弁理士の日々

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靖国神社に対する韓国の考え方

2006-08-17 17:57:45 | 歴史・社会
分祀でも靖国参拝容認せず 韓国政府が内部確認
--以下引用--
 【ソウル16日共同】韓国の聯合ニュースは16日、小泉純一郎首相ら日本の政治家の靖国神社参拝問題について、A級戦犯が分祀(ぶんし)されても参拝は容認できず、問題解決とはならないとの考えを韓国政府が内部で確認したと伝えた。

韓国政府は15日の小泉首相の靖国参拝に対し「A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社」との表現で非難したが、今後は靖国神社自体が「侵略戦争を正当化する」施設であるとの判断に基づき、靖国問題に対応していく姿勢を示したといえる。

韓国の青瓦台(大統領官邸)関係者は聯合ニュースに対し、靖国神社内の「軍事博物館」である遊就館は軍国主義を美化する施設と指摘。分祀した後に政治家らが参拝しても容認できないとし「靖国問題はA級戦犯の分祀では解決できない」と言明した。
--引用終わり--

「A級戦犯の分祀だけでは解決しない」ということですね。
私は靖国神社の遊就館を訪れたことはありませんが、田原総一朗と岡本行夫の対談 での岡本行夫氏の発言、東郷和彦氏「靖国再編試案」 での東郷氏の発言などから、中国、韓国はおろか、我々自身にもなかなか容認できない展示場であることがうかがわれます。遊就館をこのままにしておく限り、たとえA級戦犯を分祀したとしても、中国・韓国からの文句は出続けるでしょう。

この点、月刊現代9月号の、東郷和彦氏「靖国再編試案」 は、このことをきちんと踏まえています。
「このことによって、先の大戦時の歴史観をそのまま顕示し、軍事博物館に準じる施設を宗教法人が作ってしまった。遊就館で示される歴史観は、日本国民のなかでもコンセンサスがないし、国際的にはもっとコンセンサスがない。しかし、政治家はそのことについて何も言えない。憲法20条が盾になっているからです。」

“靖国問題”を語るとき、靖国にまつわる諸々をきちんと把握しておかないで、「A級戦犯を分祀しさえすればいいんだろう」と短絡的に動くと、後から足下をすくわれることとなります。

韓国政府は、良いタイミングで良いことを言ってくれました。

(追録)
「外交」とは何か、「国益」とは何か、から田中行夫氏の発言を記載しておきます。
「靖国神社の展示や主張を見ると、それはブッたまげますよ。明らかに侵略以外の何者でもない満州国について「現在は中国が支配し東北部と称している」と説明している。南京については「(日本軍が入ったから)南京城内では一般市民の生活に平和がよみがえった」とこう書いてある。こんな歴史観というか過去についての認識は、アジアどころか世界中どこへ行っても相手にされない。」
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