中央日報の社説には、日本語訳、英訳、中国語訳がついている。11月4日社説について、韓国語、日本語、中国語、英語の音節数を調べてみました。
日本語版は以下の通り。
【社説】うらやましい中国の宇宙ドッキング成功
きのう明け方、中国はもうひとつの新紀元を達成した。中国西部陝西省と甘粛省の343キロメートル上空で無人宇宙船「神舟8号」と宇宙ステーション「天宮1号」のドッキング実験に成功したのだ。宇宙でのドッキングは超高速で飛行する宇宙船が速度を合わせながら接続する高難度技術だ。これまでにこの技術を確保した国は米国とロシアだけだ。今回の成功を土台に中国は宇宙開発に拍車をかけ、2020年までに宇宙ステーションを完成させ運営するという計画だ。主要20カ国(G20)首脳会議参加のためフランスを訪問中の胡錦涛国家主席がすぐにお祝いのメッセージを送るなど13億人余りの中国人がお祭りムードにひたっている。
中国の宇宙技術発展のスピードは驚異的なほどだ。1961年に世界初の宇宙遊泳を達成したロシアや69年に月面に宇宙飛行士を着陸させた米国に比べ40~50年の遅れをとったのは事実だが、最近の発展速度は驚くべきだ。2003年に初めての有人宇宙船打ち上げ、2007年に初の月探査人工衛星打ち上げ、2008年に宇宙遊泳成功、2010年に2度目の月探査衛星打ち上げに成功した。今年末にはロシアと共同で火星探査衛星を打ち上げ、来年には無人探査船の月着陸、2013年に独自の火星探査衛星打ち上げ、2017年に月の土壌採取、2020年に宇宙ステーション運営などの息つく間もない計画を持っている。わずか10年余りの間に米国とロシアの宇宙技術に追いつくということだ。
中国の宇宙ドッキング成功は祝うべきことだが、われわれの状況を考えると気持ちは楽なだけではない状況だ。われわれは依然独自の衛星打ち上げの意欲さえも出せずにいる。ロシアのロケットを借りて推進した羅老(ナロ)号打ち上げが相次いで失敗した末に、いまでは宇宙開発に対する期待まで大きく低くなった状態だ。人工衛星を100個以上保有する中国や数十個を保有する日本に比べ韓国はようやく4個だけだ。人口や領土、経済規模で大きな差を見せる国々と本格的な宇宙開発競争に出るのは無謀なことだろう。しかし独自の衛星打ち上げなど最小限の能力は確保しなければならない。
(韓国語版、中国語版、英語版)
韓国語や中国語の場合ハングル漢字は音節文字なので文字数がそのまま音節数になります。
ところが日本語はそうはいかない。ひらがなは音節文字(拗音を除く)だからいいとして、漢字は文字数と音節数が一致しない。たとえば「中国」は2文字だけれども、音節は「ちゅ・う・ご・く」で4音節になります。
英語のアルファベットは音素文字なので、やはり文字数と音節数が違う。「a」は一文字一音節ですが、「China」は5文字で2音節です。
で、先の「社説」の音節数を勘定すると、
英語 約700音節
中国語 約720音節
韓国語 約750音節
それに対して
日本語 約1200音節!
情報量が同じなのに、それを伝えるために必要とする音節数は日本語が断トツで多いようですね。
前のブログ記事で、日本語の音節の種類が他言語に比べてきわめて少ないと書きました。
日本語112、韓国語2000?、英語30000?
音節の種類は少ないけれど、単位情報当たりの音節数は多い…。二つの間に相関関係があるのかどうかはわかりませんが。
じゃ、書くときはどうなのか。
文字は漢字、ハングル、アルファベット、漢字かなまじりと多様で、分かち書きがあったり(英語、韓国語)、なかったり(日本語、中国語)なので、とりあえず行数で比べてみました。
それぞれ文字のポイント(大きさ)を揃えて上の社説が何行に納まるか。
結果は、
中国語 17行
日本語 21行
韓国語 21行
それに対して
英語 29行!
今度は英語の一人勝ちでした。
オール漢字の中国語はやはり1文字あたりの情報量が多い。
韓国語と日本語が似たような値になっていますが、日本語はたくさんの音節が必要な分、1文字で複数音節を表すことのできる漢字を使っているので文字数を少なくできる。韓国語には分かち書きがあることも、行数が増える理由の一つでしょう。
中国語は行数(=文字数)が少ないとはいえ、すべて漢字ですから手書きで書く場合の負担は日本語や韓国語以上かもしれません。
英語は1音節あらわすのにたくさんの文字を使うから文字数、行数が増えちゃうんでしょうね。
英語圏で字幕つきの外国映画が流行らないのは、文字の読めない人がけっこういることに加えて、字幕という限られたスペース・時間では必要な情報を盛り込めないからだと聞いたことがあります。
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ませんが、納得のいく結果でした。
そういえば英字新聞は1面に掲載できる量が
少ないせいか記事は全文掲載されないなとか、
そういえば英語は固有名詞など頭文字をとって
略字を使うケースが多いなど、非常に示唆に
富む結果だと思います。
ところで韓国では日本のように漢字とかなの併用
をせず、ハングルのみになったのでしょうか。
過去記事に説明があったでしょうか。
1967年にソ連で出た「ソビエトの言語」に記載されていたものが紹介されています。
世界で一番子音が多い言語はカフカス諸語の一つ、ウビフ語で、子音の数80!
一方、世界で一番母音が少ない言語には、たった二つの母音しかない。そして、それがまたしてもウビフ語なんだそうです。
ただこの言語を母語として話す人は、千野さんの本が出た当時においてもごく少数だったそうですから、その後30年を経た今日、すでに滅びてしまった言語かもしれません。
別の掲示板に書いたことがあるので、紹介することにします。
私の場合、今や絶滅状態にある「親指シフトキーボード」でひらがな直接入力をしているので、漢字かなまじり文でも、ハングル入力より速い自信があります。