明洞(ミョンドン)にCQNという映画館があります。5つの小劇場があって,そのうち一つは日本映画専門。
先日,ここで「この世の外へ クラブ進駐軍」(2004年,阪本順治監督)という作品を見ました。
終戦直後,日本を占領していたGHQ(進駐軍)のクラブで,アメリカ軍兵士の慰安のためにジャズを演奏する日本人の若者たちの青春群像を描いたものです。
ストーリーとは別に,あの時代の日本の社会と風俗の全般が生き生きと描かれているのが興味深い。
サックスは、死のフィリピン戦線からの復員兵。
ドラムは、親が長崎で被爆しその治療費を捻出しようとしている。
ピアノは、生き別れになった幼い弟を探している。
ヒロポン中毒のトランペット。
ベースは、兄が共産党員でアカ狩りの対象になっている。
一方,アメリカの兵士たちも息子をヨーロッパ戦線で,あるいは弟を硫黄島で亡くしたりして,それぞれ心に傷を負った者ばかり。軍内では白人と黒人の間の差別と葛藤も深刻だ。
そして風雲急を告げる朝鮮半島。
日々,半島への派兵の発令が出る中,米軍兵士たちは不安な気持ちをパンパン(米軍兵士相手の日本人娼婦)相手にまぎらわせる。
闇市にはハングルの文字もあり、在日コリアンが闇市で活躍していたことが示唆される。ピアノの弟は浮浪児になって路頭に迷うも、傷痍軍人の世話になり,ビン,カンを拾い集めては,闇市の「金さん」に売りながらたくましく生きる。
進駐軍クラブで歌う,育ちのよさそうな日本人のお嬢さん歌手は,パンパンを馬鹿にしつつ,米軍兵士に乱暴されそうになったとき,パンパンに助けられる。
そしてパンパンはといえば,米軍兵士に身を売りながら,いずれ銀座に店を出すという淡い夢をもっている。
みんなそれぞれの事情をかかえながら,必死で生きていた時代だったのでしょう。
パンパンがお嬢さん歌手を救う場面は,満州,北朝鮮で,ソ連軍の女性供出命令に,請われて,あるいは自ら進んでその役割を引き受けた多数の日本人慰安婦がいたという話を想起させます。
先日,ここで「この世の外へ クラブ進駐軍」(2004年,阪本順治監督)という作品を見ました。
終戦直後,日本を占領していたGHQ(進駐軍)のクラブで,アメリカ軍兵士の慰安のためにジャズを演奏する日本人の若者たちの青春群像を描いたものです。
ストーリーとは別に,あの時代の日本の社会と風俗の全般が生き生きと描かれているのが興味深い。
サックスは、死のフィリピン戦線からの復員兵。
ドラムは、親が長崎で被爆しその治療費を捻出しようとしている。
ピアノは、生き別れになった幼い弟を探している。
ヒロポン中毒のトランペット。
ベースは、兄が共産党員でアカ狩りの対象になっている。
一方,アメリカの兵士たちも息子をヨーロッパ戦線で,あるいは弟を硫黄島で亡くしたりして,それぞれ心に傷を負った者ばかり。軍内では白人と黒人の間の差別と葛藤も深刻だ。
そして風雲急を告げる朝鮮半島。
日々,半島への派兵の発令が出る中,米軍兵士たちは不安な気持ちをパンパン(米軍兵士相手の日本人娼婦)相手にまぎらわせる。
闇市にはハングルの文字もあり、在日コリアンが闇市で活躍していたことが示唆される。ピアノの弟は浮浪児になって路頭に迷うも、傷痍軍人の世話になり,ビン,カンを拾い集めては,闇市の「金さん」に売りながらたくましく生きる。
進駐軍クラブで歌う,育ちのよさそうな日本人のお嬢さん歌手は,パンパンを馬鹿にしつつ,米軍兵士に乱暴されそうになったとき,パンパンに助けられる。
そしてパンパンはといえば,米軍兵士に身を売りながら,いずれ銀座に店を出すという淡い夢をもっている。
みんなそれぞれの事情をかかえながら,必死で生きていた時代だったのでしょう。
パンパンがお嬢さん歌手を救う場面は,満州,北朝鮮で,ソ連軍の女性供出命令に,請われて,あるいは自ら進んでその役割を引き受けた多数の日本人慰安婦がいたという話を想起させます。
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