aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

Shikao&The Family Sugarふたたび

2022-02-28 00:37:53 | 音楽
そんなわけでShikao&The Family Sugar@中野サンプラザに行ってまいりました。

実に15年ぶりのファミシュガです。再びこのバンドをライブで聴ける日が来るなんて夢のようだよ…と、いつになく上機嫌な母を不審に思ったのか、出かける間際に息子に「ママ、いったいどこへ行くの」と詰問され…「コンサートだよ」「何のコンサート?」「J-popだよ」「J-popっていうのはジャンルでしょ、誰なの?」「スガシカオ」「ママはボクとスガシカオ、どっちが好きなの?」「もちろん○○君よ!」とアホな問答を繰り広げた後、いざ、中野へ…。

そんなこんなで中野サンプラザにたどり着くと、そこには入場待ちの長~い列が。この状況下、これだけの人がスガさんのライブを待っていたんだなぁ…と、しみじみしてしまいます。ホールの中に入ると、スガさんのライブ独特のざわざわした空気が…私、この空気感がけっこう好きなんですよね…そして、メンバーの皆さんが登場すると、一気にタイムスリップしたような感覚に…。

音が鳴り出した途端、このバンドならではの腰にくるグルーヴが…。そう、私はこういう音を本当に聴きたかったんだよ…と感無量でした。凄腕の皆さんは15年の歳月を経ても、相変わらず凄腕でした。特にドラムの沼沢尚さんはジェフ・ポーカロみたいで、ドラムだけでもご飯のおかわり三杯いけそうな勢いでした。そして、スガさんはもはや大歌手みたいな風格です。まだ、大阪の公演が残っているので、あまり詳しいことは書けませんが、セットリストは新旧の曲を取り混ぜ、踊れる曲が多めでした。あの曲のキーボードソロは相変わらずグルーヴィーだった、とか、あの曲のサビ前のドラムのフィルがやっぱりかっこいい!とか、あの曲のコーラスは変わらぬ美しさだったなぁ、とかいろいろあるのですが…。あの名曲も素晴らしかったです…あの曲をライブで聴くと、魂がどこかにふわふわ飛んでいっちゃう感じがするんですよね…で、幽体離脱して大海原の上空にかかる満月を見てるっていう…。そして、アンコールではよもやよもやのあの曲も。ラストの曲で満場のお客さんのワイパーを眺めていると、ふたたび感無量に…。

思い返すと、15年前のこの日も武道館でこのバンドのライブを見てたんですよね…その後、不肖わたくしも二児の母になったり何だりかんだりで、音楽そのものからけっこう遠ざかってしまったりもしました。でも、音楽って不思議なもので、時を一気に引き戻してくれるのですよね…。そして、スガさんもデビュー25周年。私とスガさんの音楽とのお付き合いも四半世紀近くになります。もちろん、前提としてスガさんの作品が素晴らしかった、とか、お人柄が面白かったとかいろいろありますが、ここまでくるともはや一種の御縁のようなものだろうと思ってしまいます…。これからも変な曲(?)を書き続けであろうスガさんをひーっそりと応援させていただきますよ…。
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ロックフィールド

2022-02-06 12:44:34 | 映画
ヒューマントラストシネマ渋谷で「ロックフィールド」を見てきました。

ウェールズの農場にある伝説の音楽スタジオ「ロックフィールド」の記録です。スタジオを設立した農家のウォード兄弟は、ミュージシャンを目指すほどの音楽好き。プロデビューをもくろみ、とあるレコード会社にデモテープとデッキ(!)を持ち込んだところまではよかったのですが、なぜかデッキの電源が入らず…ミュージシャンへの道を諦めた彼らが次に思いついたのが、世界初の滞在型スタジオの経営でした。奥さんが経理、お嬢ちゃんが電話番を務めるという家族経営のスタジオは、いつしかブリティッシュ・ロックの聖地と呼ばれる存在に…(以下、ネタバレ気味です)。

このスタジオではブリティッシュ・ロックを代表するバンドがレコーディングを行いました。レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、クイーン、オアシス、ストーン・ローゼス、コールドプレイ…。インタビューにも錚々たるメンツが登場しています。オジー・オズボーンはおじいちゃんになってましたが、元気そう。リアム・ギャラガーもインタビューに真面目に答えています。合間合間に○uckin’言っていますが、これはもはや口癖なんでしょうね…。オアシスのレコーディングがなぜ早かったというと、リアムが早くパブに飲みに行きたかったからなんだとか。楽器のプレイヤーと違ってガリガリ練習するわけでもないので、他に娯楽がない所だと手持ち無沙汰になってしまうらしい。例によって、ノエルとの大喧嘩エピソードも。最後はゴミ箱が宙を舞っていたようですが、後始末をするスタジオの方も大変ですよね…。かと思えば、「音楽は人生を表現するもんだろ」とか真顔で語ったりもしていて…このギャップがたまらんのでしょうね。コールドプレイのクリス・マーティンも登場。「イエロー」誕生のエピソードが素敵でした。スモッグだらけのロンドンと違い、ロックフィールドの星空はさぞかし綺麗なのでしょう…。クリスはロック・フィールドはホグワーツ魔法魔術学校みたいなものだった、とも言ってましたね…。

このスタジオからは数々の名曲が生まれました。最盛期の1997年にはイギリスの国内ベスト10のうち7枚のアルバムがここで録音されたそうです。農村の滞在型のスタジオには24時間音楽に没頭できる、大音量での演奏が可能というメリットがあり、密度の高い音楽が生まれました。自然と触れあえることもメンバーの気分転換になったようです。メンバー間の関係も密になる一方で、一たび軋轢が生じると逃げ場がないというデメリットもありました。その後、レコーディングはデジタルに移行し、PCでの音楽制作が主流になりました。リアムも今はドラムの音がメールで送られてくる、音楽のヴァイブはどうなっちまったんだ、とぼやいてましたが…。「場」の作用がもたらす説明不能なエナジーをデジタルで再現できる日はやってくるのでしょうか…。

さて、この日は映画館の近くの「ストリーマー コーヒーカンパニー SHIBUYA」に寄ってきました。名物のカフェラテをいただきましたが、みごとなラテアートです。カップにたっぷりのラテは飲み進めてもアートが崩れることなく…美味しゅうございました。
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