総合漢方にんぷ薬・総合漢方育児薬

~頭を使ってではなく、カラダ(感性)で子育てしてみませんか~

思考と運命の不思議な関係

2016年07月31日 | エッセー
職員むけメンタルヘルス研修があった。
 私は、業務の都合で受講できなかったが、同僚が、とてもいい話だったと一番印象に残った講師の話を話してくれた。
 それは、マザーテレサの言葉だったとのこと。

 運命について
 いつも頭の中で考えていること(思考)は、ふとした瞬間に言葉になる。
 一度、言葉にしてしまうと、ときどき、その言葉を口に出してしまう。
 口にだしてしまうと、いつの間にか、行動してしまう。
 行動をし始めると、いつの間にかそれが性格になってしまう。
 性格にまでなってしまうと、その先は、運命になる。

 のだそう。

 なるほど。

 私たちが、運命だから仕方ない・・とか、運が悪かった・・・などと、自分のせいじゃないような物言いをしているけれど、実は、最初に、頭の中で思考していることが、言葉→行動→性格→運命とつながっているという深いお話し。

 運命は、思考。

 私は、普段、頭の中で何を考えている?
 やばい。
 最近、四男とのやりとりにかなり辟易している。
 ネガティブだ。

 足るを知る・・だ。感謝が足りん。
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虫歯 と骨と腎臓の不思議な関係

2016年07月30日 | エッセー
 以前、虫歯は骨の状態が外からわかる唯一のサインだと書いた。そしたら、今度は、虫歯になりやすい人って、腎臓も少し弱いタイプなんだというから、がっくり。
 虫歯と言っても、奥が深い。ただ、単に、甘いものをよく食べるから・・とか歯をきちんと磨かないから・・・というような理由だけでなはいのね。赤ちゃんの頃つばがいっぱい出てよだれかけが何枚も要った…というような子どもは虫歯になりにくい…とは思っていた。でも、まさか、腎臓の機能がもともとイマイチな人は、大きく分けて四つの腎臓の働きの一つであるビタミンDを活性化させて骨を作る働きも弱く、骨粗しょう症にもなりやすいし、虫歯にもなりやすいのだという。
 糖尿病も遺伝のある人は、食べ過ぎると糖尿病になりやすい。食べ過ぎなければ、つまり、バランスの良い食事をとり、甘いものも楽しみ程度な人生を送っている分にはなりにくい。膵臓にムリさせちゃうと発症しちゃう。
 虫歯になりやすい人は、もしかしたら、腎臓の機能が生まれながらにしてイマイチだと自覚して、腎臓に負担の少ない生活を心がけ、併せて、歯のメンテナンスもしっかりやることが大事なのかもしれない。小さいときから。薬も必要以上は飲み過ぎず(特に痛み止めなど)薄味で、たんぱく質もとり過ぎないように・・・・。
 骨粗鬆症にもなりやすい可能性があると自覚して、骨を刺激するような衝撃のある運動(私的には、やはり、スロージョギングがおすすめ)と小魚や緑の濃い野菜などのカルシウムを意識して食べ、ときどき、日光浴をして、ビタミンDを活性化させることが必要だと痛感した。
 歯を磨いているのに・・・。定期的に歯医者さんのプロフェッショナルケアもうけているのに、虫歯になってしまう不思議に、やっと、合点がいった。
 ほんと、私の体ってトホホ・・・。

 朝すっきり目が覚めない・夜中に何回かトイレに起きる・虫歯になりやすい・骨粗しょう症などなど・・・は、どこかで腎臓の働きの弱さとつながっている可能性があるとみてとった。血液検査だけでは、わからない世界があると思う。腎機能の検査は、たんぱく尿と血清クレアチニンとeGFRでわかると言われているけれど、それだけではわからない世界があると思った。
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母が壊れかけてきた・・・。

2016年07月27日 | エッセー
 母が壊れかけた事件の前に、まず、子猫事件のことを書きます。母が、なぜだか、ペットと長男というワードだけを拾って収拾がつかなくなってしまったので。 
 金曜日の夕方7時すぎ、仕事から帰ったら四男が子猫をひろってきていた。
 段ボールの中にタオルを敷き詰めて、その中で、子猫が『みゃーみゃー』『みゃーみゃー』鳴いていた。まだ、目も開いていない。どう見ても、生まれて2~3日しかたっていないって感じの赤ちゃん猫だ。帰り道、水たまりにいたのだそう。友達が、朝、学校に行く途中に水たまりで見つけて、気になって帰りにその水たまりを見たら、まだ、いたという。その友達は、お母さんに飼ってはいけないと強く言われているらしく、四男が連れて帰ってきたらしい。
 そりゃぁ、不憫だ。
 でも、不憫だからといって、なんでもありというわけにはいかない。2匹も飼えない。だいたい、ぷーちゃんの兄弟分のあの猫ちゃんも気になっているところに、もう1匹なんて。というか、生まれたばっかりの子猫には、少なくとも2週間くらいは、母親が必要なのだそう。土日は何とか面倒を見れても、平日はどうするの?誰も見る人いないじゃん・・・。どだい無理な話なのだ。同情と愛情。中途半端では猫がかわいそう。同情なんかじゃ、子猫を救えない。かといって、元いた場所に置き去りにすることが愛情というわけなはずもない。
 切なくつらい選択しかない・・という現実。
 明日まで待って・・と懇願する四男に負けてしまった。
 そして、翌日。土曜日。
 私は、用があって終日家にいなかった。夕方、家に帰ると、ずっと、四男がつきっきりで世話していたらしく、しばらく、世話を交代してくれとせがんだ。昨夜、スプーンでも牛乳を飲んでくれず、指に牛乳をつけて舐めさせていたけれど、そうだ、スポイトでちゅっと注入したら飲んでくれるかもと思い立ち、夜、10時前に車で15分の量販店に駆け込んだ。しかし、スポイトは売っていなかった。仕方なく、帰ろうとしたら『あ、そうだ。あれがあった。』と思いつき,お弁当グッズ売り場へ。醤油小出しではどうだろうかと閃いた。
 しかし、やっぱりだめだった。仕方なく、指で地道に飲ませた。でも、大した量じゃない。明日の朝まで命がもつだろうか・・・。そう思いながら、土曜日の朝を迎えた。四男が一晩中、いっしょにいて看病っぽいことをしていた。私はというと、『みゃー、みゃー』と結構鳴くので眠れそうにないと思って、1階で寝た。 
 四男に、『お母さんは、あなたの世話でいっぱいいっぱい。毎朝、あなたとギャーギャー言い合うだけで一日のエネルギーを使い果たしているんだから。子猫の面倒は、あなたが拾ってきたのだから、あなたがみなさい。』と四男に責任というボールを投げつけた。
 同情は愛ではない・・ということを、同情だけでは生まれたての子猫の命を守れないということを体験してほしいと願った。
朝、起きたときは、静かだったので、もしかしたら・・・と一抹の不安にかられたけれど、しばらくして、「みゃー、みゃー。」が始まってほっとした。
 そんなこんなで、四男は生まれて初めて、世話をするという体験をした。超自己チューで、わがままで、へりくつばっかりで、人の意見を聞く耳を持たず、自分を曲げないし、私のせいにばっかりしちゃう超内弁慶な四男が、子猫の世話をするなんて前代未聞だった。
  そして、日曜日。
 朝、『どうする?』
 目先の同情との決別が迫られる、まさにタイムリミット。
 涙を呑んで、また、橋の下かどこかに捨てに行くしかない。

 わたしだって、つらい。

 でも、自分の力でミルクを飲めない子猫を月曜日からどうするの?問題は同情と引き換えに解決できる問題ではない。
 決断しなくては。

 そう思っていたら、ふと、閃いた。
 そうだ、義理母も、猫を一匹飼っているじゃない。義理母も一人家にこもりっきり状態で心配だ。私が枯らしたとあきらめていた鉢植えのの花も復活させる才能があるくらい世話好きだ。よし、義理母に頼んでみよう!

義理母は、快く飼ってくれると言ってくれた。しかも、頼もしい。『息子(夫のこと)もよく子猫を拾ってきて、結局、私が育てたのよねぇ。』(え、夫は、1匹はいい。でも、それ以上飼うと猫屋敷になるから駄目だ。」と言ったけれど、自分は、子猫を拾ってきていたんじゃない。)
 子猫用のミルク缶と哺乳瓶を買って、義理母の家に。

 指で舐めさせてはいたけれど、あんまり飲まないなぁ?大丈夫かなぁ?ウンチも一度もしていないし、おしっこ臭いというわけでもない。

 そしたら、さすが、義理母。伊達に夫の拾ってきた子猫を育ててきたわけではない。「あら、子猫はね。母親がお尻を舐めてあげるとウンチをするの。母親がいない場合は、脱脂綿に水を含ませてお尻を拭いてあげるとウンチをするのよ。ウンチをしないとミルクを飲まないからね。」

へぇ~。知らなかった。義理母すごい。
 いつ心臓発作で倒れるやもしれないのに、『最近、野菜をほとんど食べていない。あ~は、は、は。」と笑い飛ばす、そんな好き勝手な人生を送っている義理母だけれど、裁縫は一流の腕だったというし、子猫を育てる能力にたけているし、おおらかと言えばおおらかな義理母が好きだ。

 もう、子猫を育ててくれると二つ返事をしてくれただけで、感謝感激だった。


 そんなルンルン気分のまま、妹も帰省していると聞いて、実家に立ち寄って、さっそく、子猫事件の話をした。

 そしたら、話の途中で、母が急に、号泣してわけのわからぬことをわめき出したのだ。
「あんなに一生懸命○○くん(長男のこと)の面倒をみてあげたのに・・・・。」と。

 『え、どうして?今、私、何を言った?母を責めるような話はしていないのに。どうして、号泣するの?』状態に、母が陥ったのだ。

 子猫事件に補足して、
 その子猫事件のことを長男に電話で「猫とか犬を飼うっていいよねぇ。細胞1個1個がデレ~っとなって、いろんな緊張が解きほぐされるよねぇ。オンとオフの切り替えができる人はストレスたまんないだろうけれど、お母さんみたいなタイプは、おうちに帰っても上手に切り替えできないもんね。お母さんみたいなタイプほどペットが必要なんだね。あなたも、どっちかというと、言いたいことを我慢してしまうタイプだったから、ペットがほしいと言ったとき、飼ってあげればよかったねぇ。ごめんね。」と話したら、長男が「そうだよ。ペットがいればよかったと思うよ。」と言ったのよ。
 と、母に言ったとたん、号泣したのだ。
 母が壊れかけていると感じた瞬間だった。

長男を3歳まで見てくれて母と父には十分すぎるほど感謝している。母は、なぜだか、『長男』『ペット』という言葉から、長男が1歳過ぎのころの手の平と足の裏がパンパンに腫れて歩けなくなった事件を連想してしまったようだ。あの頃、父は、迷いこんだ子犬をわが子のように溺愛していて外で飼うと決めたものの、ついつい居間まではOKにしてしまっていた。冬が来た。こたつを出した。そして、三日目に長男の手の平と足の裏がパンパンに腫れて、長男が痛がって歩けなくなった。はっと気が付いた父と母は、即、子犬を居間から追いやっってくれた。長男のために。そしたら、すぐに腫れが引いた。ある種のアレルギー反応だったのではないかと思う。
 その時、私は、全然、親を責めたりなんかしなかった。むしろ、かわいがっていた犬を追い出すことになって申し訳ない気持ちになったくらいだった。
 でも、その時、母はものすごくドキドキしたのかもしれない。孫の面倒をみるって大変。もし、なにか命にかかわるようなことをしたら・・・という責任は重い。よそ様の子ほどではないにしろ、わが子ではないわけだから。

 認知症の症状にあるのかどうかわからないけれど、認知という病なわけで、母はあきらかに認知がおかしくなっているとはっきりと認識してしまった出来事だった。『長男』『ペット』という言葉から、一度連想された小さい頃の出来事に対して、私が、いくら、「それは違う。長男が12歳頃の思春期に癒されるために飼いたかったと言っていたんだよ。お母さんとは何も関係ないんだよ。」と言っても、取りつく島もなかった。ただ、ただ、泣きじゃくり、どうせわたしなんか・・とネガティブな海で溺れかけてしまった。

母には、会話の中のあるワードだけを拾って、母をネガティブな海に連れ込むという認知の歪みが明らかにはびこり始めた。
 
 やばい。

 今度、長男が帰省したら、母に何かプレゼントを贈ってあげて・・・とお願いしておこう。その気持ちが母のネガティブ認知脳を癒してくれるはず。

 義理母も、母も、認知症の下り坂を歩み始めた。

 今日のニュースで、『日本の女性の平均年齢が87歳を超えた・・・けれど、香港が1位で日本は2位だった。』と言っていた。平均寿命が延びても、認知症の人が増えるとしたら、微妙・・。

 

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おしっこの検査に行こう!タンパク尿編

2016年07月12日 | エッセー
 『おしっこにタンパクが出ていますよ。(+)です。』と言われて、『え、超大変!』と慌てる人はたぶんいないと思う。大体の人が『ふ~ん。だから、何?』と答えるんじゃないだろうか。
 そう。ほんのちょっと前の私はそうだった。
 というか、私も、ちょこちょこ職員健診の尿検査で、たんぱく(+)とか潜血(+)とか出ていて、腎臓がいまいちだとは思いつつも、そんなに腎臓が悪い兆候だとは思ってもみなかった。妊娠中もちらほら出て、減塩職を指導されたこともある。漢方薬も出してもらったけれど、変化なかった。足が異常にだるく、毎晩、足を垂直に上げて布団にもたれた格好で寝るしかなかった。最終的に、駒本名産のスイカ糖なるものを耳かき一杯湯呑にお湯で解いて飲んだら二日目に、あんなにだるかった症状がうそのようにすっきりしてびっくりした記憶がある。私の腎臓はいまいちとは思いつつも、Drに一度専門医を受診した方がいいと言われてそのままにしていた。
 しかし、ここ最近、CKD(慢性腎臓病)から腎透析にならないよう、腎臓を守るためには、まず、最初におしっこにタンパクが出たときに、腎臓を守るためのメンテナンスを意識していくことがとても大切と言われ始めて、自分の腎臓に一抹の不安を感じている。よもや、腎透析になんてなったら・・・・と。
 人間にとって、たんぱく質とか糖はエネルギー源としてとても大切なものだから、絶対に、何があっても。おしっこになんか出さないはずなのだそう。そういう風に腎臓の仕組みができているという。だから、本来ならおしっこに出るはずのないタンパクがおしっこに出ているということは、のっぴ切らない状態なのだ。
ざるにところどころ穴が空いている・・・というイメージ。
 ところどころか1か所でも穴の空いているざるは使い物にならない。砂を集めたくてふるいにかけても大きな石ころまで落ちてしまうようなざるなんて。
 タンパク尿(+)はそれくらいのインパクトのある腎臓からのサイン。おしっこにちょっとタンパクが出ているというようなたいしたことない感覚でいてもらっては困る。傷んだ腎臓がギリギリだよとサインを送ってくれていると謙虚にならなきゃ。
 ところで、腎臓からおしっこに出る物質は、全てがたんぱく質の産業廃棄物である尿素窒素・尿酸と加工食品などに多く含まれるリンやカリウムなど。
油とか炭水化物などは全て体内でエネルギー源か蓄積されるかの道をたどる。つまり、腎臓を使わなくてもすむ。でも、たんぱく質はとり過ぎた分は腎臓で外に出そうとする。ということは、肉とか魚とか卵とか牛乳、豆腐を食べ過ぎると腎臓は、たんぱく質の産業廃棄物の処理に追われるて働きづくめの人生否腎性を送ることになる。逆に、とらな過ぎると、筋肉の材料が不足して、サルコペニアになる。
 なんでも適量がほんとうに大事。とり過ぎもとらなすぎも問題。
 そして、たんぱく質でも動物性たんぱく質と植物性たんぱく質のバランスも実は重要。人間の栄養としてたんぱく質の中に必須アミノ酸がある。これは、動物性たんぱく質にしかないもので、人間が体内で作ることができないたんぱく質。人間が生きることに必要なたんぱく質の中で60%は、必須アミノ酸が必要と言われている。植物性が体にはいいと思い込んでしまって、豆腐や豆乳中心の食事になると必須アミノ酸が摂取できずに、元気がなくなる?筋肉が弱くなる?らしい。
 そう聞いて、すぐに母親のことを思い出した。お店も遠いし、車にもすいすい乗れない年代になって、夫もいない独り身だ。国民年金生活だから、食費をかなり抑えていると思う。ここ最近、骨折したり、いろいろ筋骨格系のトラブル続きだ。
 父が他界して3年。おそらく、3年間、肉魚の摂取量はかなり落ちているのではなかろうか。牛乳もほとんど飲まないようだし。卵も毎日は食べていなさそう。粗食がいいと勘違いしているかもしれない。
 そう思って、さっそく電話してみた。
 案の定、豆腐さえ食べていればいいのだと思っていた・・・と。
 たぶん、母のような高齢女性は多いはず。

 青壮年期の女性の一日たんぱく質摂取量の適量は、目安としてですが、
 牛乳1本、卵1個、サバ一切れ、豚肉の薄切り2枚、豆腐4分の1丁+野菜やお米に含まれるタンパクで十分。これで、動物性タンパクが60%くらいになる。
 母は豆腐尽くしと言ったけれど、もし、豆腐だけで一日のたんぱく質をとると考えると、一日豆腐を2丁くらい食べる計算になるだろうか。でも、そうしていると、たぶん、筋肉が落ちてくる。父が亡くなって3年。ふと、母の太ももを見れば、豆腐しか食べていないと納得できる太ももになり果てている。温泉でよく見かけるおばあちゃんのイメージ。お腹周りは結構ありそうで太っているのに、足だけ妙に細いアンバランス。そう、いつの間にか母もそんな太ももになってしまっていた。

 食べ過ぎは腎臓に負担をかけるのでよくないけれど、食べなさすぎも問題。

 腎臓の機能が落ちてくると、貧血になるそう。そして、貧血になると腎臓はもっと悪くなるのだという。悪循環。

 たんぱく尿が出ていて、貧血のある人は、腎臓が相当疲れているって思った方がいい。


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就活とイギリスEU離脱

2016年07月05日 | エッセー
 昨夜、次男に免許更新の件で電話をした。そしたら、なんとなんと、例の「おかあさ~ん」という意味深なトーンの声で、「昨日、歯医者さんに行ったら、日本一周する前に治療しかけていた虫歯が悪化して、歯槽骨まで侵食してしまって、抜かなきゃいけなくなった。歯槽骨がおかしくなっているからインプラントはできなくて、かけ歯か親知らずの矯正しか方法はないと言われた。矯正だと7~8万円くらいかかるかも。」
 歯の治療費を渡したのに、お金を別なものに使ってしまって、ちゃんと治さないまま自転車で日本一周の旅に出て、その間,治療もできなかったから、どんどん深く蝕んでいったという。腹正しいったらありゃしない。
 え、なんか、矯正って言葉が聞こえてきたようだけれど、なんで、歯を抜いたところを矯正するのだろうと疑問に思って尋ねたら、たまたま抜いた歯は親知らずの前の奥歯だったので、親知らずを矯正してずらしていって、抜いた奥歯の後までもっていくらしい。抜く歯が親知らずの手前の歯だったことは不幸中の幸いだった。8万円の出費は痛い。でも、物事はいい風に考えなきゃ。別な場所を抜いたとなると、かけ歯しかなくなる。かけ歯は両隣の歯をダメにしてしまうというから、長い人生だ。歯はものすごく大切。これで済んだと思えば安いもんだ・・・とため息つきながら、自分に言い聞かせた。本人もこれで本当に懲りた。これからは、歯を大切にすると宣言してくれた。そうよ。そうよ。今の時代は、半年に1回のプロフェッショナルケアの時代。今後、何があっても、一生涯、半年に1回は歯医者に定期検診に行きなさいと力を込めて訴えましたよ。
 な会話の後、大学院に行くかどうか迷っていた次男が、「俺、就活することにした。イギリスのEU離脱による円高で就職が厳しくなっているってうわさだから。今、院に行って特にやりたいことがあるわけでもないので。」と。そうなのだ。EUの通貨ってよく知らないけれど、イギリスの離脱によってどうなるかわからないEUの通貨は不安定極まりない。よって、円が安定しているため、円買いが始まったせいだという。そうなると、企業の経営も不安定になる。必然的に採用も控える。せっかく、就職氷河期を脱したとほっとしていたのに。
 それにしても、どうなるのかなぁ?
 先が見えない。
 でも、知らなかった。イギリスがEU離脱という選択をして、でも、反対が48%くらいもいて、で、反対だけど投票に行かなかった人たちは、まさか賛成派が50%をこえるなんて思ってもみなかったので、慌てて、反対デモを始めたという。もう一度、投票をすれば、逆転する可能性は大いにありそうだ。
 そして、もう一つ、知らなかったことがあった。そんなこと社会の授業でも聞いたことなかったし、話題になったこともなかった。イギリス連邦という言葉は耳にしたことがあったようなないような。連邦という言葉の響きに違和感をちらっと感じたこともあったような気もするけれど、きちんと『連邦』について考えたことなど一度もなかった。
イギリスも日本のように、九州とか北海道とか本州は東北・近畿地方という感じで大まかに五つくらいのブロックに分かれているのだそう。でも、その感覚は日本の九州というようなものではないらしい。例えば、日本だと県大会に優勝したら、次は九州大会があって、それに勝ったら、全国大会に出れるという感じだと思う。でも、イギリスでは、九州大会での優勝が№1という感覚。オリンピックの選手は、よく、日の丸を背負って・・という言葉を使うけれど、イギリスの選手にはイギリスを背負ってというような感覚はないんだそう。スコットランドを背負って・・・とか北ウエールズを背負ってという感じなのだという。 
 知らなかった。
 全く知らなかった。
 年収も格差があって、ロンドンのあるイングランドが一番高く、イングランドの人は他の地域の人をやや下にみているようなところもあるらしい。
 いつも思う。何も知らないなぁって。
 だから、情報を鵜呑みにしない。
 自分が直接出逢って感じたこと以外のことで、判断することはなるべく避けよう。
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