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やまと絵

2023-12-15 01:23:45 | 美術
東京国立博物館で「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」を見てきました(展覧会は既に終了しています)。とはいっても、実際に行ってからかなりの日数が経ってしまいました…が、自分の心覚えのために。国博ならではの、まさに「日本美術の教科書」な展覧会でした。期替わりで四大絵巻、神護寺三像、三大装飾経が揃い踏み、と見どころもたくさん。いわゆる名品のみならず、地獄草紙、餓鬼草紙、病草紙、百鬼夜行絵巻といったダークなものも勢揃いしているのはさすがです。展示は平安~鎌倉~室町~江戸と年代順になっていました。私が行ったのは第二期です。現存最古のやまと絵といわれる「山水屏風」が出ていました。柔らかな青と緑で描かれた穏やかな山並み。日本の原風景…。一方、現在最古の唐絵といわれる「山水屏風」も。こちらには中国風の人々が登場。やまと絵というのは唐画と対になる概念なのだそうです。そして、四大絵巻のうち、源氏物語絵巻、信貴山縁起絵巻、鳥獣絵巻の乙巻が出ていました。私が行った時には神護寺三像が揃い踏み。教科書に出てくる源頼朝が眼の前に…思っていたよりも、大きな像でしたね。面白かったのが「隆房卿艶詞」。モノトーンのスタイリッシュな絵巻ですが、こんな絵巻が鎌倉時代に描かれていたのですね。「平治物語絵巻」は迫真の筆。「百鬼夜行絵巻」は呪術廻戦やゲゲゲの鬼太郎を彷彿とさせます…。江戸時代のものでは狩野元信の「四季花鳥図屏風」に目を奪われました。サンクチュアリの光景。元信の作品は「酒伝童子絵巻」なども出ていましたが、やはりこの方めちゃくちゃ巧い…。終章には国博の「浜松図屏風」が。実にダイナミックな作品です。金地に揺れる柳、松の緑、日本の四季、生きとし生けるものたち…。

本館で開催されていた「南山城の仏像」も見てきました(展覧会は既に終了しています)。出品作は20点弱という小ぶりな展覧会でしたが、作品のほとんどが国宝または重文で、点数以上の重量感がありました。まず、海住山寺の精緻な「十一面観音立像」に眼を惹かれます。浄瑠璃寺の光り輝く「阿弥陀如来坐像」の脇にはダイナミックな「広目天立像」と「多聞天立像」が。「地蔵菩薩像」も流麗で美しい。行快作の「阿弥陀如来立像」も端正。神童寺の「不動明王立像」はどことなくゆるキャラのようでした…。

この日は国立科学博物館で「和食~日本の自然、人々の知恵~」も見てきました。2020年に開催が予定されていたものの、コロナ禍で中止になってしまった展覧会ですが、幻の展覧会に終わらなくて本当によかったです。科博の展示らしく、日本の自然が生み出した食材、和食の歴史と未来など、盛りだくさんの内容でした。卑弥呼や徳川家康の食事の再現も。和食のありがたみをあらためて実感…。

そんなわけで、日本の美と食の世界を堪能した一日でした。本当に日本に生まれてよかったな…。
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