弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

伊豆大島上空から東京湾の夜景を見た

2010-11-25 22:13:39 | Weblog
11月11日は日帰りの大分出張に出かけました。往復飛行機です。
往きは、すでに最後尾の通路側座席しか空いておらず、そこに座りました。乗った飛行機は胴体尾部の両側にエンジンが付いており、最後尾の座席はエンジン音でうるさいのです。たまたまノイズキャンセリングヘッドホン付きの再生機を持っていたので、それを活用して乗りきりました。
一方帰りは、たまたま“クラスJ”という座席を予約しており、最前列の左窓側の席が取れたのです。たった千円しか違わないのに、エコノミーとビジネスほどの差が感じられます。
出発は18時45分でした。天気は快晴です。離陸からしばらくは本を読んでいたのですが、ふと窓から外を眺めると、眼下には見事な夜景が広がっています。時刻からいって瀬戸内海の付近だと思われますが、見える街並みは本州側か四国側かがわかりません。機内誌の巻末に日本地図が載っているので、それと引き比べながら見ていました。
するとそこにキャビンアテンダント(CA)さんがやってきて、「今、瀬戸大橋が見えています」と教えてくれました。指さす左手の方向を見ると、それらしき影が見えます。「そうすると、下に見える街並みは高松ですか?」と聞き返すと、そのとおりということでした。

そこからは、移りゆく眼下の夜景に釘付けになり、羽田空港に着陸するまでずっと景色を追い続けました。私が座った左側の座席からは、ちょうど太平洋ベルト地帯の街々が見え続ける位置であり、雲一つない上空からその全体をつぶさに見ることができたのでした。

今回の幸運は、
①大分発羽田行きの夜の便に乗った。
②雲一つない快晴で、さらにはるか遠くまで見渡せるほど空気が澄み切っていた。
③前列で左窓側の席であり、主翼にも邪魔されずに景色が見えた。
④クラスJの最前列であり、窓側の席にもかかわらずCAさんから景色について教えてもらうことができた。
という4点に支えられています。
ただし残念なことにカメラを持参していませんでした。
私の網膜に刻まれた映像は、時々刻々と消滅していきます。

今後、①~④に加えてカメラを所持しているという幸運に恵まれるような気がしません。そこでここでは、映像ではなく言葉で、私が見た景色を残しておこうと試みることにします。

高松の街の灯が後方に消えてしばらくすると、淡路島が見えてきました。淡路島の北側半分程度の輪郭が、街路灯の明かりから明らかです。そして淡路島北端の先には、神戸の海岸がくっきりと見えます。CAさんが「神戸空港が見えます」と教えてくれました。海に張り出している3つの出島のうち、左側の先端が神戸空港であることを後から確認しました。神戸市街の夜景後方には黒い山塊が浮かんでいます。六甲山でしょう。

神戸を過ぎると、眼下には大阪の夜景が大きく広がります。その中心にひときわ明るく見える地域は、梅田界隈と思っていましたが、後から地図で確認すると難波のあたりのようでした。淀川の黒い影、難波・梅田から北へ走る北大阪急行のラインを確認することができます。大阪市街と生駒山地との間には近畿自動車道が明るく見えています。

伊勢湾に入りました。伊勢湾西岸の街並み、北岸の名古屋市街全体を見渡すことができます。中部国際空港は自分で見つけることができました。知多半島西岸沖合の人工島が光り輝いています。しかし上空から見ると、滑走路の部分は暗く、明かりはほとんど見えないのですね。滑走路進入灯の光が薄ぼんやりと走るのを見て“ここが滑走路か”と確認できました。

駿河湾に入ると、駿河湾全体の輪郭が一望できます。そして伊豆半島の上空を過ぎました。ここはもう太平洋の上の筈ですが、真下に街路が見えてきました。地図と照合すると伊豆大島以外に考えられません。
そしてこの伊豆大島上空から北方を眺めると、相模湾、三浦半島、房総半島の西側を見渡すことができ、三浦半島と房総半島のさらに先には東京湾の輪郭を確認できます。ここから見ると、東京湾は三浦半島と房総半島によって守られた内海であることが実感として湧きます。また、「東京湾ってこんなに小さかったの」という印象です。東京湾北端は遙か彼方なのに、空気が澄んでいて輪郭が明確に見えるためでしょう。

CAさんに「さっき大島上空を通りましたか」と聞いてみたら、「通りました。滑走路は見えましたか」と逆に聞かれました。さすがCAさんは常に滑走路に目が行くのですね。

飛行機は、房総半島先に達したところで針路を北に変えます。目の下には、房総半島西岸の街々が次々と流れていきます。まずは館山市街と館山湾が過ぎていきました。
富津岬、その北の東電発電所と新日鐵研究所が所在する埋め立て地、そして新日鐵君津製鐵所です。飛行機はここで針路を北西に変えて羽田空港へ向かいますが、君津製鐵所はずっと視界の中にありました。高度はだいぶ下がっています。真下にはJR君津駅のホームが過ぎていきます。

君津製鐵所が視界から消えると東京湾です。南の空に半月がかかり、その真下の水面に月明かりが反射しているのも確認できました。
そのまま飛行機は羽田空港の滑走路に滑り込み、こうして今回の旅が終わったのでした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 弁理士試験合格率の推移 | トップ | 東京の街中に残る川の痕跡 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事