あられの日記

カテゴリーは場所優先。鶴岡八幡宮は寺院・仏閣ではなく「鎌倉」に。一部検索し易さ優先で、花カテゴリーに入れてる場合も。

長崎の平和記念像の原型は井の頭自然文化園に

2017年10月20日 05時45分22秒 | 展覧会&観光施設&能楽
北村西望の作品を一つだけ思い出せと言われると、長崎の平和祈念像になる。それほど平和祈念像は印象が強い。でもその原型が井の頭文化園にあるのをご存知ですか?
2017/10/1都民の日で東京都が管理する動物園・水族館・公園の入園料が無料になりました。私のチョイスは神代植物園と井の頭自然文化園です。昨日に引き続き文化園内の彫刻館を紹介します。彫刻館B館にパンフレットがありました。
北村西望と彫刻館
彫刻家北村西望は、長崎市の依頼を受け「平和祈念像」を製作するため、東京都の承諾を得て井の頭自然文化園内にアトリエを建てました。その後、多くの作品が東京都に寄贈され、1958(昭和33)に一般公開されました。これが彫刻館の始まりです。
園内に点在する野外彫刻のほか、平和祈念像を中心に戦後から102歳で没するまでの作品を展示した彫刻館A館、西望が彫刻家を目指し、その資質を開花させた終戦の年までに制作した作品を見ることができる彫刻館B館。そして、石膏直付け法の工程や遺品を展示しているアトリエ館の3館によって彫刻館は構成されています。」以上パンフレットより。
日露戦争(1904〜1911)の英雄児島源太郎の騎馬像を制作し、長崎の平和祈念像を制作する。(1955年平和祈念像の除幕式)ちなみに、アポロが月に行ったのが1969年7月(昭和44)。彫刻作成してた年の開きが大きいのでもしや左甚五郎や歌舞伎の人みたいに名前を継いでるのかと思ったけど、全部本人でしたっ!死ぬ直前まで脳がフル活動してたんだろうなあ〜。

井の頭自然文化園の彫刻館が、平和祈念像制作のために西望が作ったアトリエならば、制作過程の資料もあるハズです。わくわくと彫刻館A館に向かったのですが。残念なお知らせが貼り出されていました。
彫刻館A館は休館しています。
2017年9月5日(火曜)〜11月30日(木曜)予定

休館理由:彫刻館A館は、新たに空調設備を設置する工事を行います。
うお〜〜〜!!なんでこのタイミングデェ〜〜〜1!!肩をかかとまでがっくり落とし涙する。
チッ!仕方ないわ〜。次行ってみよう!!3つ目の建物は西望のアトリエ館です。
今でこそ長崎の平和記念公園にある平和祈念像は修学旅行のお決まりスポットですが、製作中は様々な誹謗中傷や迫害を受けたとか。びびった発注元の長崎市から予算を打ち切られる心配があったとか。でも西望は「孫子の代までかけても完成したい」との強い願いから、鋳造費用を親子3代で支払うことを考え、本来25個で良い鋳造ブロックを104個に分けたそうです。(パンフレットより)
製造開始が1953年で長崎の除幕式が1955年の8月8日です。その頃世界は戦争終了が1945年。朝鮮戦争開始が1950年6月で、ベトナム戦争開始が1955年11月。激動の時代。日本は復興期に入ってますが、戦争アレルギーな人は多かったんだろうなあ〜。でもね。北村西望と彫刻園のパンフレットを見てたら、北村西望は1884年12月16日、長崎県に生まれる。とありました。戦争中は西望自身は埼玉県秩父に疎開してたから、激変した故郷のために。また平和が続くように気合いを入れて制作に励んだのでないでしょうか?
でも大きすぎて費用がかかりすぎたのか?それで発注元の長崎市が渋ったのか?当時の世論は「原爆で被災した被害した被災者にもっと支援を。像の制作費で大金使うのは疑問がある」みたいな感じだったらしい。
今では平和祈念像こそ平和のシンボルだと私は思うんだけどね。まあ戦後10年での除幕式と戦後70年の今では人々の考え方も随分変化してるからこその感想だけども。

アトリエ棟です。

アトリエ館内部が撮影可能かどうかわからなかったので、入り口から1枚だけ。雰囲気さえわかればいいよね。
西望は平和祈念像の原型を1年半かけて何十回も作成したとか。顔には特にこだわったそうで。上の画像の回転台と作品を持ち上げるクレーンがわかりますか?長崎の平和祈念像の高さ9、7メートル。台座の高さ3.9メートル。重さ約30トン。たとえ原型製作といえど、大きなアトリエが必要だったのですね。
アトリエの展示物は、制作工程がわかるように、木ぐみだけのもの・肉付けしてあるものなども。他に小さい作品も展示してあった。競馬の贈呈の盾もあったなあ。青山の岡本太郎さんのアトリエも画家のエネルギーが感じられて圧倒されましたが、北村西望さんのアトリエも仰天しますね。一見の価値ありです。
彫刻館を見た後屋外展示の作品を鑑賞すると彫刻館を見る前とは大分気持ちが変わります。彫刻館に原型が展示してあるのは特に変わる。

アダム昭和4年(1929)ブロンズ像

建国の雄姿 昭和4年(1926) ブロンズ像

拳闘 昭和6年(1931) ブロンズ像

師範代 大正9年(1920) ブロンズ像

健康美 昭和5年(1930)ブロンズ像

創造の人 昭和2年(1927) ブロンズ像

源泉 大正9年(1920) ブロンズ像

将軍の孫 大正7年(1918) ブロンズ像
井の頭文化自然園の敷地内には38体の像が展示されています。明日は残りの像を紹介します。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 井の頭自然文化園内彫刻園で... | トップ | 緑の中の仏像はいいものだ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

展覧会&観光施設&能楽」カテゴリの最新記事