東京都写真美術館で展覧会のはしごをしてきました(これらの展示は既に終了しています)。
最初に見たのは「『光画』と新興写真」。不肖わたくし、『光画』のことも新興写真のことも何も知らなかったのですが、知り合いの方から招待券をいただき、行ってまいりました。新興写真というのは、ドイツの「新即物主義」やシュルレアリスムの影響を受けて、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできない表現を目指した写真、なのだそうです。最初の章では同時代の海外の写真家の作品が展示されていたのですが、のっけからヴァルダー・ペーターハンスの「死んだウサギ」に少々驚き・・・。その後も、シュールな作品が続きます。続く日本人の作品の章ではやはり木村伊兵衛の作品についつい目がいってしまいます。なぜだろう・・・。野島康三の女の写真もインパクトがありました。メインビジュアルになっていた木村専一の手の写真もかっこいい・・・鑑賞券をくれた方は写真に詳しい方だったのですが、この写真の半分がコダックで半分がニコン(だったかな?)みたいなことを言っていました。新興写真は、当時全盛だったピクトリアリズム(絵画写真主義)に対抗する動きだったようですが、今見ても不思議なくらい、古さを感じさせないというか・・・こういうクールな構成美って意外に古びないのかもしれませんね。写真にしかできないこと、を目指したこのムーブメントはわずかな期間で終焉を迎えてしまいましたが、その後の写真にも影響を与え続けているそうです。
続いて観たのが「写真発祥の地の原風景/長崎」です。こちらも招待券をいただいて、見てきました。江戸、明治、大正期の日本の写真をまとめて見たのなんて初めてです。この展覧会では当時の長崎のパノラマ写真や、風俗を撮った写真など、数多く展示されていました。出島を撮った写真とかもありましたね。リアル武士が映っている写真も何だか不思議な感じ・・・。セピアの世界を堪能いたしました。そういえばこの展覧会、作品リストも長崎全図が透かしで印刷されているという、凝ったつくりになっていて、ちょっとびっくり・・・。
最後に見たのが「原点を、永遠に。-2018-」です。こちらの展覧会は、清里フォトアートミュージアムの所蔵する作品の中から、海外の著名な写真家35人、戦後の日本を代表する写真家31人、世界から公募したうち29人の、35歳以下の時の写真409点で構成されていて、質量ともに大変充実した展覧会でした。これらを入場料無料で見られるとは、なんて太っ腹なんでしょう・・・ありがたいことです。この展覧会は、前期は年代順、後期は写真家名のアルファベット順(!)で展示されていました。私は後期に行き、前期が年代順ならば、普通、後期はエリア別とかじゃないのかなぁ?と心のなかで突っ込みを入れておりましたが、この大家と新進気鋭の方が入り乱れるランダム感が狙いだったのかもしれませんね。展示作品には超有名作もあれば、この人がこんな写真撮ってたんだ、というのもあり・・・でも、おおかた、U35でスタイルは確立されていたんだな、ということがわかりました。今まで、そんなに興味を持っていなかったけれど、この展覧会でその魅力に目覚めたという写真家さんも幾人か。たくさんの写真をみるうちに、頭の中で勝手に作品を①戦地系②日常系③芸術系に、分類していましたが、あらためて写真という媒体の豊かさ、可能性を実感いたしました。この展覧会ではパンフレットを2種いただたいたのですが、片方には全員の作品が、それなりのサイズ掲載されていて、これけっこう保存版かも、という感じでした。本当に至れり尽くせりの太っ腹ぶりです・・・。
そんなわけで、三つの展覧会で写真の世界をお腹いっぱい堪能してまいりました。半日で一年ぶんくらいの写真を見たような心持です。しかも無料だったし。招待券をくださった方、東京都写真美術館さん、清里フォトアートミュージアムさん、ありがとう・・・。
最初に見たのは「『光画』と新興写真」。不肖わたくし、『光画』のことも新興写真のことも何も知らなかったのですが、知り合いの方から招待券をいただき、行ってまいりました。新興写真というのは、ドイツの「新即物主義」やシュルレアリスムの影響を受けて、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできない表現を目指した写真、なのだそうです。最初の章では同時代の海外の写真家の作品が展示されていたのですが、のっけからヴァルダー・ペーターハンスの「死んだウサギ」に少々驚き・・・。その後も、シュールな作品が続きます。続く日本人の作品の章ではやはり木村伊兵衛の作品についつい目がいってしまいます。なぜだろう・・・。野島康三の女の写真もインパクトがありました。メインビジュアルになっていた木村専一の手の写真もかっこいい・・・鑑賞券をくれた方は写真に詳しい方だったのですが、この写真の半分がコダックで半分がニコン(だったかな?)みたいなことを言っていました。新興写真は、当時全盛だったピクトリアリズム(絵画写真主義)に対抗する動きだったようですが、今見ても不思議なくらい、古さを感じさせないというか・・・こういうクールな構成美って意外に古びないのかもしれませんね。写真にしかできないこと、を目指したこのムーブメントはわずかな期間で終焉を迎えてしまいましたが、その後の写真にも影響を与え続けているそうです。
続いて観たのが「写真発祥の地の原風景/長崎」です。こちらも招待券をいただいて、見てきました。江戸、明治、大正期の日本の写真をまとめて見たのなんて初めてです。この展覧会では当時の長崎のパノラマ写真や、風俗を撮った写真など、数多く展示されていました。出島を撮った写真とかもありましたね。リアル武士が映っている写真も何だか不思議な感じ・・・。セピアの世界を堪能いたしました。そういえばこの展覧会、作品リストも長崎全図が透かしで印刷されているという、凝ったつくりになっていて、ちょっとびっくり・・・。
最後に見たのが「原点を、永遠に。-2018-」です。こちらの展覧会は、清里フォトアートミュージアムの所蔵する作品の中から、海外の著名な写真家35人、戦後の日本を代表する写真家31人、世界から公募したうち29人の、35歳以下の時の写真409点で構成されていて、質量ともに大変充実した展覧会でした。これらを入場料無料で見られるとは、なんて太っ腹なんでしょう・・・ありがたいことです。この展覧会は、前期は年代順、後期は写真家名のアルファベット順(!)で展示されていました。私は後期に行き、前期が年代順ならば、普通、後期はエリア別とかじゃないのかなぁ?と心のなかで突っ込みを入れておりましたが、この大家と新進気鋭の方が入り乱れるランダム感が狙いだったのかもしれませんね。展示作品には超有名作もあれば、この人がこんな写真撮ってたんだ、というのもあり・・・でも、おおかた、U35でスタイルは確立されていたんだな、ということがわかりました。今まで、そんなに興味を持っていなかったけれど、この展覧会でその魅力に目覚めたという写真家さんも幾人か。たくさんの写真をみるうちに、頭の中で勝手に作品を①戦地系②日常系③芸術系に、分類していましたが、あらためて写真という媒体の豊かさ、可能性を実感いたしました。この展覧会ではパンフレットを2種いただたいたのですが、片方には全員の作品が、それなりのサイズ掲載されていて、これけっこう保存版かも、という感じでした。本当に至れり尽くせりの太っ腹ぶりです・・・。
そんなわけで、三つの展覧会で写真の世界をお腹いっぱい堪能してまいりました。半日で一年ぶんくらいの写真を見たような心持です。しかも無料だったし。招待券をくださった方、東京都写真美術館さん、清里フォトアートミュージアムさん、ありがとう・・・。