藝大美術館で「藝大コレクション2020-藝大年代記―」を見てきました(この展覧会は既に終了しています)。
東京藝芸術大学の130年の歴史を概観できる展覧会でした。無料のパンフレットも充実していて読みごたえがあります。展覧会は2部構成で、第1部で学校と先生の歴史、第2部で学生たちの歴史を振り返ります。1部ではデッサン、模写を基本とする芸大の教育がコレクションとともに紹介されています。会場入ってすぐの「靴屋の親爺」に眼を奪われました。レンブラントを彷彿とさせる力強さ。隣には高橋由一の「鮭」が。珍しいところでは国宝の「絵因果経」も。これは藝大の最初のコレクションの一つだそうです。谷文晁のコレクションも出ていました。1部のラストは上村松園「序の舞」と狩野芳崖「悲母観音」という華麗な並びです。2部は卒業制作、主に自画像ですが、100点以上並ぶと壮観です。この顔ぶれを眺めていると、藝大が日本美術に果たした役割の大きさが窺いしれます。とりわけ、青木繁、藤田嗣治の作品に特に眼を惹かれますが、宮島達男の自画像(?)が面白いことになっていました。最後にヨーゼフ・ボイスが藝大を訪れた際に学生との対話で使われたという黒板が展示されていました。ボイスは学生に「拡張された芸術概念」や「社会彫刻」について説明したのですが、最後まで議論はかみ合わなかったそうです。ボイスはその日の夕方、草月ホールでのパフォーマンスの後で「芸術大学とか画廊みたいな所で営まれているものだけが芸術だと思ってはならない」という言葉を残していたとか・・・。
鑑賞後は藝大アートプラザにも寄ってきました。ここでは「藝大の猫展2020」が開催されています。藝大の学生さんによる愛猫たちの作品の数々。個性豊かで愛らしい猫たち。思わず欲しくなってしまいます・・・。小腹も空いたので、アートプラザの前のキッチンカーでハンドドリップのコーヒーとケーキサンドを頂いてきました。ケーキサンドは2枚のチョコクッキーの間にチーズケーキがサンドされているお菓子ですが、独特の食感で美味しゅうございました・・・。