弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

田原総一朗と岡本行夫の対談

2006-03-17 00:10:08 | 趣味・読書
田原総一朗と岡本行夫の対談「『外交』とは何か、『国益』とは何か」を読みました。2003年6~9月に行われた対談に、2005年8月の補章を加えたものです。
なかなか示唆に富んだ本でした。これから、あれこれ思い当たる節に遭遇したところで引用していきたいと思います。
「外交」とは何か、「国益」とは何か 増補版・生きのびよ、日本!! (朝日文庫)
田原 総一朗,岡本 行夫
朝日新聞社

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内容は、
1.イラク戦争とイスラム社会
2.「新アメリカ帝国」との付き合い方
3.「目覚める獅子」中国の底力
4.「北朝鮮危機」をどうするか
5.戦略なき国家・日本
6.自衛隊は?憲法は?
補章 この国がいま見据えるべきもの

1.のイラクについてはさすがに古新聞でした。補章はまだ1年もたたない最近書かれたものですが、イラクについては楽観的ですね。酒井啓子さんとは認識が非常に異なります。最近のイラクでの動向を見る限り、酒井啓子さんの方が的確に判断していると思われます。

アメリカに対する見方、中国に対する見方については、岡本さんの意見は示唆に富み、参考になりそうです。

印象に残った具体的事項には、各テーマ毎に少しずつここに書き留めておこうと思いますが、今回は1点だけ書いておきます。
戦争責任問題に関し、岡本さんの警鐘は納得できます。
「例えば南京事件については、中国が30万人虐殺と主張するのに対し、日本では『南京大虐殺なんてなかった』と反論するのみで、実態にきちんと直面しようとしない。(実際には戦闘以外で4万人程度の中国人が殺されているようです。)南京攻略の司令官松井石根の名前は、日本人はみんな忘れているが、中国人の学生はみんな知っている。」
「今の日本人に『三光作戦』なんていってもきょとんとしている。」
いずれ、戦争責任問題、靖国問題についてもこの場で論じていかなければならないですね。

憲法問題に関しては、私の記事と同じ議論がありました。この本を読む前に記事を書いておいて良かった。読んだ後では(パクリになるようで)書けなかったでしょう。
コメント
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