フレディ・みかこさんの本を読んでいる。
イエローとなんとかと・・・という本で有名になった方の本。
そこには、EU離脱前後のイギリスの労働者層の貧困化の実情が赤裸々と語られている。
2010年。
ここから、イギリスは大転落の道へまっしぐら。
近い未来、日本もそうなっていくかもしれないという恐怖をうっすら感じた。
今でも、2極化がだんだん激しくなってきていると思う。お金持ちはよりお金持ちに。そうでない人はみんな貧困層に。
ちょっと前までは、そうでない人もそれなりに・・・だった。
『ゆりかごから墓場まで』
福祉の見本みたいな国が、2010年、突然、労働者層を切り捨て始めたらしい。誰が首相だったっけ?鉄の女って人だった?
イギリス経済がどうしようもなくなって立ち行かなくなって、福祉を切り捨て始めたという。
セーフティネットが、壊れた。
例えば、医療。
以前は、国民無料で病院に行けた。
今は、100%自腹の民間病院と昔からある無料で利用できる国営の病院の2種類があるが、後者の国営の病院は国の財政悪化のため、どんどん縮小されていって、順番を取るのも一苦労なのに、やっと予約が取れても9週間後に受診となる状況だそう。
しかも、イギリスの医療機関受診制度は、まず、地区のかかりつけ総合医がいて、そこで診てもらって、かかりつけ医の判断で専門医に紹介してもらって受診できるシステムらしく、まず、かかりつけ医にたどり着くまでに何週間もかかり、専門医に辿り着くのに早くて9週間後なのだそう。
フレディみかこさんの夫は、しんどい頭痛に悩まされ続けているのに、MRIを取ってもらうことすら9週間後なのだそう。
癌患者さんは、他の人よりは優先されているようだが・・・。
救急車は、111で来てくれるシステムであったが、今は、機能してないという。
ヤバい。
コロナのとき、どうしていたんだろう?
この状況だと、みな、病院に行けてないよね。
先日、アルツハイマーの新薬が保険適応となった。
高齢者の3割が認知症でその半分以上がアルツハイマー型である。
おそらく、お医者さんはこぞって処方されるだろう。
ぞっとした。
治る薬ならいい。
でも、治らないけど、進行を少しゆっくりさせるというお薬だ。
アルツハイマーのわが母を見ていて、認知に歪みが表立ってて初めて数年は、プライドとの戦いだった。
できていた自分とできなくなった自分と周りからの上から目線。
その時間がお薬で長くなるなら、そんな薬はいらない。
ただでさえ、人間全員が老化現象を受け入れていくのは、つまり、残念な自分を受け入れていくのは、決して楽しくない宿命である。
カラダが言うことを聞かないのもしんどいけれど、ココロが言うことを聞かなくなるのはもっとしんどい。
だって、人間ってプライドで生きているから。
そんな実情を抱えるアルツハイマー患者に、進行を少しだけ遅らせるお薬って、どんな意味を持つのだろう。
私の母の場合、おかしいなって感じ始めてから、子どものことを忘れそうなレベルになるのに10年以上の歳月を要した。施設に入るレベルになるまでに7~8年。
じゃぁ、その期間、誰が看るの?
その期間が長くなって、誰が幸せなの?
介護保険はありがたい。
でも、デイケアも午後4時前には、家族が帰宅していないと利用できない。
利用できるけれど、4時を過ぎたら、利用料がぐ~~んとアップして、そうなると、1割で利用できる範囲を超えるからお金がすごくかかる。だったら、施設に入れた方が安い。つまり、正規で働くのは厳しくなる。
もちろん、若年型の場合は、また、違う世界。
でも、高齢者の場合は?
命の尊厳なんて言ってられなくなる。
で、イギリスの話に戻って。
こんなにお薬を認可していったら、いつかは、イギリスのように経済破綻と共に国民健康保険制度も破綻するのではないかと心配になる。
10年後、20年後、どう考えても、日本経済は明るくない。
ということは、私たちが高齢者になる時代、医療を受けられなくなる可能性があるってこと。イギリスの実情は、10年後の日本の実情かもしれない。
マジ、鍼灸とか整体とか漢方通になろうって思った。子どもの一人は、そんな道に進んでくれないかな?
今、鍼灸などの腕で、イギリスに行ったら、大人気になるはず。
イギリスでは、鍼灸とか認められていないのかな?