弁理士の日々

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ドイツ博物館のUボート

2008-05-15 20:30:25 | サイエンス・パソコン
私が持っていったガイドブック「街物語 ドイツ」(JTB)には、ドイツ博物館について詳しく説明され、「Uボートが展示されている」とあります。

博物館の地下に、その潜水艦は展示されていました。
  
 船尾機関室                司令塔
  
 乗員居室                 魚雷発射管室
  Deutsches Museum

小さな潜水艦がまるまる展示され、側壁を開口して内部が観察できるようになっています。プロペラが2基設置され、それぞれに電動モーターと内燃機関が直結されています。内燃機関は1基のみ設置されていました。
説明板には「U1」と記載されていたようです。そこで、どのような由来の潜水艦なのか、ネットで調べてみました。

青葉山軍事図書館の説明によると、
「<U-1級>:ドイツ海軍潜水艦第1号。ロシア海軍が1904年にクルップ社に発注した潜水艦の改良型である。長さ4.5mの潜望鏡を持ち、無線通信用の昇降マストも装備している。全長42.2m、全幅3.8m、水上排水量238トン、水中排水量283トン。主機はケーテン石油エンジン2基・電動モーター2基400馬力で、最大速度は水上10.8ノット、水中8.7ノット。航続距離は水上10ノットで278km、水中5ノットで92.6km。兵装は45mm砲1門と45cm魚雷発射管1門で、魚雷3本を搭載する。乗員12名。U-1が1906年に就役した。
<U-1>:第1次大戦時は訓練用に使用された。ミュンヘンのドイツ博物館に展示されている。」とあります。

そもそも「Uボート」という名称は、ドイツ語のUnterseebootの略で「潜水艦」という意味です。従って、第一次、第二次大戦のドイツ軍のあらゆる潜水艦がUボートと呼ばれています。第二次大戦中だけでも、「初期の丸木舟と呼ばれたII型から大西洋を中心に各方面で活躍したVII型、さらに大型化したIX型、水中能力を高め大戦後の潜水艦設計の基礎となったXXI型、沿岸作戦用のXXIII型などがあった」(Wikipedia)とされます。
VII型は排水量800トン程度、IX型は1000トン程度あります。それに対し、ドイツ博物館に展示されているU-1は排水量280トンと小型です。第一次大戦で使用されたUボートはだいたいそんな大きさだったようです。

いずれにしろ、ドイツ海軍が第一次大戦時に最初に建造した潜水艦が、そのままの姿でドイツ博物館の地下に陳列されているということです。小さいので、内部構造を一目で確認することができます。潜水艦の何たるかを把握する上では好適な船であるといえるでしょう。
ガイドブック「街物語 ドイツ」には「1923年に博物館に収められた。これに乗ると思うとぞっとする。」と説明されています。
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