犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

モラルハザード型犯罪?

2011-03-06 22:24:22 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)

 京大はじめ名門大学の入試問題がヤフー知恵袋に投稿された事件が日本で発覚した翌日,韓国の朝鮮日報はこの事件について,力のこもった記事を掲載しました。朝鮮日報の日本語版はリンクがすぐ切れてしまうので,全文をコピペすると…

日本で名門大の入試問題が相次ぎ流出

早稲田・同志社・立教に続き京都大学もリアルタイムで

 「英訳してください」

 26日午前、日本のインターネット大手検索サイト「ヤフージャパン」の質問掲示板「知恵袋」に、このような書き込みが掲載された。英訳してほしいという文章は、その時間に入学試験が行われていた国立京都大学の出題問題と同じだった。さらに、京都大学でも数学の入学試験が行われていた前日25日午後137分、ヤフーの知恵袋に「数学の問題です。(中略)解答だけでなく途中計算もよろしくお願いいたします」という書き込みが掲載された。これらの質問には、すぐに「回答」が寄せられた。

 ヤフー知恵袋は韓国の大手検索サイト「ネイバー」の「知識iN」とよく似たサービスで、2004年に開設され、06年以降は携帯電話からも接続し利用可能になった。京都大学の入試問題はこうした形で数学6問、英作文2問が外部に流出した。

 インターネットに試験問題が流出した大学は京都大学だけではない。今月初めに試験が行われ、既に合格者を発表している早稲田大学、同志社大学、立教大学でも試験時間中にヤフー知恵袋で問題が流出した。京都大学は東京大学に劣らぬ人気と実力を誇る国立大学の名門で、ほかの大学もすべて私立の名門大学だ。どの大学も試験開始から10分もたたないうちにインターネットを通じ問題が外部に流出し、すぐに回答があったという共通点がある。なお、4大学の問題を同サイトに掲載する際は、すべて「aicezuki」というハンドルネームが使われていた。日本の各メディアは、IDやパスワードを共有する複数の人物が介入している可能性もあるとみている。携帯電話で問題用紙を撮影、メールでその写真を送信し、外部にいる協力者がこれを掲示板に掲載した可能性があるということだ。

■合格取り消しの事態も?

 日本の文部科学省は「わが国の入試制度の根幹を揺るがす重大事件」として、調査に乗り出した。だが、その一方で大学当局に対する批判も多い。日本では多くの大学が試験中は電源を切って、かばんに入れることを条件に携帯電話の持ち込みを許可している。各試験場には監督官が2人程度配置されているが、「きちんと監督が行き届いていないのではないか」と指摘する声もある。

 日本の各メディアは今回の事件と関連し、200411月に韓国の大学修学能力試験(修能、日本のセンター試験に相当)で発生した「携帯電話による組織的カンニング行為」を大々的に報道している。当時、携帯電話のメールを通じた不正行為が摘発され、約300人の成績が無効となった。今回の流出事件の全容が解明された場合、すでに合格者を発表した早稲田大学なども何らかの是正措置を取る必要があるなど、混乱は避けられない。

■信頼崩れた日本式システム
 日本では、かつて想像もできなかったような「モラルハザード(倫理観の欠如)型犯罪」が相次いでいる。昨年には、死亡した親の遺体を家に隠したまま生きているかのように装い、年金を受給し続ける「年金不正受給事件」が発覚し、衝撃が走った。また、検察特捜部の主任検事がある不正事件に関し厚生労働省局長を捜査した際、証拠を捏造していたことが明らかになり、昨年逮捕された。日本の検察は「信頼の象徴」から「信じられない集団」へと転落し、特捜部解体論まで飛び出した。このほか、ウナギやアサリなど中国産水産物を日本産と偽装し販売、摘発された事件も相次ぎ、食品の安全性に対する信頼にもひびが入っている。

 日本の非実名制インターネット文化も、試験問題流出事件を機に批判の的となっている。問題が流出したヤフー知恵袋は実名を登録する義務がない。日本ではほとんどのサイトが実名確認を行う必要がないため犯罪に悪用される可能性が高く、こうした状況を放置してもいいのかと批判を浴びている。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員

(以下、図表)

日本に衝撃が走ったモラルハザード型犯罪
 検察証拠捏造事件 2009年,大阪地検特捜部の主任検事が,厚生労働省局長を逮捕するため証拠を捏造していたことが発覚し,逮捕された。検察総長が引責辞職したが,特捜部解体論が取りざたされるなど検察への信頼が崩壊した。

 高齢者の死亡隠ぺいによる年金不正 死亡した親の遺体を隠したまま,年金を受給していた事件が2009年に相次いで発覚した。このため日本政府が一斉調査を行ったところ,書類上は生存しているが,実際には死亡していたり,行方不明になっているケースが続出した。

 中国産食品偽装販売事件 中国産輸入ウナギ数百万匹を日本産と偽り販売していた業者が2008年に逮捕された。ウナギだけでなく,アサリなどほかの農水産物の原産地を偽装する事件が相次ぎ,食品の安全性に対する信頼が地に落ちた。

 耐震偽装事件 鉄筋コストを減らすため,マンションやホテルなどの耐震強度を設計基準の半分程度にして設計していたことが2005年に発覚,摘発された。政府が追加調査を行ったところ,全国で耐震強度が規定に達していない建物が次々と発覚した。
韓国語記事リンク

 当初は複数の協力者のいる組織的犯罪かと疑われましたが,容疑者が逮捕されてみると,「親に学費の苦労をさせたくなかった」浪人生の単独犯行らしい。韓国の2004年の韓国の事件のような組織犯罪を期待していた韓国のマスコミはがっかりしたかもしれません。

 韓国のマスコミは,日本で不名誉な事件がおこると,嬉々として報道する傾向がある。日本の2チャンネルの嫌韓派と似ています。

 朝鮮日報は,今回の事件を日本の「モラルハザード型犯罪」の一つとみなしています。モラル・ハザードという言葉の使い方が適切かどうかはともかく,記事の中で列挙された事件は,「検察による証拠改竄事件」「年金不正受給事件」「中国産うなぎ産地偽装事件」「耐震強度偽装事件」の四つ。

 中国産うなぎ? そんな事件あったっけ? 

 調べてみると,あるにはあったけれどそんなに大きな事件だったとは思えない。類似の事件ならば,船場吉兆の使い回し事件のほうが大きなニュースだったと思いますが,「使い回し」は韓国ではあまりにも日常的なことなので,ニュースバリューがないのでしょうか。

 ただ,今回の入試問題投稿事件は,これら四つの事件と並べるにはちょっと異質な気がする。四つの事件はいずれも「偽装」とか「改竄」をして世間を騙そうとしたもの。ネットという新しい手段を利用したカンニング事件とは別でしょう。

 想像ですけれど,記事を書いた
車学峰記者が,以前より「日本のモラルハザード型犯罪」について記事を書こうとして資料を準備してあったところに,今回の事件が起こり,「日本の不名誉な事件だ!」というので飛びついた。

 まだ事件の概要がわかっていない時点にしては,へんに充実した記事になっているのは,そのためではないでしょうか。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニュージーランドの地震 | トップ | リビアに黄禹錫氏? »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カンニングと言えば (miyo)
2011-03-13 14:24:49
中国、韓国の方が必死にカンニングする手段を
考える学生が多かったよな気がしますが・・

今回も今の若者が自分の持つものを最大限
に使ってしまった単なる「カンニング」です。
返信する
中韓のカンニングは (犬鍋)
2011-03-13 17:03:40
科挙からの伝統でしょう。
返信する

コメントを投稿

日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)」カテゴリの最新記事