4つ分

2017年10月18日 13時51分22秒 | 黒猫のひとりごと

                       バチチ ・・・・

                                            ォォォオオ  ―――

                ポチャ

水たまり・・・

「・・・・」

屋上に行く階段から、水が建物の中に流れてくる。

ライトで上を照らしてる。

「上手く排水できてないようだね」

「はい」

「土が詰まってるんでしょう」

マリオットさんやハットさんが見に来てる。

                      ピィ

メジロも来てる。

男の肩にのっていて、窓の外見てる。

みんな階段を見てるのに。

「ニャ~」

僕は階段を下りる。

1階でたき火してる。

チワワ達はそこにいる。

空気はつめたくて、温まっているのである。

                ――   トン

                                トン

建物の中は暗いけど、4階にも3階にも誰かいる。

少し明かりがあれば、僕は平気。

                                                ゴォォォン

                                     ――― ォォォ

雷が鳴いてる。

返事しないといじけビリビリが来るかもしれないけど、僕は静かに階段を下りる。

レンガに囲まれているし、僕がここにいるのは分からないと思う。

           

                 トン

軽やかに、跳ねる。

「・・・やぁ」

ハンスさんがいる。

2階は場所が少なくて、半分くらいは1階が見える。

「突然、ここにいた人たちは逃げ出したようだね」

木でできた古いワゴンを見てる。

食器とかが乗っていて、ほこりっぽい。

「ニャ~」

僕はシッポほうきではたいてあげないよ。

たぶんほこりをとっても、このワゴンはもう使わないと思うし。

「・・・・」

手が伸びてくる。

そして、僕の耳と耳の間にのった。

耳を動かす。

「便利そうだね」

すると、手が離れた。

「・・・」

僕は1階を目指す。

もう、たき火でゆれる影が天井に見える。

少し行けば、1階の入り口の辺りが見えるのである。

                          ――   

ウェーブさんたちの声が聞こえる。

今日はこのまま、この建物で泊まるのかも。

リフは、まだ紙を見ながら座ってる。

絵を描いてる。

                                           ゴロゴロ

窓の外が光った。

「ニャ~」

返事する。

              パチン

                           パチチ

                  ――

にぎやかな話し声に紛れて、僕は素早く枠シートに近づく。

「クゥ♪」

チワワが僕に気付いた。

                       ミャ~

トラネコや耳ネコたちもいるけど、みんなを連れて行くのは難しいのだ。

チワワだけでも、上の階を探検させてあげるのだ。

僕がすでにある程度歩いたから、危険はない。

「ニャ~」

枠から出るのだ。

「クゥ」

「?」

ニャ

チワワが鳴いて、ノロマさんに見つかった。

「さむくなった?」

手が伸びて来て、僕の背中を掴んだ。

あったかい。

「・・・・」

たぶん足を拭くと思う。

「ニャ~」

タオルはつめたいかな。

でも、肉球は拭くべきである・・・・

                       ――   

                                            ォォォオオ   ―――

           ミィ ♪