戦後最大の自然災害となった東日本大震災。
地震,津波そして原発…。テレビで報じられる惨状を見ていたたまれない気持ちになります。交通機関の乱れや計画停電,ガソリン入手の困難など,首都圏で感じている不便などは物の数ではない。被災者のみなさんは本当に気の毒なことですし,被災地で救命活動や復興支援に当たられる方々,そして原発で決死の作業を続ける東電関係者,自衛隊,警察のみなさんには本当に頭の下がる思いです。
被害額は天文学的な数字にのぼり,20兆円という試算もあるそうです。
われわれにできることは,募金。いろいろな場所,機関で募金活動が盛んに行われています。うちの娘たちもなけなしのお小遣いをコンビニの募金箱に入れていました。
でも,国民の善意を当てにしていては到底足りない。ここはもう,全国民から強制的に集めるべきでしょう。
地震は日本全国どこに起こってもおかしくない。そしていまや原発の恩恵を受けていないところなんてない。現在の宮城や福島の苦痛は,全国民が引き受けるべきものです。
この機会に,消費税を10%に引き上げてはどうでしょうか。
消費税こそは最も公平な税金です。所得税にはさまざまな抜け道があって,宗教法人や似非宗教法人が免除され,富裕層は税理士を雇って節税という名の合法的脱税を行う。個人事業主の所得過少申告は当たり前のことのように行われています。サラリーマンの給料だけがガラス張りできっちりと源泉徴収されていく。
それに対して消費税は,どんなに阿漕な方法で所得を得たとしても,それを使うときに逃れようもなくかかってくる。似非宗教者も,お金持ちも,宝くじ当選者も,銀行強盗も,手にしたお金を消費するとき,全員平等に払います。
私はかねてより,消費税値上げ論者でした。
消費税導入時,反対する主婦は多かったけれども,同時に行われた所得税減税を合わせて考えると,サラリーマン世帯の支払う税金の総額はむしろ下がった。こんな単純な理屈も理解できずに反対していたサラリーマンの奥さんが多かったんですね。
「消費税と所得税をどちらも一律に10パーセントにすれば,税収はむしろ増える」という主張もありました。所得税がたったの10パーセントになれば,高いお金を税理士に払って節税する金持ちも,正直に税金を払うようになるという理屈です。
それはともかく,現在の日本の財政状態,破綻しかかっている年金,うなぎ上りに増え続ける医療費を考えれば,消費税値上げは絶対に必要なのに,それを言うと選挙に負けてしまう。そんなことをしている間に,日本の国力はどんどん落ちていく。
「震災復興」という大義名分があれば,選挙の洗礼なく,また大多数の国民の支持のもとに,消費税増税を実現することができるのではないでしょうか。
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