花柄をのばして垂れ下がります。
雄花は、花を穂状に多数つけて葉と同じくらい長く垂れ下がります。花弁は無く雄しべ2から3本をつけた小さな花の集まりです。
雌花も花弁は無く、雌しべの子房は球形で柱頭がのびて先が3から4本に分かれ、雄花穂より太く短く見えます。
今の時期は花が終わり、雌花穂は球形の果実になっています。果実は熟すと紅色になります。
「胡椒」の仲間ですが、香辛料の風味は無いそうです。
九州や沖縄では風呂に入れて薬湯とするそうです。中国では「海風籐」とよばれ、乾燥した茎が風邪や関節痛のくすりとされるそうです。
「風籐」の薬が採れる「蔓」なので「フウトウカズラ」と名前がついたそうです。