バチチ ・・・・
ォォォオオ ―――
ポチャ
水たまり・・・
「・・・・」
屋上に行く階段から、水が建物の中に流れてくる。
ライトで上を照らしてる。
「上手く排水できてないようだね」
「はい」
「土が詰まってるんでしょう」
マリオットさんやハットさんが見に来てる。
ピィ
メジロも来てる。
男の肩にのっていて、窓の外見てる。
みんな階段を見てるのに。
「ニャ~」
僕は階段を下りる。
1階でたき火してる。
チワワ達はそこにいる。
空気はつめたくて、温まっているのである。
―― トン
トン
建物の中は暗いけど、4階にも3階にも誰かいる。
少し明かりがあれば、僕は平気。
ゴォォォン
――― ォォォ
雷が鳴いてる。
返事しないといじけビリビリが来るかもしれないけど、僕は静かに階段を下りる。
レンガに囲まれているし、僕がここにいるのは分からないと思う。
ト
トン
軽やかに、跳ねる。
「・・・やぁ」
ハンスさんがいる。
2階は場所が少なくて、半分くらいは1階が見える。
「突然、ここにいた人たちは逃げ出したようだね」
木でできた古いワゴンを見てる。
食器とかが乗っていて、ほこりっぽい。
「ニャ~」
僕はシッポほうきではたいてあげないよ。
たぶんほこりをとっても、このワゴンはもう使わないと思うし。
「・・・・」
手が伸びてくる。
そして、僕の耳と耳の間にのった。
耳を動かす。
「便利そうだね」
すると、手が離れた。
「・・・」
僕は1階を目指す。
もう、たき火でゆれる影が天井に見える。
少し行けば、1階の入り口の辺りが見えるのである。
―― ♪ ♪
ウェーブさんたちの声が聞こえる。
今日はこのまま、この建物で泊まるのかも。
リフは、まだ紙を見ながら座ってる。
絵を描いてる。
ゴロゴロ
窓の外が光った。
「ニャ~」
返事する。
パチン
パチチ
――
にぎやかな話し声に紛れて、僕は素早く枠シートに近づく。
「クゥ♪」
チワワが僕に気付いた。
ミャ~
トラネコや耳ネコたちもいるけど、みんなを連れて行くのは難しいのだ。
チワワだけでも、上の階を探検させてあげるのだ。
僕がすでにある程度歩いたから、危険はない。
「ニャ~」
枠から出るのだ。
「クゥ」
「?」
ニャ
チワワが鳴いて、ノロマさんに見つかった。
「さむくなった?」
手が伸びて来て、僕の背中を掴んだ。
あったかい。
「・・・・」
たぶん足を拭くと思う。
「ニャ~」
タオルはつめたいかな。
でも、肉球は拭くべきである・・・・
―― ♪ ♪
ォォォオオ ―――
ミィ ♪