シャリ
りんごをかじる音・・・
ニャッティラが、おいしそうに食べているのである。
「♪」
シッポがゆっくり、大きくゆれてる。
もうりんごを食べ終わったレトリバーは、シートの端っこでくつろいでる。
「♪」
モグ モグ
コニとリフも、おやつ食べてる。
プリンをひっくり返したようなケーキ。
コニは、昨日はプリンをひっくり返して食べていた。
おいしそうな形である。
トコ
モグ
男が来た。
橋でドローンを飛ばしているので、それを見ていたみたい。
「ニャ~」
ケーキ食べないの?
僕は、戻ってきた男に聞いてみた。
「・・・・」
チラッと僕を見たけど、そのままリュックのある方に向かった。
円盤テントが置いてある。
それを広げるんだと思う。
もう、駅の奥の方にはいくつかテントがある。
マッチョさんが空気を入れて膨らましたりしてる。
シャリ ♪
「ピョ」
街の小鳥たちも、いる。
テントの中に侵入する機会をうかがっているのかもしれない。
ボョン
駅の外はいい天気。
でも、昨日もいい天気だったのに突然大雨になった。
ト ト
僕は、広げたテントを置いている男の方に行く。
今日は、あのテントの中でゴロゴロしながら寝れるのだ。
ジィィ
男が、テントの入口を開いた。
「・・・・」
ゴソ
自分のリュックを、中に入れたのだ。
入口の中にもう一つ仕切りがあって、その中が広くなってる。
リュックを置いた場所は、広くない。
ジィィ
さらに中に入るためのファスナーも、開けてくれた。
「ニャ~」
僕は、先に中に入る。
暗め。
カサ
やや縦長の横から、光。
テントの外から、男が窓の布をあげたのだ。
「・・・」
僕以外には何もなくて、広いのだ。
ゴロ ゴロ
僕はゴロゴロする。
挟まるものは何もないけど、悪くないのだ。
このテントの中なら、男もコッソリゼリーが食べれると思う。
その時は、僕も分けてもらう。
ピョ
小鳥の声がした。
ト
外に出よう・・・・
――― ♪ ♪
ゥゥゥゥゥ ・・・・