弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

私の履歴書・早石修先生

2006-03-11 00:22:58 | Weblog
日経新聞の私の履歴書で、現在は生化学者の早石修先生の履歴書が連載されています。

早石先生は終戦直後、焼け跡の土から採取したバクテリアを培養する中で、新種の酵素ピロカテカーゼを発見します。この酵素は、ベンゼン環を切断して長い鎖状に変える反応を促すことと、酸化反応に際して水素を抜き取るのではなく、酸素分子を動かして有機物に結びつけるという働きをする点が特徴だそうです。

3月8日の記事では、以下の出来事が書かれています。
1949年にこの成果を日本生化学会で発表したところ、無名の新米が何を言うかと、大方の学者は相手にせず、完全に無視されたというのです。
先生はこの成果を英語論文にまとめ、日本生化学会英文雑誌に投稿しました。するとそれから数ヶ月後、アメリカはウィスコンシン大学酵素研究所の所長から、共同研究者に招きたいというレターが舞い込んだのです。

またですか!
日本は権威信奉主義で権威のない議論は無視される。出る杭は打たれる。
それに対してアメリカでは、権威も歳も関係ない。実力が評価される。出る杭は伸ばす。
同じような話を何回聞いたことか。終戦直後も現在も、状況はあまり変わっていないようです。
実力主義のアメリカとはいえ、今から50年以上前で人種差別も激しかったでしょう。また数年前まで敵国だった日本から来た日本人です。アメリカでどのような生活が待っているのか、これからの「私の履歴書」が楽しみです。
コメント
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