「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

湯湯婆の効用

2009年01月19日 | ああ!日本語
 以前から、エアコンや電気敷毛布を一晩中使用すると、乾燥するし、喉も渇くからと嫌って、夫は湯たんぽを愛用していました。私にもその効用を説いては、しきりに勧めていましたが、一向に同調しないのをみて、ついに自分が使っているのと同じものをプレゼントだといって買ってきました。
 朝の洗面所で使用し、残りは洗い物に空け、忘れていて冷えてしまったときには室内の植物にやっているのを知ってました。
 先日、本を読んでいて夜更かしをし、ベッドに入ろうとすると、パジャマが見当たりません。膨らんでいる布団をめくるとなんと湯たんぽに捲きつけてありました。以後、そのほんのりと暖かい快適さの虜になり、今では湯湯婆が手放せなくなっています。

 幼い日の思い出の湯湯婆は、祖父母はかまぼこ型の陶製のもので、私達のものはブリキでできていました。今は錆の心配もない強化プラスチックで取り扱いも楽になっています。大きく波打っていた形だけは昔のものに似通っていますが、色も鮮やかで、栓もしやすく、軽いのも年寄りには有り難い機能です。

 第一、ストーブにかけて湧いている薬缶のお湯を注ぐだけですから、経費がゼロというのが何よりです。
 コードレスですから、そそっかしい私でも引っ掛かって転ぶこともないし、古くなっても漏電の心配や、着け忘れからの火災も関係なし。ただ、お湯を注ぐ時に火傷をしないように注意して、一気にお湯を注入しないことぐらいでしょう。
 厚いキルトの布で包めば低温火傷の心配はありません。
 かくて「湯湯婆」と書く文字どおりに今では私のほうが熱心な湯湯婆信奉者で、人にもお勧めしています。 ちなみに、湯・婆のタン・ポは、唐音読みだそうで、もうひとつ湯をおまけにくっつけて重ねたものだそうです。柳田国男説では、タンポは、容器を叩いた音からきたという説(方言と昔)で、こちらも楽しくて捨てがたいですね。
 そのうち、愛らしい猫か、ふくろうのアップリケでもした湯湯婆入れでも作るとします。



寒牡丹図 酒井抱一   同じ暖を取るにもこちらは気品溢れて。



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6 コメント

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羽毛かシルクか (香hill)
2009-01-19 23:48:37
日本の家屋は冬、風通しが良いのか?お部屋は寒々。
戦後の暮らしでは暖房は火鉢だけ、古家は換気?が良いだけに一酸化中毒の心配はなし。

ひやこいお布団を暖めてくれる湯たんぽは懐かしい、今も残る火傷の痕。
低温火傷はタチの悪いモノと体で学習、頭で覚えたモノでないだけに忘れる事はありませんね。
ゴルフスイングも体で覚えんといかんとは承知はしているが、それが結構難しい。

ところで、軽い高級羽毛掛け布団が広告にありますね、何処が違うのか?数万円単位。
当方は適当な綿の重量感がないと駄目ですので買ってはいませんが、どうなんでしょうね。
篤姫サンの様にシルクの寝巻きにシルクの布団?温いかな。
高級布団は湯たんぽで早くへたるって心配はありませんか?そう、足元の部分が変色?

そう言えば、曽野綾子さんが言ってましたね。毎日使用する物にお金を掛けろ!って。
ゴルフクラブの買い替えより高級布団にしようかな?

今日も寒かったですね。
頭寒足熱、good night。
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湯たんぽ (ba-ba)
2009-01-20 13:17:19
こんにちは
湯たんぽの記事をあげようとしましたら、boa!さまが先にブログUPされていましたのでリンクさせていただきました。
事後承諾で申し訳ありません、悪しからずお許しください。
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羽毛の恩恵 (boa !)
2009-01-20 15:40:11
分厚い羽毛の布団は温かく軽いので、一年のうち7ヶ月を愛用しています。
今は一枚厚い毛布と併せていますが、一枚だけでかなり利用期間が長いようですから、高価なものでも割安になると思います。
それでも、ずしりと木綿綿が入ったものの方が好きな方もまだまだ多いようですね。今のところ湯たんぽでへたるというような現象は皆無です。勿論変色も。

低温火傷は怖いので十分に厚い袋でご利用ください。はじめから付属されている袋だけで心配でしたらバスタオルを重ねてくるむなど。工夫次第でしょう。

クラブの買い替えも、ハイテクの恩恵を利用して飛距離を延ばすことができるのでしたら、精神衛生上、是非ともご利用をお勧めします。
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可愛い湯たんぽ袋 (boa !)
2009-01-20 15:45:12
優しい心遣いですね。こんな愛らしい袋も出ているのですね。
おばあさんが使うものではなさそうですが、ヒントをいただくことにします。
お孫さんたちもきっと手放せなくなることでしょうね。お勉強の足元を暖め、背中をあたため、最後がベットにお供でしょうか。
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ほのと… ()
2009-01-21 10:20:18
湯湯婆の当て字も面白いですね。 翌朝ほの温い湯で顔を洗いました。
 愛らしい猫か、ふくろうのアップリケをつけて、ゆたんぽは足占アウラも心もあたためます。 

 そのあたりほのとぬくしや寒牡丹   虚子

 風に花弁がふるえます。 今朝も寒いですね。どうぞお風邪に気をつけて。
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ほのとぬくし (boa !)
2009-01-21 17:28:29
「湯湯婆」と書く文字は好みで、文字のほうは早くから気に入っていました。
湯湯婆とは、私のためにあるのかもと悟って愛用することにした次第です。

温まった足占の到達点は吉と出ましたね。
ぴったりの虚子の句をありがとうございました。

桃源の路地の細さよ冬ごもり で、寒さにことよせまだ冬ごもりに篭っています。
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