朝鮮日報のコラムに次のような見出しの記事がありました。(リンク→①,②)
九州は韓国に向けられた「刃」
内容は,というと…
韓国から地理的に近い九州は,物流面のメリットがあり,韓国向け製品の生産拠点がある。また温泉,ゴルフ場などの豊富な観光資源は済州島の観光業を脅かしている。日本と韓国の間で自由貿易協定が結ばれれば,九州は韓国にとって脅威になる。
というような他愛のないものなですが,締めくくりの一文は,
九州は韓国に向けられた日本経済の「刃」なのだ。
とおどろおどろしい表現になっている。
これはおそらく,「つくる会」の歴史教科書の記述を踏まえたものです。2001年につくる会が歴史教科書を初めて出したとき,「申請本」の内容が大きく報道され,一部内容について韓国や中国,そして日本の「良識派」から激しく批判されました。そして,部分的に「自主修正」がなされた。
次はその一部です。
【朝鮮半島と日本の安全保障】
〈申請〉
東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れて、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて大陸から一本の腕が突き出ている。それが朝鮮半島だ。朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地をもたない島国の日本は、自国の防衛が困難となる。この意味で、朝鮮半島は日本に絶えず突きつけられている凶器となりかねない位置関係にあった。
〈修正後〉
東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れて、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて大陸から一本の腕が突き出ている。それが朝鮮半島だ。朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地をもたない島国の日本は、自国の防衛が困難となると考えられていた。
申請本にあった「凶器」という表現が,修正後はなくなったわけですが,この教科書の著者はなんでわざわざそんな表現を使ったのか。
実はこれは,著者の独創ではなく,ある外国の将官の言葉だったのです。
「日本陸軍初期の参謀顧問を務めたプロシャのメッケル少佐は、日本にとっての朝鮮の戦略的な重要性を確信し、もし朝鮮がロシアのような大国に支配されれば、日本の心臓を狙う短剣のようなものになると指摘した。しかし、朝鮮の愛国者がそれを聞いたら、日本列島こそ朝鮮の心臓に対する節の刀のようなものだと反論を加えたに違いなかろう」
(マーク・ピーティ『植民地帝国50年の興亡』読売新聞社、20世紀の日本4、1996)
それにしても,先の新聞記事の見出しはいかがなものか。
九州は韓国に向けられた「刃」
内容は,というと…
韓国から地理的に近い九州は,物流面のメリットがあり,韓国向け製品の生産拠点がある。また温泉,ゴルフ場などの豊富な観光資源は済州島の観光業を脅かしている。日本と韓国の間で自由貿易協定が結ばれれば,九州は韓国にとって脅威になる。
というような他愛のないものなですが,締めくくりの一文は,
九州は韓国に向けられた日本経済の「刃」なのだ。
とおどろおどろしい表現になっている。
これはおそらく,「つくる会」の歴史教科書の記述を踏まえたものです。2001年につくる会が歴史教科書を初めて出したとき,「申請本」の内容が大きく報道され,一部内容について韓国や中国,そして日本の「良識派」から激しく批判されました。そして,部分的に「自主修正」がなされた。
次はその一部です。
【朝鮮半島と日本の安全保障】
〈申請〉
東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れて、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて大陸から一本の腕が突き出ている。それが朝鮮半島だ。朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地をもたない島国の日本は、自国の防衛が困難となる。この意味で、朝鮮半島は日本に絶えず突きつけられている凶器となりかねない位置関係にあった。
〈修正後〉
東アジアの地図を見てみよう。日本はユーラシア大陸から少し離れて、海に浮かぶ島国である。この日本に向けて大陸から一本の腕が突き出ている。それが朝鮮半島だ。朝鮮半島が日本に敵対的な大国の支配下に入れば、日本を攻撃する格好の基地となり、後背地をもたない島国の日本は、自国の防衛が困難となると考えられていた。
申請本にあった「凶器」という表現が,修正後はなくなったわけですが,この教科書の著者はなんでわざわざそんな表現を使ったのか。
実はこれは,著者の独創ではなく,ある外国の将官の言葉だったのです。
「日本陸軍初期の参謀顧問を務めたプロシャのメッケル少佐は、日本にとっての朝鮮の戦略的な重要性を確信し、もし朝鮮がロシアのような大国に支配されれば、日本の心臓を狙う短剣のようなものになると指摘した。しかし、朝鮮の愛国者がそれを聞いたら、日本列島こそ朝鮮の心臓に対する節の刀のようなものだと反論を加えたに違いなかろう」
(マーク・ピーティ『植民地帝国50年の興亡』読売新聞社、20世紀の日本4、1996)
それにしても,先の新聞記事の見出しはいかがなものか。
そこで今多くの韓国人は、九州でゴルフしたり温泉に浸かったりして楽しんでいるわけです。
一般の韓国人にとっては、刃というよりもオアシスですね。
観光客を取られたくなかったら、もっと改善するしかないのに、それを棚に上げて被害妄想的に書き立てるのはマスコミの姿勢としては大人気なさ過ぎる。
オアシスとは至言です。