弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

国内優先権基礎出願明細書

2007-07-24 22:06:14 | 知的財産権
国内優先権を主張した特許出願については、優先権の効果の存否について、優先権元出願の出願当初明細書をチェックする必要があります。ところが、優先権元出願はみなし取下げされ、公開公報が発行されません。また、優先権主張出願の包袋にも入っていません。

優先権元出願の出願当初明細書を読むための手段としては、パソコン出願(インターネット出願)端末から、その元出願の出願番号をキーにして閲覧請求をすることができます。閲覧のためには、特許庁に接続することのできるパソコン出願(インターネット出願)端末が使えることが必要で、1件あたり600円の経費もかかります。

最近の特許庁電子図書館(IPDL)では、「審査書類情報照会」において審査書類を無料で閲覧できるようになりました。公開公報のみならず、出願時の願書や明細書も閲覧することができます。国内優先権元出願明細書についても、このルートで閲覧が可能であれば、パソコン出願(インターネット出願)端末は必要でなく、費用も無料で可能です。しかし、トライしてみましたが、国内優先権元出願にはアクセスすることができません。

そこで、IPDLのヘルプデスクに電話で聞いてみました。
やはり、国内優先権元出願明細書は、このルートでは閲覧できないそうです。ここで閲覧できるのは、公報が発行された出願のみだということです。
従来通り、パソコン出願(インターネット出願)端末を保有している特許事務所などに依頼してください。

ところで、国内優先権主張が国際出願経由であれば、つまり、国内優先権主張出願が国際出願(PCT)であり、PCT出願において日本自己指定した場合には別ルートがあります。
WIPOのサイトで、PCT出願の出願番号か国際公開番号で検索すると、優先権証明書類ということで、元の出願の明細書を閲覧することができるのです。
コメント (5)
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