ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

サンジュアン・バティスタからサリナス その2

2021-07-04 04:45:02 | 生活
 サンジュアン・バティスタからサリナスとは、2021年の初夏に筆者が行ったドライブのことである。サンジュアン・バティスタを後にした筆者は、山道を抜けてサリナスへ行く。“ニンゲンが永遠に無知であること”はイエスが生まれる遥か前にソクラテスさんが喝破したのに、それから2500年経った今もニンゲンは知った気になって歩いている。筆者といえば、密かに恋い慕う同僚の20代中国人女性に同棲する男がいることがひょんなことから発覚したり、もう木曜日だと思っていたらまだ水曜日だったりとショックな出来事が続いて気が滅入っている。しかし書き続けなくてはいけない。たとえ明日が木曜日でも、今日私はリンゴの木を植える。



このドライブの詳細は以下の通りだ。参照にしてもらいたい。



①サリナス・ロード
サンジュアン・バティスタからサリナスへ向かう山道はサリナスロードという名前だ。小説『二十日鼠と人間』では、ジョージとレニーが次の職を求めてサリナスへ向かう場面から始まっていたことを思い出し、“これがスタインベックが描いた風景なのかも知れない”と無理やり感情移入して高尚な感慨に浸ろうと、窓を開け、ゆっくりと車を走らせる。サリナス・ロードの舗装はつぎはぎだらけで、周囲から見えにくい陰になる箇所には不法投棄と見られるゴミが捨てられている。緩やかな山々が続き、その山肌は牧場として利用されたためなのか、それとも気候の所為なのか、樹木が茂る部分は少なく低草が茂り、ところどころに乾いた岩肌が露出する。



②サンジュアン・グレイド・ロード
道の名前はいつの間にかサンジュアン・グレイド・ロードに変わり、山道は下り始める。景色は変わらず、スタインベックに思いをはせるのもさすがに退屈になり、目的地へ向けてスピードを上げる。山道を降りきったところが丁字路になっていて、そこから道幅は急に大きくなる。車両の多くはサリナス方面からこちらの山道ではなく、北方面へ向かう。ここからサリナス市街へ向かうまっすぐな道の両側は広大な農場地だ。



③サリナス・バレー
サリナスバレーはアメリカでも有数の農業エリアで、“世界のサラダ・ボウル”と認識されている。その名の通りの果てしない農耕地は、日本の狭い平野での農業しか知らない筆者にとっては圧倒される光景が広がる。植え付けや水やりなどのほとんどの作業は大型の機械でなされるのだろうか、畑の面積に対して人の気配が圧倒的に少ない。ただ収穫だけは人の手が要るようだ。収穫時期と思われる畑にはたくさんの麦わらや傘をかぶった人たちがうごめいているのが遠くに見える。それに道路には仮設トイレをいくつも牽引したぽんこつバスがたくさん走るのを多く見るので、農業作業員らは毎朝どこかに集まって、そこから農場が所有するバスで移動するのだと推測される。作業員には感覚的にヒスパニックの人が多い。かつてはジョージやレニーのような白人労働者が従事していた農作業は、今は正規の手続きを経ない移民の人たちが従事しているのかも知れないと勝手に予想する。


 
 サリナスのダウンタウンに到着したときには筆者はもうけっこう疲れていたので、メインストリートを少し歩いただけですぐに車に戻って家路についた。だからあまり書くことがない。スタインベックのミュージアムもコロナの影響でまだ再開していなかったし、おそらくいつか再訪することになるだろう。 サリナスバレーの101号線沿いには高速道路にも関わらず、農産物の直売所が点在する。筆者はギルロイ市の手前ででガーリックワールドという店に立ち寄ってみたが、大したものはなかった。

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