屋根にはハゲワシ、裏庭にはヒクイドリ

暫く聞こえなかった音
　
　久しぶりに森の中からドラミングの音が聞こえてきました。
暫く姿を見せなかったあの鳥が、ここに帰って来ました。

　毎週木曜日はウォーキングの途中で見かけた野鳥を取り上げています。
今週は、キツツキ科　アオゲラ属　アオゲラ　です。

　体全体は褐色味のある緑色をしていて、腰から尾羽の辺りは黄色っぽい薄緑色、そして
頭にある赤い毛が目立ちます。
季節による移動をほとんどしませんが、だからと言ってこの狭い森でずっと暮らす訳では
ありません。
近隣の山を含めて結構広い生活圏を持っている様です。

各国の事情

　日本固有種なので、外人バードウォッチャーは来日すると必ずアオゲラを探すと言います。
住宅街の近くのこの森林公園に案内してあげたら、きっと大喜びするでしょう。
そんな場面を想像してみました。
　「アオゲラがドラミングする様子を間近で見られて幸せ！」
幾人もの人が興奮しています。
私にとっては馴染みの鳥も、海外の方には夢にまで見た珍しい鳥。
　喜ぶ姿を見ながらジャマイカの方に尋ねました。
「お国にはハチドリがいますよね？」
「はい、庭に毎日飛んで来ます。」
　南アフリカの方に聞きました。
「ダチョウを観察できますか？」
「ええ、何時も近くの草原を走っていますよ。」
　チベットの方に質問しました。
「鳥葬するハゲワシを見た事がありますか？」
「そうですね、たまに山から舞い降りて家の上を飛んでいますよ。」
　ニューギニアの方にとどめの質問です。
「世界一凶暴な鳥、ヒクイドリに出会う事はありますか？」
「そりゃ滅多には会わないさ、でも年に数回は出くわすね。何しろ家の裏の森に
棲んでいるから。」
　一度は見てみたいと願う生き物も、身近に存在すると珍しさも薄れてしまいます。