弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

すばる望遠鏡の観測結果

2006-06-14 00:05:24 | サイエンス・パソコン
すばる望遠鏡のホームページを覗いたところ、いくつもの興味深い観測成果が報告されていました。

ガンマ線バーストで探る初期宇宙-誕生後9億年で、宇宙はすでに電離していた
「ビッグバン直後の宇宙では 水素原子核と電子はバラバラに電離された状態でしたが、温度が下がる中で原子核と電子が結合し、中性の水素原子になりました。しかし現在の宇宙は再び 電離されていることが知られていて、この「再電離」がいつ、どのように起っ たのかは現代宇宙論の謎の一つです。昨年9月に、128億光年彼方のガンマ線バーストの光学スペクトルが日本のすばる望遠鏡で取得されましたが、研究 チームはこれを詳しく解析し、誕生後9億年で、宇宙はすでに電離していたことを突きとめました。これは今までクエーサーにより情報が得られていた時代 をさらに遡るもので、再電離の原因と考えられている宇宙初期の星形成活動に 重要な情報をもたらすと同時に、ガンマ線バーストによる初期宇宙の研究の威力が証明されました。」

スーパーコンピュータで銀河の進化を解明 -楕円銀河の生い立ち-
「スーパーコンピュータを用いた世界最大級の大規模シミュレーションにより、すばる望遠鏡等で続々と発見された100億年以上の昔に存在した太古の天体の正体の謎を解明しました。飛躍的な観測装置と観測技術の進歩により、水素原子から出る、ある種の紫外線(ライマンアルファ輝線)で明るく輝く太古の天体ライマンアルファエミッターが、はるか彼方の宇宙の深遠部で大量に発見されています。しかしながら、このような天体がどのように進化し、現在の宇宙のどういった天体に対応するのかは今まで謎でした。」「スーパーコンピュータ“地球シミュレータ”を用いた大規模シミュレーションにより、ライマンアルファエミッターが原始の銀河であり、短時間の間に大量の星が誕生し、生命の源となる様々な元素が大量に生成されている現場であることを突き止めました。そこでは多数の超新星爆発が発生し、その爆風により熱せられた衝撃波を伴う大量の水素原子ガスが複雑な分布をしながら、強いライマンアルファ輝線を出して光っているのです。」

塵に埋もれた超巨大ブラックホールたち
「太陽の100万倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが、激しく物質を飲み込むと、強いエネルギー放射をします。しかし、ガスや塵に埋もれて存在していると、見つけることが非常に困難になります。国立天文台を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡を用いた赤外線観測により、数多く存在すると予想されていたにもかかわらず、これまでほとんど見つかって来なかった、塵に埋もれた活動的な超巨大ブラックホールが、赤外線で明るく輝く銀河の多くに存在する観測的証拠を得ました。」

着々と観測成果をあげているようで、これからが楽しみです。
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