aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

ピアノエラ

2017-11-27 00:37:29 | 音楽
ザ・ピアノエラ2017(2日目)@めぐろパーシモンホールに行ってきました。

このイベント、今回で3回目だそうですが、私は初参戦です。本当は両日行きたかったのですが、事情により2日目のみ参戦。果たして、どんなサウンドが聴けるのか・・・。

最初はハウシュカ。プリペアド・ピアノと自動ピアノ2台と映像がシンクロするステージ。もう、ホールいっぱいに宇宙空間が広がっていましたとも・・・。ミニマルのような、アンビエントのような、時々、EDMのような音楽。最後にプリペアドピアノのグッズを外し、ピアノ1本で終えた音の美しさ・・・。

次はスワヴェク・ヤスクウケ。ある意味、今回一番の衝撃だったかも。何とアップライトピアノ一本のステージ。アップライトでこんな音が出せるのかという・・・儚く柔らかく淡い、淡雪のようなピアノ。静かに降る雨のような音楽。グランドではたぶん出せない音・・・というか、スタインウェイとかでは絶対出せそうにない(笑)音。このハコでアップライト一本、そしてこの静かな音楽でこれだけ聴かせられるってどんだけ凄いんだ、って話です。ポーランド恐るべし。さすがはショパンを生んだお国です・・・。

最後は高木正勝。以前、COIEDAは聴いていたのですが、ピアノ姿を拝見するのは初めてです。現在、兵庫県の山深い谷間で生活されているそうですが、自然に成り代わったかのようなピアノ。ピアノが風になり光になり水になり火にもなり・・・自由で楽しげなそのピアノ姿はどこか矢野さんを彷彿とさせます。

そんなわけで、三人のピアノマンの演奏を堪能いたしました。いろんな意味でピアノ観を変えてくれましたね・・・彼らの姿からは、自分の音楽をやればいい、自分のピアノを弾けばいい、そんなメッセージをもらったような気がします。ありがとう・・・。

この日は幕間がけっこう開いていたので、ホワイエでおやつを購入。その名も「ジャズ羊羹」。何とピアノの鍵盤をかたどった羊羹です。中にドライいちじくも入った大人なお味でした。濃いめのほうじ茶とかが合いそう・・・おいしゅうございました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

挑戦

2017-11-21 00:42:38 | 美術
国立新美術館で「安藤忠雄展 挑戦」を見てきました。

こちらも開催を知った時から楽しみにしていた展覧会です。だってファンだし・・・(笑)。私が展覧会巡りにハマるきっかけになったのが、安藤氏の個展でした。むかしむかし高校生だった頃、新聞の片隅に載っていた「光の教会」の小さな写真に一目惚れして、都内のとあるギャラリーへ・・・それが、自分の意志で行った初めての展覧会でした。なつかしいなぁ・・・。それから◯◯年、ついに国立の美術館で個展が開かれることになり、しかも光の教会を原寸大で再現するとか。というわけで、いそいそと行ってまいりました。

今回、イヤホンガイドも借りることにしましたが、これが大正解。何と言っても安藤氏本人の解説ですから。清楚でストイックな作品のイメージとコテコテの大阪弁のギャップに戸惑ったりもしますが(笑)、そのユーモラスな話は聴いているだけで楽しいし、元気が出ます。

会場に入るとまあ、お客さんが沢山・・・比較的幅広い年齢層にわたっていたように思いますが、若い方も多かった。そして質量ともに大変充実した展覧会でした。並々ならぬ気合いの入りようが伝わります。見る方も気力体力がいりました・・・。

セクション1「原点/住まい」は100を越える住宅作品のハイライトを一挙公開・・・壮観でした。安藤氏のアトリエの再現も。とある作品の音声ガイドを聞いていると、施主に住宅の不便について言われると「諦めい」と言ったとか。さすがです(笑)。セクション2は「光」。原寸大の「光の教会」が。やっとご対面できて感無量です。神秘的な空間。いろんな光の下で見てみたい。この展示を実現するのは大変だったようですが、イヤホンガイドによると安藤氏曰く「諦めてはいかん」と頑張ったそうです。施主には「諦めい」と言ってたのに(笑)。やっぱりさすがです。このセクションには「水の教会」の写真も。いつか現地で見てみたいものです。教会シリーズ大好きなんですよね。セクション3は「余白の空間」。都市建築が紹介されています。表参道ヒルズや渋谷駅など見覚えのある建築が。セクション4は「場所を読む」。ここはやはり直島のインスタレーションが圧巻。お客さん入らないのではと安藤氏は思っていたのですが、施主の熱意にほだされて手がけることとなったのか。「頭大仏殿」はまさに「頭大仏」。驚きの発想です・・・。セクション5は「あるものを生かしてないものをつくる」。ヴェニスの「プンタ・デラ・ドガーナ」など、歴史的な建物の作成に関わる展示。こういう活動もされていたのですね・・・。セクション6は「育てる」。ここでは安藤氏の社会活動が紹介されています。ドキュメンタリー映像も面白かったなぁ・・・。

盛り沢山の展示で、すっかりお腹いっぱいになりました・・・。溢れる光、水、森のイメージ。しかし作品の清楚でストイックな佇まいと、コテコテの大阪弁と、アグレッシブなお人柄がどうしても結びつかない・・・元ボクサーということで、怖がられたりもしたようなのですが、それもどうしても結びつかない・・・(笑)。ですが、やはり根っこのところに聖性みたいなものがあるような気もします・・・。
作品の展示に癒され、音声ガイドの言葉に元気をもらった展覧会でした。

この日は安藤氏が設計した21_21 Design Sightの方にも寄って「吉岡徳仁 光とガラス」を見てきました(この展示は既に終了しています)。太っ腹なことになんと無料。こちらでは虹の教会の紹介もありました。ある作品では七色の光を見ることもでき・・・そんなわけで、光のありがたさを思う一日でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CODA

2017-11-18 00:13:45 | 映画
恵比寿ガーデンシネマで「Ryuichi Sakamoto CODA」を見てきました。

何と何と坂本教授のドキュメンタリーです・・・それも5年にわたり密着取材したとか・・・こういう日がやって来るとは、長年のファンとしては嬉しい限りです。それにしても教授、このところ美術館で個展を開いたりとか、人生振り返りモードに入ってるのかな、と思わずしみじみしてしまいました。タイトルも何だか意味ありげだし・・・。

そんなわけで長年のファンなので、客観的なレビューなんて書けません(爆)。あ〜、ほんとに左手で楽譜書いてるんだ〜、とか、もうただのミーハーです(笑)。やはり癌の手術後、いくらか痩せてしまわれたようで、それが切ない。もっとも、教授がむくむく太って大きくなっちゃった、なんてことになったらそれはそれで嫌なんですが・・・(以下、ネタバレ気味です)。

被災地での活動や、反原発の運動など、最近の活動ぶりがまず紹介され、過去に戻っていくような構成になっています。冒頭の被災地での演奏シーンの美しいこと・・・(寒そうだけど)。個人的には80年代後半〜90年代頃の映像が懐かしかったです。リアルタイムでどっぷりはまっていたからな。YMOのヨーロッパツアーの映像も感慨深かったです。教授が、細野さんが、幸宏さんが、アッコちゃんが・・・若い!

映画ではasynkの制作過程のことも。思いのほかタルコフスキーの影響を受けていたのですね。タルコフスキーの映画は音楽だと。バッハのコラールを先に使われちゃって、みたいなことも言ってましたね。タルコフスキーの映画のワンシーンも出てきましたが、ひさびさに見ても本当にこの方の映画は唯一無二です・・・。

音楽の制作シーンも出てきます。作曲というよりか、ほとんど実験のようです。バケツを頭からかぶって雨の音を聴いてみたり、北極に音を釣りに行っちゃったり(!)とか、相変わらず自由。北極の海の上で金属片を鳴らすシーンの嬉しそうな顔なんて、見ている方も嬉しくなってしまいます。

というわけで、まともな文章なんて書けっこないのですが・・・(笑)。音楽から映画、アートに文学、と教授が世界を広げてくれたんだな、ということをあらためて思い出させてくれた映画でした。それにしても時折、体調が悪そうなご様子も映っていたのが、やはり心配。ずーっとずっと元気でいて下さいませ・・・(祈)。

そういえば、来年、asyncのNYライブの映画も公開されるみたいです。こっちも楽しみ・・・。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リュミエール!

2017-11-15 23:57:12 | 映画
東京都写真美術館ホールで「リュミエール!」を見てきました。

スコセッシ監督曰く「世界の至宝だ!」とか。この映画は「映画の父」リュミエール兄弟が製作した1422本の中から選ばれた108本で構成されています。まさに映像の世界遺産・・・。私は日本語の吹き替え版を見たのですが、解説がかなり映画を見る助けになりました。(以下、ネタバレ気味です)。

世界初の実写商業映画とされる「工場の出口」をはじめとする珠玉の108本。当時の人々が、本当に汽車が突っ込んでくると勘違いしたという例の映像も、あらためて大画面で見ると思わずしみじみしてしまいます。本当に映画の原点ともいえる作品の数々。世界初のギャグ映画も、サスペンス(?)も、実験映画も山岳映画(?)も・・・。驚くのは、どの作品を見ても構図が完璧・・・これはもう、持って生まれたものとしか思えません・・・。個人的にツボだったのは、うちの娘と同じくらいの年頃の女の子が猫と戯れている作品や、金魚鉢を覗き込んでいる作品。ベトナムの少女が出てくる作品も印象深かったです。当時の日本の映像も出てきました。それにしてもリュミエール兄弟、実家が工場のオーナーだったり、世界中の映像を撮りに行ったりとか、裕福な階層だったのでしょうか。映像を通して当時の人々の生活がうかがえます。映画に撮られている当時の人々のリアクションも楽しい。やはりみんな張り切っちゃうんですよね(笑)。そして、どの作品も不思議なくらい、見ているとあたたかい心持ちに・・・。

そんなわけで、映画の父の作品の数々を堪能してまいりました。映画の喜びって元々はシンプルに「見せる喜び」「見る喜び」にあったのかもしれない・・・と、そんなことを思った映画でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴッホ 最期の手紙

2017-11-09 23:36:25 | 映画
TOHOシネマズ六本木で「ゴッホ最期の手紙」を見てきました。

この映画、「世界初、全編が動く油絵で構成される珠玉のアートサスベンス映画」とのうたい文句通り、何とゴッホの描いた風景の中で、ゴッホが描いた人物たちが、動き、話します。あの郵便配達人のルーランやその息子、タンギー爺さん、医師ガシェとその娘、などなど。何とこの映画のために、125名の画家達が、ゴッホのタッチを再現しながら油絵を描いたのだとか。その数なんと、6万5000枚!全編が油絵で構成されたアニメーションなんて、これまで見たこともない映像で、まさに驚異でした。

まだ公開されたばかりの映画なので、ネタバレにならないように気をつけます・・・斬新な映像だけでなく、ストーリーの方もスリリングなミステリーのようで、最初から最後まで目が離せませんでした。狂言回しの役割を果たすのが、ルーランの息子、アルマン・ルーラン。彼は父の頼みでゴッホの死後に見つかった、彼の最期の手紙を弟テオに届けようとするのですが、その途中で、ゴッホの死をめぐる謎に突き当たります。食い違う人々の証言。麦畑で自殺したとされるゴッホの死の真相は・・・!?

偉大な作品の数々の裏にあった、ゴッホの喜びや悲しみや苦しみ、孤独な魂がひしひしと伝わってくる映画でした・・・彼が画家を志したばかりの頃の手紙、そして最期の手紙が泣かせます。星は、案外近いところにあるのかもしれません・・・。

本当に、今までにない映像経験だったので、いまだに言葉で表現することも難しく・・・細々とでも映画を見続けていると、こういうこともあるのですね・・・衝撃的でした。

観賞後はひさびさに六本木ヒルズでランチを。「エッグセレント」で「エッグセレントプレート」をいただきました。エッグベネディクトもパンケーキもおいしかったな・・・セットのドリンクは「千本松コーヒー」を頼みましたが、こちらも濃厚で美味でした。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怖い絵

2017-11-07 23:53:12 | 美術
上野の森美術館で「怖い絵」展を見てきました。

絵よりも行列の方がよっぽど怖い、と巷でももっぱら話題のこの展覧会。いつ行くべきか悩みましたが、リサーチの結果、平日の閉館1時間前頃に行くのが最も効率がよいのではとの結論に達し・・・とある平日の4時少し前に行ってみたところ、15分待ち位で入れました。もちろん、中はえらく混雑してましたが、昨年、「若冲展の恐怖」を味わった身としては、これくらいならまだまし、という感じです。それにしても客層がえらく若い・・・このところ、美術館の客層がとみに高齢化(自分も含め!)しているような気がしていましたが、やはり企画によっては若い方も集まるのですね・・・。

さて、この展覧会、音声ガイドの方もなかなかの評判らしく・・・私は音声ガイドをめったに借りないのですが、今回は借りてみることにしました。吉田羊さんのナレーションはさすが女優さん、という感じで怖さが何割増しかになりました。ただ、時間がなかったのと混雑のため、作品の前で立ち止まって聞くわけには行かず、歩きながら聞くことになってしまいましたが。

展覧会場に入るとまもなく、ウォーターハウスの「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」が。さあ、お飲みなさい、ですよ・・・この美しさとこの貫禄。ドレイパーの「オデュッセウスとセイレーン」もまた怖くも美しく・・・。中野氏の本で読んだビアズリーの「サロメ」も出てましたね。チャールズ・シムズの「そして妖精たちは服を持って逃げた」は綺麗な作品。これはそんなに怖くはないですね。珍しいところではセザンヌの「殺人」が。セザンヌには一時、ヴァイオレンスな作品ばかり描いていた時期があったそうです。後に自身で破棄してしまったようですが。思いもよらないセザンヌの黒歴史。そしてさらに怖いのがシッカートの「切り裂きジャック」。シッカート自身が殺人犯なのではないか、という説まであったらしい。怖すぎです。モローの「ソドムの天使」は幻想的な怖さ。切なくなるのはフレドリック・グッドールの「チャールズ1世の幸福だった日々」。「だった」というところからして既にフラグ立ってる感じですが、どこから見ても幸せそうなこの一家が辿った運命は・・・。

そして、ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。この少女の圧倒的な輝きの前にはもはや言葉もありません。あまりにも無惨な最期を遂げた彼女の無念。しかし、その悲惨な死と引き換えに、この絵の中でいつまでも輝き続けることでしょう・・・。

そんなわけで、怖くも美しい世界を堪能してまいりました。何なんですかね、このぞくぞくするような感じは・・・戦慄する美しさ、倒錯した美しさ。インタビューで中野京子氏が「美と恐怖は相性がいい」と語っていたのが、腑に落ちました・・・。

それにしても、この展覧会。日に日に行列が伸びていっているようです。いったいどこまで伸びるのか。怖い怖い・・・。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怖い絵(泣く女篇)

2017-11-06 22:31:42 | 
中野京子「怖い絵 泣く女篇」を読みました。

巷で話題の「怖い絵」展、私も楽しみにしていた一人ですが、恥ずかしながら、まだ本の方をちゃんと読んでおらず・・・この展覧会は、予習をしておかないと面白さが半減してしまいますよね・・・ということで、あわてて読むことに。ところで「怖い絵」って何冊か本が出ていたのですね、どれから読もうか、と迷いましたが、冒頭に「レディー・ジェーン・グレイ」の話が載っている「泣く女篇」を、まずはセレクト。

いや、それにしても面白かった。そして、何でもっと早く読んでおかなかったんだろう・・・と後悔しました。この本を読むと、その後の絵の見方が相当変わってきますよね。この絵はなぜ怖いのか?その語り口はまるでミステリーのようで、ぐいぐいと引き込まれ、ほぼ一気読みしてしまいました。眼から鱗の話もけっこうありました・・・例えば、ヨハネの首を欲しがったのはサロメだと思い込んでいたけれど、実はお母ちゃんの方だったのね、とか。レディー・ジェーン・グレイの話もやはり背景を知ると怖さが倍増します。この権力闘争の凄まじさ。「ラス・メニーナス」の愛らしいお姫様のその後を知ると悲しくなってしまいます。ブリューゲルの「ベツレヘムの嬰児虐殺」の身の毛もよだつような恐ろしさ。家に2歳児がいる身としては、母親達の心中を想像することすらできません。メーヘルンのなんちゃってフェルメール事件にも唖然とし・・・。個人的にはベックリンの「死の島」が取り上げられていたのは嬉しかったです。大好きな絵なので。私は福永武彦のファンで、彼の「死の島」を読んでこの絵のことを知ったクチなのですが、解説で氏のことにも触れられていたのが、さらに嬉しかったです。

それにしても、なぜ怖いのか?何がいったい怖いのか?「死」の怖さは別格として、この世で一番怖いのは人の「悪意」なのではないかと思うようになりました。人のダークサイド。そして、アートといえば、綺麗なもの、美しいものを皆見たいのかと思いきや、怖い絵の数々にこれほどの人々が行列する。怖いものみたさという言葉もありますが、これはこれで、もしかしたら怖いことなのかも・・・。

というわけで、「怖い絵」展がますます楽しみになってまいりました。しかし、日に日に伸びゆくらしい行列。怖いよぅ・・・(爆)。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スティールパンの惑星

2017-11-02 00:11:45 | 映画
アップリンクで「スティールパンの惑星」を見てきました。

できればミニライヴ付の回を見たいなぁ・・・と思いながらも、上映時間が遅かったり、満席になってしまったりで、あえなく断念・・・でも、映画だけでも充分楽しめました。

カリブ海最南端の島、トリニダード・トバコで生まれた世界で一番新しい楽器、スティール・パン。ドラム缶から作られた打楽器です。その独特の音色は聴いているだけで、すっかりトロピカルな気分になってしまいます。この映画では、1940年代の楽器の誕生秘話の再現ドラマと、日本・フランス・アメリカ、そしてトリニダード・トバコのプレイヤーの話が交錯する形で進みます(以下、ネタバレ気味です)。

少年たちが「拝借してきた」ドラム缶を楽器にしようとしたことから、スティール・パンの歴史が始まります。しかし、ある時、バンド間の抗争が傷害事件にまでなってしまいます。幸い死者は出なかったものの、それからは彼らは音楽で闘うことを選びます。それはいつしか、パノラマ(スティール・パンの世界大会)と呼ばれる大イベントに発展。世界各国から集まったパンプレーヤーが、国籍・年齢・人種関係なくしのぎを削る大会になります。

映画では、このパノラマに参加するために遠路はるばるやって来た、日本人とフランス人の若い女性の姿も追っています。細い体に大きなパンをかついで、見知らぬ国へと向かうそのパワーと情熱には恐れ入るばかりです・・・。

そしてついにやってきた、パノラマ・ファイナルの夜。果たして優勝は誰の手に?斬新なアレンジで盛り上げる、大御所率いるバンドか?洗練されたアレンジで聴かせる名手のバンドか?大迫力の音響と熱狂に包まれた夜。いつか生で聴いてみたいなぁ・・・というか、自分でも叩いてみたくなってしまった、スティール・パン。それはそれは楽しいだろうな・・・。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする