Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《59年に東京地裁は「米軍駐留は憲法9条に反する」…無罪》…砂川事件国賠訴訟で《元最高裁長官の行為に違法性は認められない》という東京地裁

2024年02月09日 00時00分15秒 | Weblog

/ (2024年01月18日[木])
砂川事件」の国賠訴訟にはいくつかの論点があるのでしょうが、ブログ主が感じる大きな問題は、元・最高裁長官の振舞いとそれを許容した現在の裁判所。ニッポンの裁判所は大丈夫なのか?

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                   ~世界の笑いものにならないために~

   『●砂川事件: 「三権の長でありながら米国の干渉を
             受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」

   『●砂川判決という言い訳、再び: 
       アベ様は、じい様さえ「ウソツキ呼ばわり」したようなもの!?
    「「自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と
     「軌を一にする」と指摘」。
       また、砂川判決という言い訳話の蒸し返しかい!? 1959年以降の
     長きに渡る議論を無視するつもり? 風が吹けば桶屋が儲かるといった
     雑な論理で壊憲していいのか。憲法学者は売られたケンカを買うべきだ!!」
    《Q 現在の集団的自衛権の行使容認をめぐる議論とどう関係するのか。
     A 「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した一審の東京地裁判決
       (伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決)を破棄した最高裁判決
       首相が指摘する「砂川判決」だ。
       (1)憲法は固有の自衛権を否定していない(2)国の存立を全うするために
       必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない(3)だから日本を守る
       駐留米軍は違憲ではない(4)安保条約のような高度な政治性を持つ
       案件は裁判所の判断になじまない-がポイント。首相らは「自衛権」や
       「自衛の措置」に集団的自衛権の行使も含まれると主張し始めた

   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
        この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
   『●「砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を
      照らす意味を持つ」…相変わらずの最「低」裁かな?
    「《五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の
     田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに
     裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に
     見つかった》…ということで、「三権の長でありながら米国の
     干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」をしていた訳です」

   『●最「低」裁判断に失望し、砂川事件の伊達秋雄裁判長は
      程なく退官…《わが国の司法にとって大きなマイナス》
    《駐留米軍の合憲性が争点となった「砂川事件」で、
     裁判史上初めて違憲と断じた伊達秋雄裁判長。…最高裁判断に
     失望した伊達さんは程なく退官した

   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている

 アサヒコムの記事【元最高裁長官の言動「違法性ない」 砂川事件の国賠訴訟で請求退ける】(https://www.asahi.com/articles/ASS1H64GXS1HUTIL007.html?iref=pc_ss_date_article)/《1957年に東京都砂川町(現・立川市)にあった米軍基地に学生らが立ち入った「砂川事件」で有罪となった男性ら3人が、当時の最高裁長官の言動で公平な裁判を受ける権利を侵害された」として、国に計約21万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁(小池あゆみ裁判長)は15日、「長官の行為に違法性は認められない」として、男性らの請求を棄却した。事件では、学生ら7人が日米安保条約に基づく刑事特別法違反で起訴された。59年に東京地裁は「米軍駐留は憲法9条に反すると述べ、無罪としたが、検察側は控訴審を経ずに直接上告。最高裁は同年、高度の政治性を有する問題は、司法判断になじまないとして一審判決を破棄し、差し戻し審を経て罰金2千円の有罪が確定した。2008年以降、最高裁判決前に当時の田中耕太郎・最高裁長官が駐日米大使と複数回会談し、裁判の見通しや審理に関する希望を伝えたとする米公文書が見つかった。これを受けて元学生らは再審請求をしたが認められず、19年に今回の訴訟を起こした》。
 東京新聞記事【「砂川事件」めぐる国賠請求、東京地裁は棄却 元学生らの「公平な裁判の権利侵害」訴えを退ける】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/303014)。《1957年に東京都砂川町(現立川市)にあった米軍立川基地に立ち入ったとして学生らが逮捕、起訴された「砂川事件」を巡り、最高裁判決前に最高裁長官が米側に評議の状況などを伝えたことで「公平な裁判を受ける権利が侵害された」として、元被告ら3人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、「具体的な評議内容、予想される判決内容まで伝えた事実認められず公平な裁判でないとは言えない」として請求を棄却した》。
 琉球新聞の【<社説>砂川事件訴訟判決 米国追随判断を踏襲した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2699162.html)によると、《司法は自らの独立を取り戻す機会を逸したと言わざるを得ない。刑事特別法違反の罪に問われ有罪が確定した1957年の砂川事件の元被告らが、59年の最高裁判決前に最高裁長官が評議の内容を米国側に伝え、公平な裁判を受ける権利が侵害されたとして国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は請求を棄却した。公文書によって明らかになった歴史的事実の解釈を狭め、米国に追随する過去の司法判断を踏襲するものだ。元被告らの刑特法違反事件で、59年の一審東京地裁は米軍の駐留は違憲との判断を示し、無罪を言い渡した。最高裁は、米軍基地問題など高度の政治問題については司法審査の対象の外にあるとする統治行為論を持ち出し、一審判決を破棄したのだ。統治行為論は沖縄など米軍基地から派生する被害救済を訴える人々の訴えを退ける論拠となり続けている。今回の判決も、統治行為論を盾に基地被害からの救済を求める住民の訴えに背を向けてきた司法判断の延長上にある。元被告らが損害賠償を求めて裁判を起こしたきっかけは、59年12月の最高裁判決を前に当時の田中耕太郎最高裁長官が駐日米国大使らと密談していた記録が2008年以降見つかったことにある》。

 さて、城山三郎さん《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>戦争で得たものは】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2704877.html)。《2007年に亡くなった作家城山三郎さんの言葉を思い出す。「戦争で得たものは憲法だけだ」。少年兵として戦争を体験した城山さんの目には、多くを失って得た憲法が一縷(いちる)の望みに映ったか》。

 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。

   『●平和憲法を壊憲し軍隊を持ち「戦争できる国」の時代に:
               「ネジレ」を取り戻し、「厭戦」の世に戻したい
   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》
   『●「戦争や軍国主義を批判、風刺、反体制的な句を作った
        俳人四十四人が治安維持法違反容疑で検挙され…」
   『●反戦川柳人・鶴彬さん…《兵士として未曾有の「隊長への質問」で処罰
       されるが屈せず…命をかけて反戦の川柳を詠み続け、ついには…》
   『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
     戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増

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https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2704877.html

<金口木舌>戦争で得たものは
2024年01月18日 05:00

 2007年に亡くなった作家城山三郎さんの言葉を思い出す。「戦争で得たものは憲法だけだ」。少年兵として戦争を体験した城山さんの目には、多くを失って得た憲法が一縷(いちる)の望みに映ったか


▼戦力の不保持など平和主義を唱える条文ゆえだろう。改定の動きは平和を脅かす警戒の目安とする人もいる。そんな警戒心を呼び起こす判決と言えよう

▼砂川事件国家賠償訴訟は、公平な裁判を受ける権利の侵害の可否が問われた。駐留米軍基地に立ち入ったデモ隊の1959年の無罪判決を巡り、当時の最高裁長官と米大使らが、その後の対応で密談していたことが明らかになり、提訴に至った

無罪判決を導いた論拠が駐留米軍の違憲判断。一審判決を覆し、上告審を経て有罪とした背景に密談があったとすれば、公平な裁判だったかと疑問視するのはもっともだ

▼15日の国賠訴訟判決は公平性を侵害したと認められる特段の事情がないと訴えを退けた。米軍の駐留根拠を失い、あわてふためいた司法はそのままだった。それでも憲法がある一縷の望みだ
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●《政府の無策・不作為を正す場こそ国会であり、この状況で国会が閉じている》違憲な異常事態、なのに無《責任政党》は壊憲したいとは…

2020年08月10日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 【1都3県の新規感染者数の推移】(東京新聞 2020年7月17日)↑]



リテラの記事【内閣不支持62%、国会開くべき8割…それでも安倍首相は国会を拒否、しかも“火事場泥棒”的手口で改憲・緊急事態条項を提案へ】(https://lite-ra.com/2020/08/post-5556.html)。

 《新型コロナの新規感染者数が全国で最多更新をつづけるのに、会見も開かず雲隠れしている安倍首相。そんななか、本日発表されたJNNの世論調査では、内閣支持率が35.4%、不支持率は62.2%を記録。JNNは2018年10月に調査方法を変更しているとはいえ、第二次安倍政権発足後、支持率最低と不支持率最高を記録したことになる。しかも、この世論調査で注目すべきは、〈コロナ対応などを話し合うため早期に臨時国会を「開くべき」との声は8割〉にも達しているという点だ》。

   『●《コロナの死者数が欧米に比べて相対的に少ないのは東アジアに
     共通した現象…アジアの中では日本の死亡者数はむしろ群を抜いて多い》
   『●すぐさま公選法違反な河井克行元法相夫妻を逮捕…《憲法53条は
     「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は…」》
   『●小池百合子「ト」政の下、《震源地》化。一方、閣議決定を受け、
      なぜ「アベ様、アベノカビマスクを有難う」の声が巷に溢れない?
   『●閉会中審査に出席することもなく、国会を開くこともないアベ様は
      自ら「GoTo」に積極的にご参加…#GoToJail、#GoTo刑務所の臭い飯
   『●《厚生労働省が…さらに8000万枚、送り付ける予定》…「アベ様、
         アベノカビマスクを有難う」の声が巷に溢れてはいないのに?
   『●アベ様は《5月25日…「わずか1カ月半で今回の流行はほぼ収束させる
         ことができた。日本モデルは世界の模範だ」と語っていたが…》
   『●【政界地獄耳/国会軽視も甚だしい責任政党自民党】…国会も開かず、
          何もしない、というアベ様の《日本モデル》、〝ニッポンスタイル〟
   『●狂気な「日本モデル」…《安倍首相は8月後半にも夏休みをしっかりとる
           予定で、いまは〈別荘に赴くかどうかも慎重に見極めている〉…》

   『●《世界標準》…《「誰でも いつでも 何度でも」検査できる
     「世田谷モデル」として早期発見や治療につなげ、感染の広がりを抑える狙い》
   『●《専門家会議が当初「PCR検査を増やすべきはない」という方針
     …が過ちを生んだ…検査拡大の議論が出てこない》(保坂展人さん)

 《内閣支持率…35.4%》、未だに?? この国は大丈夫?
 「出掛けるな 出掛けてください 出掛けるな」…デタラメというか、無能というか、ホントに救いようのない政権、無《責任政党》。検査検査検査…・追跡・保護、それをやらなければ、何も始まらない。傍観、無能無為無策なアベ様らにこのまま任せていたのでは、破滅、《難破》。野党の求めを無視し、違憲にも憲法53条に反して臨時国会も開かず、何もしない、というアベ様の《日本モデル》、〝ニッポンスタイル〟、アベノモデル。閉会中審査からもトンズラ総理。「逃げるは恥だし役立たず」なアベ様は《今は逃げるが勝ちと判断した》訳です

   『●逃げるは恥だし役立たず、国会からも「トンズラ総理」
       …「所信表明も代表質問も拒否」な国会軽視の横暴
    「リテラの記事【安倍首相、独裁の本性がさっそく全開! 国会を開かず
     議論からトンズラ、全世代の社会保障をカットする公約破り】」
    《安倍政権は安保法制を強行採決させた2015年にも、憲法53条
     基づいて野党から要求されていた臨時国会召集を無視。臨時国会が
     開催されなかったのはこのときが2005年以来だったが、05年は
     特別国会が約1カ月おこなわれている。それが今回、安倍首相は
     臨時国会を召集しないばかりか、実質、数日間の特別国会では
     所信表明も代表質問も拒否しようというのだから、
     国会軽視の横暴そのものだ》

   『●《幸せな未来を想像できている人なんて、この国にはいない》
              …でっ、アベ様独裁の内閣支持率4割程度?
   『●鈴木耕さん《目を覚まそうね、みんな》《さすがに、安倍終焉劇の幕は
        上がったのだ……。》…であってほしいが、内閣支持率4割の絶望
   『●内閣支持率は《国会を閉じれば…自然と回復》…「逃げるは恥だし
        役立たず」なアベ様は《今は逃げるが勝ちと判断した》のか?
   『●すぐさま公選法違反な河井克行元法相夫妻を逮捕…《憲法53条は
     「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は…」》
   『●国会からトンズラ総理・アベ様の縁故資本主義およびCOVID19
     無能無為無策…《火事場泥棒によるピンハネで日本は滅びてしまう》

 いま、壊憲を議論すんの? 緊急事態条項だぁ?? このCOVID19人災のドサクサに紛れて? アタマオカシイ、無《責任政党》
 琉球新報の【<社説>敵基地攻撃自民提言 憲法理念に逆行する暴走】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1167998.html)によると、《国民的世論を喚起し自民党の暴走を止めなければならない。敵基地攻撃能力を保有するという提言のことである。自民党の国防部会安全保障調査会は「相手領域内で弾道ミサイルなどを阻止する能力」のほか、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策などを求める提言を、きょうにも安倍晋三首相に提言する。「敵基地攻撃能力」や「打撃力」という具体的表現は避けたが、こうした能力の保有を事実上、促す格好だ。提言の内容は、戦力の不保持専守防衛などをうたう憲法の理念から大きく逸脱する。政府はこれまで憲法上、保有は可能と解釈しているが、憲法の平和主義を破壊するもので、到底許されない》。

   『●地上イージス計画停止、遅すぎる《当然の帰結》…辺野古の工事は
     中止してください! 海を殺すな! 辺野古も白紙にして原状回復を!
   『●どうしたらいいんですかね? 沖縄で、アベ様や最低の官房長官らが
     やることなすことがデタラメばかり…選挙が終われば、辺野古破壊再開
   『●「敵基地攻撃能力」保有、《安倍首相はアショア断念を
     「反転攻勢としたい。打撃力保有にシフトするしかない」》…狂った発想

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https://lite-ra.com/2020/08/post-5556.html

内閣不支持62%、国会開くべき8割…それでも安倍首相は国会を拒否、しかも“火事場泥棒”的手口で改憲・緊急事態条項を提案へ
2020.08.03 07:51

     (首相官邸HPより)

 新型コロナの新規感染者数が全国で最多更新をつづけるのに、会見も開かず雲隠れしている安倍首相。そんななか、本日発表されたJNNの世論調査では、内閣支持率が35.4%、不支持率は62.2%を記録。JNNは2018年10月に調査方法を変更しているとはいえ、第二次安倍政権発足後、支持率最低と不支持率最高を記録したことになる。

 しかも、この世論調査で注目すべきは、〈コロナ対応などを話し合うため早期に臨時国会を「開くべき」との声は8割〉にも達しているという点だ

 あまりにも当然だろう。現在、都市部では3〜4月と同じように症状が出ているのに検査を受けさせてもらえないという声が飛び出し、さらには軽症・無症状者用のホテル不足が叫ばれているのに、政府は自治体に責任を押し付けるばかり。法整備の議論のみならず、こうした政府の無策・不作為を正す場こそ国会であり、この状況で国会が閉じていること自体が異常事態だ。

 だが安倍政権は、野党4党などから要求されている憲法53条に基づいて臨時国会の召集に対し、自民党の森山裕国対委員長は「臨時国会に付託する議案が何なのか定かではない」などと言い出す始末。この新型コロナ感染拡大の状況下で「議案がわからないと口にすることも絶句するが、憲法に基づいた国会召集要求に応じないというのは完全に憲法違反だ

 しかし、もっと絶句するほかないのは、このように憲法を平気で軽んじながら、その一方で、いま安倍自民党が新型コロナを理由にして憲法改正をしようと動き出していることだ。

 実際、自民党の下村博文選挙対策委員長が会長を務める「新たな国家ビジョンを考える議員連盟」が、現行の自民党改憲案を修正し、「緊急事態条項」に「大規模な感染症をくわえようとしているというのだ。

 まず、おさらいすると、現行の自民党改憲案のひとつである「緊急事態条項」では、〈大地震その他の異常かつ大規模な災害〉が起きた場合、衆参両院議員の任期延長を特例で可能にし(64条の2に新設)、内閣が法律と同じ効力をもつ「政令」を制定することが可能になる(73条の2を新設)。

 ようするに、現行の自民党改憲案では、大規模災害が起きれば、与党の独断で政令で好き勝手にでき、議員の任期も延長できるというフリーハンドを可能にする条文になっているのだが、なんと、ここに「大規模な感染症」をくわえようというのである。

 つまり、この修正案では、新型コロナを理由に安倍首相をはじめとする国会議員の任期を勝手に延長することも、補償もなく人権だけを制限できるような政令を勝手につくることができる、というわけだ。国会の召集を拒絶しているような連中まったくふざけるな、という話だろう。

 だが、このふざけた改憲案を安倍自民党は推し進めるらしい。実際、下村選対委員長は7月21日におこなわれた「新たな国家ビジョンを考える議員連盟」の会合で、こう述べたというのだ。

〈下村氏は会合でコロナの第2波、第3波が来る可能性や、別の感染症が蔓延する恐れに言及。「緊急事態条項の中で、感染症が読み取れるような文言修正をしていく必要がある」と強調した。〉
〈議連として8月末にも考え方を取りまとめ、党に提言する構えだ。〉(産経ニュース7月21日付)


■国会開催を拒否しながら「いまの憲法では緊急時に参院緊急集会しか開けない」と改憲を主張する安倍の厚顔

 もうすでに「第2波」と呼ぶべき状況にあり、抜本的な対策が求められているというのにそれを放棄しておきながら、憲法改正にだけは前のめり──。しかも、改憲に向かって一心同体である下村選対委員長が先頭に立っていることからも、これが安倍首相も公認の動きであることはあきらかだ。

 実際、安倍首相も、総理会見や閉会中審査への出席を拒否する一方で受けていた極右雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)の独占インタビューで、こう強弁しているのだ。

「今回、新型コロナウイルス感染症という未知のウイルスの脅威に直面しています。そのなかにおいて、緊急時に対応する憲法の規定は参議院の緊急集会しかないのが実情です。「いまのこの緊急時を利用して憲法の緊急事態条項について議論するのはおかしい」という人がいるのですが、それこそおかしい。私は全く逆だと思います」

 憲法に基づいた国会召集の要求に応えようとしないでいまこそ憲法の議論をと叫ぶことの倒錯ぶりもさることながら、国会を閉会させ頑として開こうとしない人間が「緊急時に対応する憲法の規定は参議院の緊急集会しかないのが実情」って……。その上、緊急事態条項のさらなる修正によって、新型コロナを理由にした国会議員の任期延長や政令の制定まで可能にしようとは、火事場泥棒そのものではないか。

 しかし、安倍首相は本気だろう。現に、東京除外だけの「GoTo」実施強行が決まった7月16日夜、麻生太郎財務相率いる麻生派(志公会)がホテルニューオータニで政治資金パーティを開いたが、この場に安倍首相はビデオメッセージを寄せ、そのなかで「自民党総裁の任期中に憲法改正を成し遂げていきたい。その決意に変わりはない」と宣言。麻生財務相も「果たしていまの憲法が緊急事態に対応できるのか。政権与党として憲法改正に向けた議論もしっかりおこなっていくべきではないか」と後押ししている。

 新規感染者の最多更新の最中に、国民から雲隠れし憲法も守らず国会も開かない総理大臣が、「緊急事態に対応する憲法が必要だ」「野党は改憲議論をしろ」「任期中に改憲したい」と叫ぶことの二枚舌──。ともかく、8月末からの安倍首相の動きには要警戒が必要だ。

(編集部)
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●《「憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》…アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》

2019年07月20日 00時00分22秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/論外に対しては論外でいい「審議すらしない党」を選ぶべき】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257679)。

 《安倍晋三はまだ改憲にこだわっているようだ。先日も「参院選では(改憲の)審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか決めていただきたい」と発言。もちろん、「審議すらしない政党を選ぶべきだ。「野党はなんでも反対。無責任だ」というネトウヨ御用達のテンプレートにわざわざ乗ってあげる必要もない論外なものに対しては論外でいいウンコ食えと言われたら嫌だでOK。むしろ、対案を示してはならない》。

   『●《恥を知》らない《日本新悲劇の座長》(星田英利さん)な
        裸のアベ様…予算委員会のための時間が無いらしい
   『●《非核三原則や日本の憲法9条がハメネイ師から
       高い評価を受けたとの一部情報もある》…なぜ主張しないの?

 「予算委員会のための時間が無」かったらしいアベ様。一方、壊憲のためには、厚顔無恥にも「参院選では(改憲の)審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか決めていただきたい」と平気で言えるお方。無恥・無知なアベ様。

   『●沖縄イジメ: アベ様…「大学時代の恩師は
      二つのムチ(無知、無恥)を挙げ「彼は歴史を知らない」」

 リテラの記事【自民党が今度はフェイク改憲マンガを配布! 押し付け憲法論に主人公の主婦が「家のルールをご近所さんが考えるようなもの」と】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4825.html)によると、《安倍首相は先月26日の通常国会閉幕を受けた記者会見で、憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点だと断言した。消費増税や年金問題などの争点隠しの狙いもあるが、なにより、このまま選挙に勝利すれば「大義名分」として改憲発議へ持っていくつもりだろう。だが、安倍首相が争点にあげる「憲法の議論をする政党か否か」というのは、巧妙に文脈をすり替えたものだ》。
 《憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》と嘯くアベ様。でも、適菜収さんの回答は明白。つまり、アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》。《論外なものに対しては論外でいいウンコ食えと言われたら嫌だでOK。むしろ、対案を示してはならない》。(この部分には)同感。(三島由紀夫氏はキライです。)

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257679

適菜収 作家
それでもバカとは戦え
論外に対しては論外でいい「審議すらしない党」を選ぶべき
2019/07/06 06:00

     (安倍首相(C)日刊ゲンダイ)

 安倍晋三はまだ改憲にこだわっているようだ。先日も「参院選では(改憲の)審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか決めていただきたい」と発言。もちろん、審議すらしない政党選ぶべきだ

 「野党はなんでも反対。無責任だ」というネトウヨ御用達のテンプレートにわざわざ乗ってあげる必要もない論外なものに対しては論外でいいウンコ食えと言われたら嫌だでOK。むしろ、対案を示してはならない

 実際、安倍が関わった2012年の憲法改正草案ウンコ以下だった。「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」「家族は、互いに助け合わなければならない」などと憲法の意味を理解している人間が作ったとは思えない。さすがに党内からも「まずい」という声が出たのだろう。谷垣禎一は「(これは野党時代に作ったものであり)与党ですと、もう少し実現可能性を考えた」と軌道修正を図ったが、安倍は私たちはこういう憲法を作りたいと思うから出したとちゃぶ台をひっくり返した

 なお、私は昔から改憲派である。特に9条に限れば、独立国が軍隊を持つのは当然であり、憲法の矛盾は当然、改正により解消しなければならない。自衛隊の立場が曖昧なのは危険だ。

 一方、安倍は改憲派が戦後積み上げてきたロジックをすべてドブにぶち込み、しまいには9条1項、2項を維持したまま3項を付け加えると言い出した。戦力の不保持をうたった後に戦力の保持を書き込むアホにも限度があるが、これでは憲法は確実に空洞化する。

 安倍は改憲による一院制の導入をもくろんでいるし、首相公選制を唱える日本維新の会ともつながっている。その狙いは権力の集中と皇室の解体、アメリカ属国化だろう。

 戦後の欺瞞に異議を唱えた作家の三島由紀夫は、自衛隊がアメリカの指揮下に入ることを危惧した。

「国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によってごまかされ、軍の名を用ひない軍として、日本人の魂の腐敗、道義の頽廃の根本原因をなして来ているのを見た。もっとも名誉を重んずべき軍が、もっとも悪質の欺瞞の下に放置されて来たのである」(「檄」)

 三島が生きていたら安倍による改憲は全否定しただろう。日本の不幸は、まともな改憲派、保守派が激減したことだ。
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●《9条に自衛隊を明記し「違憲論争に終止符を打つ」…終止符を打たなければならないのはこのデタラメな政権だ》

2019年05月25日 00時00分33秒 | Weblog


日刊ゲンダイの二つのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/太郎ちゃんの言う通り! 税金使って遊んでるんじゃねーよ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253480)、
適菜収 それでもバカとは戦え/欺瞞を重ねる安倍首相の「2020年の新憲法施行」に終止符を】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253600)。
東京新聞の桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】平和的生存権は抽象的か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019051302000146.html)。

 《飛ばないF35とか買ってんじゃねーよ。友達に学校作ってあげるとか、自民党2019プロジェクトとか、税金使って遊んでるんじゃねーよ。太郎ちゃんによれば、20歳から64歳までの女性の一人暮らし、3人に1人が貧困。この国の子どもたち約7人に1人が貧困》。
 《9条に自衛隊を明記し「違憲論争に終止符を打つ」とのことだが、終止符を打たなければならないのはこのデタラメな政権だ…戦後の欺瞞に欺瞞を積み重ね、憲法の意味すらぶち壊すということ。…要するにこの時点で日本は法治国家から人治国家へ転落していたのだ》
 《本当に平和とは抽象的概念なのか。いったん戦争状態になれば、多くの犠牲者が出て、生々しい悲劇が生まれる。原告はそれを恐れ、集団的自衛権の行使を認めた安保法制を「違憲だと訴えているのだ…戦争になれば、人権も社会権も吹き飛んでしまう。だから、平和的生存権を憲法前文に記し、具体的に戦争放棄の九条などを定めているのではなかろうか》。

   『●壊憲…「緊急事態という口実で、憲法が破壊される恐れが…
                 ヒトラーは非常事態を乱用して独裁を築いた」
   『●壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、
                   そして、緊急事態条項を絶対に許してはダメ
   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、
      戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇り》
   『●《歴史に名前》? 憲法99条無視な違憲な壊憲…
      《この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》はずのアベ様が…
   『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…
     《そんな時代にしてはならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら

 (桐山桂一さん)《いったん戦争状態になれば、多くの犠牲者が出て、生々しい悲劇が生まれる。…戦争になれば、人権も社会権も吹き飛んでしまう。だから、平和的生存権を憲法前文に記し、具体的に戦争放棄の九条などを定めている》というのに、いまや《戦争が廊下の奥に立つてゐた》状態ですよ…自公お維を支える「1/4と2/4」の皆さん、正気ですか? 『憲法くん』の誇りを踏みにじるアベ様ら。適菜収さんは《9条に自衛隊を明記し「違憲論争に終止符を打つ」とのことだが、終止符を打たなければならないのはこのデタラメな政権だ》と言います。全くの同感。

 東京新聞の社説【週のはじめに考える 国会よ、忘れては困る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019051202000138.html)によると、《国会は後半論戦に入りましたが、重要な問題が置き去りです。いまだ原因が分からない国の統計不正問題です。このまま放置されていいはずはありません。統計制度を支える専門家の気概を感じる動きがインドでありました。現地報道では一月、統計機関幹部が辞任した。辞任は、失業率上昇を示すとみられるデータの公表を政権が遅らせていることへの抗議だといいます。今は総選挙の真っ最中です。雇用創出を訴え政権に就いたモディ首相にとっては不利になる統計のようです。国民に必要な統計情報なら時の政権とも対峙(たいじ)して公表を求める日本は統計制度へのこうした誇り失っていないでしょうか》。
 《統計は社会映す「鏡」》…とんだ粉飾された美しい国

   『●毎勤統計改竄…《5年分の賃金上昇を
     たった1年で達成するという凄まじいインチキです》(明石順平さん)
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談:
     《安倍政権の言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談:
     《安倍政権の言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 国は独裁者にどんどんと壊され、要党自公・癒党お維の委員は腐敗し、報道は委縮、「1/4と2/4」の皆さんはアベ様に躾けられ、そして、戦争法では、またしても、司法の堕落。《「『平和のうちに生存する権利』が具体的な権利として保障されているものと解することはできない」 判決文を見て、絶句した》! 最「低」裁まで行ったとしても、希望薄。

   『●マスコミはアベ様独裁に味方し、「1/4と2/4」の皆さんは
                アベ様に躾けられ…そして現実の社会は…?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253480

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
太郎ちゃんの言う通り! 税金使って遊んでるんじゃねーよ
2019/05/10 06:00

     (山本太郎・れいわ新選組代表(C)日刊ゲンダイ)

「あなたの生活が苦しいこと、あなたのせいにされてんです。あなたが頑張らなかったとか、努力が足らなかったとか。その前に、国の努力が全くないじゃないか。」(山本太郎・れいわ新選組代表)

 これは山本太郎ちゃんが、4月30日JR大阪御堂筋で行った演説の中の言葉。

 太郎ちゃんには演説をすると、その姿を拡散するファンがおる。太郎ちゃん大好きのあたしは嬉しい。このところの太郎ちゃんは、まるで若い頃のジェレミー・コービン。ほんとうにあたしたちの代表って気がする。

 それにしても、太郎ちゃんのいう通りだと思わないか?

 飛ばないF35とか買ってんじゃねーよ友達に学校作ってあげるとか、自民党2019プロジェクトとか、税金使って遊んでるんじゃねーよ

 太郎ちゃんによれば、20歳から64歳までの女性の一人暮らし、3人に1人が貧困この国の子どもたち約7人に1人が貧困

 太郎ちゃんはつづける。

賃金の統計、インチキしてる暇あったら、さっさと、やるべき仕事やれよ! って話なんですよ。なんか経済が良くなったとか、賃金が上がったみたいな小細工せんと、さっさと金出せよって話なんですよ!」

 太郎ちゃんは、今の政治に足りないのは、あたしたち国民をおもんばかる気持ちだという。

 だよねぇ、あたしもあの人たちからおもんばかられた記憶がないわい。便利なATMの1つとして認識されている、そう感じるけど。

 太郎ちゃんは王道をそのまま突き進んで! あたしも太郎ちゃんが危惧するおなじ理由から動き出すことにしましたよ。

 月に一回、困っている人たちに寄付するため、小沢遼子さんと戦慄かなのちゃんとイベントを開くことにしました。詳しくは、あたしのTwitterを見てちょ。そこからイベントサイトへいけるようになっています。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253600

適菜収
それでもバカとは戦え
欺瞞を重ねる安倍首相の「2020年の新憲法施行」に終止符を
2019/05/11 06:00

     (憲法改正派集会に寄せられた、安倍首相のビデオメッセージ(C)共同通信社)

 憲法記念日に開かれた日本会議系の改憲集会に安倍晋三がビデオメッセージを送り、「2020年の新憲法施行」への意欲を表明したそうな。9条に自衛隊を明記し違憲論争に終止符を打つとのことだが、終止符を打たなければならないのはこのデタラメな政権だ

 9条の1項(戦争の放棄)、2項(戦力の不保持と交戦権の否認)をそのままにして自衛隊の存在を明記するということは、戦後の欺瞞に欺瞞を積み重ね、憲法の意味すらぶち壊すということ。これは改憲派が積み上げてきたロジックとも百八十度異なる。安倍は産経新聞(3日付)のインタビューで「平成29年の衆院選で自民党は自衛隊明記を真正面から公約に掲げ、国民の審判を仰ぎました」「(憲法改正は)結党以来の党是」(実際は自主憲法制定)などと嘘、デタラメを並べ立てていたが、官邸はおかしな勢力に完全に乗っ取られたようだ

 先日、野党5党が集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法を廃止するための法案を参院に共同提出した(4月22日)。これは当然。この問題の本質は、集団的自衛権を現行憲法の枠内で通せるか否かだ。集団的自衛権とは「ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第三国が協力して共同で防衛を行う権利」であり、憲法を読めば通せないことは自明だ。仮に憲法との整合性の問題がクリアできたとしても、集団的自衛権の行使が国益につながるかどうかは別である。国益につながるなら、議論を継続し、正当な手続きを経た上で、法案を通せばいいだけの話。

 ところが安倍は、仲間を集めてつくった有識者懇談会でお膳立てしてもらってから閣議決定し、「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にない」「自衛隊のリスクが下がる」などとデマを流し法制局長官の首をすげ替えアメリカで勝手に約束し、最後に国会に諮り強行採決した。当時、産経新聞は「急ぐ必要があるのだから仕方ない」と書いていた。しまいには首相補佐官の礒崎陽輔が「法的安定性は関係ない」と言い出した。

 要するにこの時点で日本は法治国家から人治国家へ転落していたのだ。安倍は改憲による一院制の導入も唱えている。この際、右も左も保守も革新も護憲派も改憲派も関係ない日本人ならタッグを組み、カルトによる危険な改憲を阻止すべき
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019051302000146.html

【私説・論説室から】
平和的生存権は抽象的か
2019年5月13日

 「『平和のうちに生存する権利』が具体的な権利として保障されているものと解することはできない

 判決文を見て、絶句した。先月下旬にあった安全保障法制違憲訴訟判決で、札幌地裁が書いた言葉だ。日本国憲法前文にある平和的生存権の否定にも思われたのである。

 「平和は理念ないし目的としての抽象的概念」とも述べたが、酷似の表現は、一九八九年の百里基地訴訟の最高裁判決にもある。本当に平和とは抽象的概念なのかいったん戦争状態になれば、多くの犠牲者が出て、生々しい悲劇が生まれる。原告はそれを恐れ、集団的自衛権の行使を認めた安保法制を「違憲だと訴えているのだ。「平和は抽象的」と考えるのは、むしろ現実的でないと思う。

 集団的自衛権については「憲法上、認められない」と歴代内閣が言ってきた。それをひっくり返してできた法律だ。明白な矛盾だから「違憲だ」と司法判断を求めたのだ。

 近現代の憲法はまず第一に基本的人権を装備する。第二に社会権を装備する。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」や教育を受ける権利労働基本権などだ。第三に平和的生存権が装備されると考えられる。

 戦争になれば、人権も社会権も吹き飛んでしまう。だから、平和的生存権を憲法前文に記し、具体的に戦争放棄の九条などを定めているのではなかろうか。 (桐山桂一
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●「忌野清志郎が示す進むべき道」=「戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう」

2017年05月22日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>忌野清志郎が示す進むべき道】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-491192.html)。

   『●これが民意なの?
    《「地震の後には戦争がやってくる軍隊を持ちたい政治家が
     TVででかい事を言い始めてる国民をバカにして戦争にかり立てる
     自分は安全なところで偉そうにしてるだけ
」。昔、有名なロック歌手が
     そう書いていた▼「日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を
     持つべきだ」という題名でつづったのは、四年前に亡くなった
     忌野清志郎さん。雑誌で連載していたエッセーをまとめた
     『瀕死(ひんし)の双六(すごろく)問屋』(小学館文庫)に収録されている》

   『●室井佑月さん:アベ様に「マスコミは甘すぎやしないか?…
              いっそう乱暴になるし、国民の知る権利が妨害」
   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
       「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
    《【今日が命日…忌野清志郎の「表現の自由を奪う圧力」との闘い、
     そして憲法9条への美しすぎるメッセージ】
     (http://lite-ra.com/2016/05/post-2205.html)》

   『●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を
               …永久に放棄した日本の役割」を見失っている

 《今も支持され続けているミュージシャンの忌野清志郎さんは、8年前の5月に他界した。彼は「この国の憲法9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?」という言葉を残している…▼日本は何を目指しているのか。忌野さんは「戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう」と説いた。彼こそ明確に進むべき道を示している》。

 (岸井成格さん、『サンデーモーニング』2017年5月7日)「どんどん好機到来…危機を煽れば何でもできる」、とデンデン王国「裸の王様」は思っているらしい。
 「機は熟した」? 「国民的な議論に値する」? 「我が軍」をつくり、アベ様は《「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」》したい、が本音ではないのか? 
 民意なき(と、ブログ主は信じたい、内閣支持率が5割を超える異常下でも…)、アベ様の壊憲の「道」は破滅へと繋がる。《忌野清志郎が示す進むべき道》から、大きく踏み外していることに、市民は気付い欲しいけれども…。《彼こそ明確に進むべき道を示して》くれているというのに。
 
   『●争点は「壊憲」: 「ト」な自民党改憲草案は
      「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」
    《それは、自民党の憲法改正草案とはずばり「国民主権、平和主義、
     基本的人権の尊重」の3つをことごとく否定する中身だからだ
      先日発売された自民党改憲草案の批判本『あたらしい憲法草案のはなし』
     (太郎次郎社エディタス)は、〈憲法草案、すなわちあたらしい憲法の三原則〉
     について、その本質をこう指摘している。
      〈一、国民主権の縮小
       一、戦争放棄の放棄
       一、基本的人権の制限〉》

   『●「憲法九条…戦争放棄はGHQの指示ではなく、
       当時の幣原喜重郎首相の発意だったとの説が有力」
   『●花森安治さんの「「武器を捨てよう」は
      憲法押し付け論を批判し、9条の意義を説く一編」
   『●壊憲派の沈黙、押しつけ憲法論という思考停止: 
       「二項も含めて幣原提案とみるのが正しいのではないか」
   『●「ト」な自民党改憲草案の押し付け…
     押し付けられた「押し付け憲法論は、賢明なる先人に対する冒涜」
   『●壊憲…「緊急事態という口実で、憲法が破壊される恐れが…
                  ヒトラーは非常事態を乱用して独裁を築いた」
   『●壊憲反対の不断の声を:  
     「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」
   『●「ト」な自民党壊憲草案の「新たな三原則」…
      「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」
   『●「ト」な《党の公式文書》自民党壊憲草案… 
      「言論の府」で議論する価値など全く無し、を自ら認めた?
   『「環境権」を「お試し壊憲」に悪用しつつ、
     一方で、畏敬の念も無く、何の躊躇もなく「海を殺す」人達の愚

   『●答えは「壊憲にNo!」。代案・対案など不要。
       自公の「お試し壊憲」になど、絶対に与してはイケナイ!


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http://ryukyushimpo.jp/column/entry-491192.html

<金口木舌>忌野清志郎が示す進むべき道
2017年5月7日 06:00

 今も支持され続けているミュージシャンの忌野清志郎さんは、8年前の5月に他界した。彼は「この国の憲法9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?」という言葉を残している

▼平和を希求する「イマジン」を歌ったレノンさん。かっこいい9条に、安倍晋三首相は自衛隊の存在を明記し、2020年に施行する方針を示した。「戦争の放棄」「戦力の不保持」をうたった9条に、自衛隊をどう位置付けるのか

▼折しも憲法違反と批判を受けた安保関連法に基づき、海上自衛隊の護衛艦が米補給艦を防護する「武器等防護」が太平洋で実施された。政府は新任務の実績づくりを進める

▼去る大戦で、日本軍の被害を受けたアジアの人たちに今の動きはどう映るだろうか。改憲は日本だけの問題ではなく、アジア各国も注視する国際問題でもある

▼終戦から7年後、作家の坂口安吾さんは「拙者は戦争はしませんというのは、この1条に限って全く世界一の憲法」と記した。さらに「軍備や戦争を捨てたって、1等国にも2等国にも3等国にも立身するはずはないが、軍備や戦争を捨てない国は永久に1等国にも2等国にもなるはずがない」とも

▼日本は何を目指しているのか。忌野さんは「戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう」と説いた。彼こそ明確に進むべき道を示している
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●砂川判決という言い訳、再び: アベ様は、じい様さえ「ウソツキ呼ばわり」したようなもの!?

2015年06月15日 00時00分18秒 | Weblog


東京新聞の記事【安保法案 根拠乏しき「合憲」 政府見解「砂川判決」を拡大解釈】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015061090071427.html)。
nikkan-gendaiの二つの記事【安倍政権が完全“居直り” 安保法案「合憲」見解を野党に提示】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160611)と、
【最高裁判決「合憲」根拠も…一票の格差判決スルーする自民党】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160649)。

 「自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と「軌を一にする」と指摘」。
 また、砂川判決という言い訳話の蒸し返しかい!? 1959年以降の長きに渡る議論を無視するつもり? 風が吹けば桶屋が儲かるといった雑な論理で壊憲していいのか。憲法学者は売られたケンカを買うべきだ!!

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                   ~世界の笑いものにならないために~

     「【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014041190070021.html
      集団的自衛権「砂川が根拠」 首相、歴代の議論無視
       2014年4月11日 07時00分
         安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の
       行使を容認するため、一九五九年の最高裁による
       砂川事件判決を根拠にする考えを相次いで示している

       しかし、この判決は五十五年前のもの。歴代政権は
       判決を踏まえた上で、集団的自衛権の行使は
       「憲法上許されない」とした政府見解を三十三年前に定め、
       維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の
       考えを加えて解釈改憲に利用しようとしている

       この判決の無効を求める動きまであり、憲法解釈の
       根拠とすることの正当性も揺らいでいる。 
       (金杉貴雄、新開浩)」

   『●砂川事件: 「三権の長でありながら米国の干渉を
             受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」

 「どうやら、本気で全ての学者を敵に回す気らしい。・・・自民党も法案の合憲性を主張する文書を所属議員に配布。政府・与党ともに立憲主義を無視して、完全に開き直っている」。
 「これぞ「ご都合主義」だ。衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者がそろって「戦争法案」を「違憲」と切り捨てた事態・・・・・・党内で「合憲」とする文書を配った。根拠としているのは、1959年の最高裁の砂川事件判決である」。
 「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)は完全に壊れている。しかも、「違憲状態」下で選出された議員が壊憲へ驀進。「最高裁に「違憲状態」とダメ出しされている“失格議員”たちに、これ以上、好き勝手させてはならない」。

   『●アベ様の失政: 「違憲状態」下で選出された議員が
            この2年間、壊憲へ驀進、そして、またしても・・

   『●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)から出てくる「戦争法案」:
                        国会や憲法学者の存立危機事態


 最後に、東京新聞の記事【安保法制 説得力欠く「合憲」見解】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015061102000160.html)によると、「砂川判決」・・・・・・この判決後、岸信介首相は集団的自衛権の行使について「自国と密接な関係にある他国が侵略された場合、自国が侵害されたと同じような立場から他国に出かけて防衛することは憲法においてできないことは当然」(六〇年二月十日、参院本会議)と述べている。砂川判決が行使を認めた自衛権に、集団的自衛権が含まれていないことは明らかではないのか」。
 つまり、1959年以降の議論を無視するとともに、アベ様は自分の祖父の答弁をも無視するつもりのようです。じい様を「ウソツキ呼ばわり」しているに等しいアベ様

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015061090071427.html

安保法案 根拠乏しき「合憲」 政府見解「砂川判決」を拡大解釈
2015年6月10日 07時14分

 政府は九日、衆院憲法審査会で憲法学者三人が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を「違憲」と批判したことに対し、合憲と反論する見解を野党側に示した。自国防衛に目的を限った集団的自衛権の行使容認は、日本が攻撃された場合のみ武力行使を認めた従来の憲法解釈の「基本的な論理」を維持し、「論理的整合性は保たれている」と結論づけた。野党側は見解には説得力がないとして、国会で追及する方針。

 見解は、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法九条の下でも「自国の存立を全うするため、必要な自衛の措置を取ることを禁じているとは到底解されない」という従来の政府解釈に言及。自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と「軌を一にする」と指摘した。その上で、国民の生命や幸福追求の権利を根底から覆す事態は日本が直接攻撃された場合に限られていたが、軍事技術の進展などで、他国への武力攻撃で「わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る」との認識に改めたと表明。集団的自衛権の行使は「自衛の措置として一部、限定された場合に認めるにとどまる」ため、これまでの政府見解との整合性は保たれていると主張した。

 一方、「いかなる事態にも備えておく」との理由から、集団的自衛権行使の要件に「ある程度抽象的な表現が用いられることは避けられない」と認めた。

 安倍晋三首相は八日、ドイツでの内外記者会見で「違憲立法」との批判に対し、法案を合憲とする根拠に砂川判決を挙げ「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」と反論した。

 ◇

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を中心とした安全保障関連法案が多数の憲法学者から憲法違反と批判されていることに対し、政府が九日に野党に示した見解は最高裁の砂川事件判決(一九五九年)を挙げて、法案が合憲だと主張した。砂川判決とはどんなものか。 (金杉貴雄、西田義洋)


 Q 砂川事件とは。

 A 六十年も前の在日米軍基地の反対運動をめぐる事件だ。東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に入り、七人が日米安保条約に基づく刑事特別法違反罪で起訴された。


 Q 現在の集団的自衛権の行使容認をめぐる議論とどう関係するのか。

 A 「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した一審の東京地裁判決(伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決)を破棄した最高裁判決が首相が指摘する「砂川判決」だ。
 (1)憲法は固有の自衛権を否定していない(2)国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない(3)だから日本を守る駐留米軍は違憲ではない(4)安保条約のような高度な政治性を持つ案件は裁判所の判断になじまない-がポイント。首相らは「自衛権」や「自衛の措置」に集団的自衛権の行使も含まれると主張し始めた


 Q 争点は何だったの。

 A 日本を守るために外国の軍隊を国内に配備することが「戦力の不保持」をうたう憲法九条二項に反しないかが最大の争点だった。伊達判決が駐留米軍を「戦力」とみなして違憲としたのに対し、最高裁判決は「指揮権、管理権なき外国軍隊は戦力に該当しない」と判断した。日本が集団的自衛権を行使できるのかという問題は裁判ではまったく議論されず、判決も触れていない


 Q 判決は、日本が行使できるのは個別的自衛権だけとも書いていない。

 A それは確かだ。それでも歴代政府は判決を踏まえて国会答弁や政府見解を積み重ね一九七二年の政府見解では「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確にし、四十年以上維持されてきた。安倍政権がそれ以前の砂川判決を引っ張り出し「集団的自衛権の行使も許される」と言い始めたことに、憲法学者が相次いで「論理に無理がある」と批判している。


 Q 砂川判決の経緯も疑問視されているとか。

 A 近年の研究で、当時の裁判長の田中耕太郎最高裁長官(故人)が判決前に、一審判決を破棄すると米側に伝えたことが判明し、司法が中立性を損なっていたと批判されている。

(東京新聞)
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160611

安倍政権が完全“居直り” 安保法案「合憲」見解を野党に提示
2015年6月10日

     (会期内採決は断念したが…(C)日刊ゲンダイ)

 どうやら、本気で全ての学者を敵に回す気らしい

 安倍政権は9日、安全保障関連法案は憲法違反にあたらないとする見解を見解を文書で野党に提示した。衆院憲法審査会で憲法学者が安保法案を「違憲」と指摘したのに反論する内容で、自民党も法案の合憲性を主張する文書を所属議員に配布。政府・与党ともに立憲主義を無視して、完全に開き直っている

 居直りの極め付きが、安倍首相である。8日もドイツ・エルマウサミット閉幕後の会見で、安保法案について「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない。世界に類を見ない非常に厳しい武力行使の新3要件の下、限定的に(集団的自衛権を)行使する」と語った。

 本人は違憲性を否定したつもりでいるが、いくら「世界に類を見ない厳しさ」だろうが、「限定的」だろうが、海外での武力行使につながる集団的自衛権そのものを、憲法学者たちは「違憲だ」とノーをつきつけているのである

 憲法学者からの「違憲」指弾と安倍首相のヤジ問題で、政府・与党は安保法案の今国会会期末(24日)までの衆院通過を断念する方針を固めた。安倍政権の居直りは先行きの不透明さへの焦りの表れだ。これだけ敵失が重なった以上、野党は世紀の悪法を廃案に追い込まなければウソだ。
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160649

最高裁判決「合憲」根拠も…一票の格差判決スルーする自民党
2015年6月10日

     (まずは衆院選をやり直すべき(C)日刊ゲンダイ)

 これぞ「ご都合主義」だ。衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者がそろって「戦争法案」を「違憲」と切り捨てた事態を受け、火消しに躍起になっている自民党。9日に提示された政府見解の前も、党内で「合憲」とする文書を配った。根拠としているのは、1959年の最高裁の砂川事件判決である。

 安倍首相もG7首脳会議サミット後の会見で、「最高裁判決に沿ったものであるのは明白」なんて威張っていたが、ちょっと待て。最高裁判決を「錦の御旗」に掲げるなら、その最高裁が繰り返し「違憲状態」として是正を求めている衆参の一票の格差判決に対し、安倍首相や自民党はなぜダンマリなのか

   「最高裁は10年、13年の参院選を『違憲状態』と断じ、
    このまま改善されない場合、来夏の参院選は
    『違憲・当選無効』の判決が出る可能性もあります。
    本来は今国会中で格差是正のための公選法改正案を
    成立させる必要があるのに、何も進展していません
    自民党なんて、是正どころか、現行制度を正当化する
    ために『少なくとも1人を各都道府県から選ぶ』なんて
    デタラメな条文を党の憲法改正草案に加えることを
    ブチ上げました。戦争法案をめぐって、中谷防衛相が
    『法案に合わせて憲法を解釈するべき』と発言した
    のと同じ発想です」(司法記者)

 自民党は9日も、参院選挙区の隣接20選挙区を10に統合する公明党の「合区案」を拒否。与党協議の決裂は決定的となったが、それこそ“オレ様”の安倍首相が本領を発揮し、「戦争法案」のように「最高裁判決に従え」と言えば済む話だ。「一票の格差訴訟」に取り組んでいる日比谷パーク法律事務所代表の久保利英明弁護士はこう言う。

   「最高裁の砂川事件判決を重視するなら、
    その最高裁の判決に従って、まずは『1人1票』の
    下で衆参選挙をやり直すべきです。その上で
    過半数の議席を確保し、堂々と憲法改正の議論を
    やればいい。(自民党案の)都道府県ごとになんて、
    憲法のどこにも書いてありませんよ。
    今の安倍政権や自民党にはあまりに常識が
    欠落
しています」

 最高裁に「違憲状態」とダメ出しされている“失格議員”たちに、これ以上、好き勝手させてはならない
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●「戦争法案」: 「戦争できる国」、番犬様の国のために「戦争したい国」・・・主権者は誰か?

2015年05月17日 00時00分15秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【「戦える国」 是非は国会に 安保法案 閣議決定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051502000133.html)、
【問われる国民主権 政治部長・金井辰樹】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051502000132.html)。

 「政府は十四日午後、臨時閣議を開き、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案を決定・・・・・・安保法案全体を「平和安全法制」と呼び、「戦争法案」との批判に「無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」と反論」。
 「平和」や「安全」なんてラベルが貼れる訳がない。火に油を注ぐようなことをするのに、抑止力とはね・・・・・・マッチポンプとなることは明確。

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」

   『●「「ああ、安倍談話さえなかったら!」を心配する」:
           「ケンカを売り」「火に油を注ぎ」そうな雰囲気


 そんな「内」部でこそこそ話し合わず、また、ダラシナイ「マスコミ」とヤラセのような質疑などやらずに、アベ様は「外」に出てきて市民に説明してみては如何か? 国会の周辺で何が起きているのか見えていないでしょ?

   『●戦争に油を注ぎ、番犬様の片棒を担げば、
           「非戦闘地域」「後方支援」は何の保証にもならない

   『●福島瑞穂氏への「絶対権力」者の横暴と狭量:
       「自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない」

 言うに事欠いて「平和安全法制」って、「デマ」そのもの。「息吐く様に嘘つく」「ネット右翼の書き込みと大差なし」。「戦争できる国法案」「戦争したい法案」である。しかも、番犬様の飼い主である米国のために「戦争したい」とシッポを振る情けなさ。真の「右翼」の方々は何も思わないんですかね? 「平和憲法」「平和主義」の「へ」の字もない。

   『●続・「首相はくず」とは言っていないけれど、
      「息吐く様に嘘つく」「ネット右翼の書き込みと大差なし」


 「憲法九条は、戦争を永久に放棄し、戦力の不保持をうたう。「戦わない」国になると宣言した」にもかかわらずのアベ様のあまりに酷い暴走ぶり。最も気に食わないこと、それはアベ様の暴走を支える自公支持者・投票者、そして、「眠り猫」の皆さん。

   『●衆院選の酷い結果: 
       本当に、「「眠り猫」は眠っているように見えて実は起きている」のか?
   『●あざとい「“味見”」・お試し壊憲=「憲法の自殺」:
           「小さく産んで」、九条壊憲へと「大きく育てる」

   『●壊憲: 「憲法を「変えない」という重み」と
       「「政治家が「戦争のできる国」を志向し、その言葉の軽さ」

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051502000133.html

「戦える国」 是非は国会に 安保法案 閣議決定
2015年5月15日 朝刊

     (安保関連法案の閣議決定に反対してデモ行進する女性たち
      =14日、東京・銀座で(木口慎子撮影))

 政府は十四日午後、臨時閣議を開き、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案を決定した。歴代政権が憲法で禁じられていると解釈してきた集団的自衛権の行使を可能にする法案の閣議決定により、「専守防衛」の安保政策は戦後七十年で転換点を迎えた。政府は十五日に安保法案を衆院に提出する。安倍晋三首相は閣議決定後に記者会見し、今夏までの成立を目指す考えを重ねて表明した。

 首相は会見で、北朝鮮の弾道ミサイル開発を例に安全保障環境が厳しさを増しているとし、「あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う」と強調。安保法案全体を「平和安全法制」と呼び、「戦争法案」との批判に「無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」と反論した。

 安保法案は十本の現行法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と、他国軍の戦闘を支援するために自衛隊を随時派遣できるようにする新法「国際平和支援法案」の二本。平時から有事まで、自衛隊の活動を大幅に拡大させる。

 一括法案のうち武力攻撃事態法改正案は、他国への攻撃で日本の存立が脅かされる「存立危機事態」と政府が判断すれば、日本が攻撃を受けなくても、海外で集団的自衛権に基づく武力行使ができると定めた。

 日本周辺の有事に対応する米軍への支援を定めた周辺事態法から地理的制約を撤廃する「重要影響事態安全確保法案」では、米国以外の他国軍支援や弾薬提供を新たに認める。国際平和支援法案は、日本の安全に直接の影響がない場合に対応し、国連決議に沿って軍事行動する他国軍を支援できるようにする。

 与党は六月二十四日までの今国会の会期を大幅に延長し、法案の成立を図る方針。法案を連日審議できる特別委員会を今月十九日に衆院に設置し、二十一日の本会議で審議入りする日程を十四日に野党に提案した。野党側は準備時間の確保を理由に早期の審議入りに難色を示した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051502000132.html

問われる国民主権 政治部長・金井辰樹
2015年5月15日 朝刊

 安倍内閣が、他国を武力で守る集団的自衛権を使えるようにする安全保障関連法案を閣議決定した。憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるように内閣が初めて決めたのは昨年七月。以来、十カ月半の間に、政府・与党は一直線に法案をつくりあげた。この間、世論の反対は根強く、法案を今国会に急いで提出する必要はないとの意見は多数を占め続けたが、主権者である国民の声が反映されることはなかった

 憲法九条は、戦争を永久に放棄し、戦力の不保持をうたう「戦わない」国になると宣言した。

 条文を素直に読めば自衛隊の存在を認めることさえ難しい。二十三万人弱の自衛隊員を抱え五兆円近い防衛予算を毎年使う日本の現状は九条の枠を超えてしまったようにもみえる。そして自衛隊は、最近二十年あまりの間、なし崩し的に海外に派遣されてきた。

 それでも自衛隊は、一度も人に向けて発砲せず、一人も殺さず、一人の戦死者も出していない。日本は、戦後七十年間、戦争に加わらなかった。九条の縛りがあったからこそ「戦わない」一線がぎりぎりで守られてきた。

 閣議決定された法案に目を向けてみる。「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」があれば、他国のために武力行使できるようになる。「根底から」とか「明白な」という抽象的な言葉が並ぶ条文を読み、政権のさじ加減で海外での武力行使が決まってしまい、地球のどこでも「戦える国」になりはしないかと心配になる。

 法案は十五日、国会提出され、その是非は国会議員に委ねられる。「戦える国」に踏み出すか。九条の縛りの中で踏みとどまるか。国会の論戦は、変質する平和主義の行方を決める。これまで安保法制の議論から外されてきた国会の存在意義が問われる

 そして国会の議論では、国民主権そのものが問われる。主権とは、国のあり方を決める権力のこと。国会が主権者の考えと離れたことを決め、その結果、政権が「国のあり方」を思うままに変えられるようになれば、国民主権は形骸化してしまう。そのことを主権者である国民に選ばれた国会議員は忘れてはならない。私たち一人一人も、自分が主権者であることをしっかりと胸にとどめたい
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●ブレーキは無く、二つの「アクセル」な自公政権

2014年03月07日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞の三つの記事【首相、立憲主義を否定 解釈改憲「最高責任者は私」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014021302000135.html)、
【公明「ブレーキ役」大丈夫? 首相答弁 太田国交相「違和感ない」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014021302000147.html)、
【解釈改憲へ答弁先行 首相、政府見解の逸脱続ける】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014022002000132.html)。
gendai.netの記事【安倍首相は憲法解釈を変更できない】(http://gendai.net/articles/view/news/148147)。
nikkansports.comの記事【小沢氏ら「違憲国会の葬式」】(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20140223-1261563.html)。
琉球新報の記事【武器輸出提言 死の商人に成り下がるのか】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220074-storytopic-11.html)。
そしてもう一度、東京新聞の記事【首相の「解釈改憲」 立憲主義を破壊する】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014022802000158.html)。

 ブレーキが無いとよく言われるが、ハンドルも無く、自公政権にはアクセルしかない。公明党や「学会さん」にブレーキ役を期待しているようだが、無理に決まっている。「集団的自衛権の行使を容認するため憲法解釈の変更を目指す安倍晋三首相の国会答弁を認めるかどうか問われ「全て首相が答えていることに同意している。違和感はない」と述べた」・・・・・・。既に「第三自民党=公明党」は、本家自民党と一体化している。

 「憲法解釈に関する政府見解は整合性が求められ、歴代内閣は内閣法制局の議論の積み重ねを尊重してきた。首相の発言は、それを覆して自ら解釈改憲を進める考えを示したものだ。首相主導で解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法の立憲主義の否定になる」、「集団的自衛権の行使を認めるための憲法解釈の変更に向け、安倍晋三首相が従来の政府見解から逸脱した国会答弁を繰り返している・・今後、議論が本格化して世論の反発が強まる前に、首相は国会答弁で解釈改憲への地ならしを進めている」・・・・・・壊憲平和憲法が泣いている

 「議会制民主主義を否定・・・・・・安倍首相の周りにいるのは、国家を危うくする連中ばかりのようだ・・宗教団体を母体とし、庶民生活を第一に考えているはずの公明党も、そろそろ態度を改めてはどうか。いったい、どこまで右翼政権についていくつもりだろう。安倍政権が平和と福祉の看板にそぐわないのは明白ではないか」・・・・・・「「ボンクラ」「嘘つき」」につける薬なし。

 「違憲国会の葬式」が行われるほど、民主主義が瀕死の重傷。「第三自民党=公明党」がアクセルとして、トドメを刺そうとしている。

   『●民主主義が瀕死の重傷・・・・・・な一年
                  ~秘密隠蔽法成立と原発再稼働・輸出へと暴走~
   『●「与党公明党」: 平和を願っているらしい
                「学会さん」も「テロリスト」と呼ばれる日がいつか
   『●「平和憲法」が泣いている
   『●首相は産経や読売以外も読んでるのね!?:
                   「首相はくず」とは言っていないけれど・・・
   『●教育破壊: 「「ボンクラ」「嘘つき」」につける薬なし、
                      そして、「戦争絶滅受合法案」の制定を!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014021302000135.html

首相、立憲主義を否定 解釈改憲「最高責任者は私」
2014年2月13日 朝刊

 安倍晋三首相は十二日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更をめぐり「(政府の)最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と述べた。憲法解釈に関する政府見解は整合性が求められ、歴代内閣は内閣法制局の議論の積み重ねを尊重してきた。首相の発言は、それを覆して自ら解釈改憲を進める考えを示したものだ。首相主導で解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法の立憲主義の否定になる。 

 首相は集団的自衛権の行使容認に向けて検討を進めている政府の有識者会議について、「(内閣法制局の議論の)積み上げのままで行くなら、そもそも会議を作る必要はない」と指摘した。

 政府はこれまで、集団的自衛権の行使について、戦争放棄と戦力の不保持を定めた憲法九条から「許容された必要最小限の範囲を超える」と解釈し、一貫して禁じてきた。

 解釈改憲による行使容認に前向きとされる小松一郎内閣法制局長官も、昨年の臨時国会では「当否は個別的、具体的に検討されるべきもので、一概に答えるのは困難」と明言を避けていた。

 今年から検査入院している小松氏の事務代理を務める横畠裕介内閣法制次長も六日の参院予算委員会では「憲法で許されるとする根拠が見いだしがたく、政府は行使は憲法上許されないと解してきた」と従来の政府見解を説明した。

 ただ、この日は憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を認めることは可能との考えを示した。横畠氏は一般論として「従前の解釈を変更することが至当だとの結論が得られた場合には、変更することがおよそ許されないというものではない」と説明。「一般論というのは事項を限定していない。集団的自衛権の問題も一般論の射程内だ」と踏み込んだ。

 元内閣法制局長官の阪田雅裕弁護士は、首相の発言に「選挙で審判を受ければいいというのは、憲法を普通の政策と同じようにとらえている。憲法は国家権力を縛るものだという『立憲主義』の考え方が分かっていない」と批判した。

 横畠氏の答弁にも「憲法九条から集団的自衛権を行使できると論理的には導けず、憲法解釈は変えられないというのが政府のスタンスだ。(従来の見解と)整合性がない」と指摘した。

立憲主義> 国家の役割は個人の権利や自由の保障にあると定義した上で、憲法によって国家権力の行動を厳格に制約するという考え日本国憲法の基本原理と位置付けられている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014021302000147.html

公明「ブレーキ役」大丈夫? 首相答弁 太田国交相「違和感ない
2014年2月13日 朝刊

 公明党の太田昭宏国土交通相は十二日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使を容認するため憲法解釈の変更を目指す安倍晋三首相の国会答弁を認めるかどうか問われ「全て首相が答えていることに同意している。違和感はない」と述べた。公明党が行使容認に反対する方針は変わっていないが、閣内不一致との指摘を避けるための発言とみられる。 (清水俊介)

 公明党は、解釈改憲に突き進む安倍政権の「ブレーキ役」を自任している。特に、憲法解釈の変更を閣議決定する時、太田氏が内閣の方針に反対できるかが重要になる。

 民主党の大串博志氏は、改憲ではなく憲法解釈の変更により行使が可能と首相が五日の参院予算委で発言したことを取り上げ、太田氏に「首相の答弁に同意するか」と迫った。

 太田氏は「(政府の有識者懇談会の)報告が出た後に与党、国会で論議を深めることが重要だ」と答弁し、慎重な対応を求めた。

 しかし、大串氏から七回にわたって「同意するか」と追及され、「首相が答えていることに同意している」「違和感はない」と発言。首相の答弁などを容認したとも受け取れる答弁となった。

 公明党の山口那津男代表は、行使を認めないとする現行の憲法解釈を「長い間維持されてきたので法的な安定性を持っている」と評価し、変更には反対する考えを示している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014022002000132.html

解釈改憲へ答弁先行 首相、政府見解の逸脱続ける
2014年2月20日 朝刊

 集団的自衛権の行使を認めるための憲法解釈の変更に向け、安倍晋三首相が従来の政府見解から逸脱した国会答弁を繰り返している。行使容認は自衛隊の海外での武力行使に道を開き、日本の平和憲法に反すると、歴代政権は違憲と解釈してきた。首相は有識者会議の報告や、解釈変更に慎重な公明党との協議を経て、今国会中にも解釈改憲したい考え。今後、議論が本格化して世論の反発が強まる前に、首相は国会答弁で解釈改憲への地ならしを進めている。 (金杉貴雄、生島章弘)

 内閣法制局の角田礼次郎長官(当時)は一九八三年に衆院予算委員会で「集団的自衛権の行使は憲法改正でなければできない」と答弁。安倍首相の父・安倍晋太郎外相(当時)が「長官が述べた通りだ」と確認した。政府の統一的な見解を示す国会答弁は閣議決定する答弁書と同じような重みを持つ。歴代の政権は角田答弁を踏襲し、集団的自衛権の行使は違憲という解釈を示してきた。

 しかし、安倍首相は五日の参院予算委で、行使容認は「改憲でなくても解釈変更で可能だ」と、従来の政府見解と明らかに矛盾する答弁をした。十二日の衆院予算委では「最高の責任者は私だ」と答弁。選挙で勝てば憲法解釈を自由に変えられると受け取れる発言は、国民の自由や権利を守るため憲法で政府を縛る立憲主義の否定につながる。

 立憲主義についても、首相は三日の衆院予算委で「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考えだ」と、時代遅れの思想であるかのような考えを示した。一連の発言は失言でなく、首相の個人的な思いに基づく本心だ。

 明治大の西川伸一教授(政治学)は首相の答弁について「正面から改憲が難しいので解釈改憲を目指し、さらに政府見解ではない個人的信条を繰り返して外堀を埋め、既成事実にしようとするずるいやり方だ」と批判。首相の立憲主義のとらえ方も「権力は暴走するからこそ、それを縛る立憲主義が求められる。権力者が憲法解釈を自由に変えられるとの発言は暴論以外の何物でもない」と話す。
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http://gendai.net/articles/view/news/148147

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
安倍首相は憲法解釈を変更できない
2014年2月21日 掲載

議会制民主主義を否定

 安倍首相の周りにいるのは、国家を危うくする連中ばかりのようだ。グローバリズムに逆行し、自分たちの主張だけを押し通そうとする。その結果、国際社会で孤立しても構わない。そんな独善的なスタンスである。これが国益にかなうわけはない。

 安倍首相の盟友とされる衛藤晟一首相補佐官は、首相の靖国参拝に「失望」を表明した米国に対し、「むしろ我々の方が失望した」と言い放った。安倍首相の側近で自民党総裁特別補佐の萩生田光一衆院議員も、「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない」と米政府を批判している。さらに、首相の経済ブレーンとされる本田悦朗内閣官房参与まで、米紙のインタビューで靖国参拝を擁護。アベノミクスの狙いについて、「賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙(たいじ)できるようにするためだ、と語った」と報じられた。

 驚くような発言を繰り返すNHK幹部もそうだが、よくもまあこんな人たちを近くに配置したものだ。この政権は、明らかに強烈に右に向かっている。かつてないことで、恐るべき事態だ。

 首相本人も信じられない発言をしている。集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更をめぐり、「最高責任者は私だ」と強弁。閣議決定で解釈改憲すると明言した。

 何という思い上がりだろうか。首相は、国民へのサービスを実行する行政の最高責任者というだけである。そのやり方が憲法の枠内であるか、規定に従っているかについて、きちっと見極めるのは議会だ。主権者である国民が選んだ議員が判断する仕組みになっている。「オレが責任者だから解釈改憲していいんだ」という態度は、民主主義を否定する行為にほかならない。

 小生の地元の新聞は毎日、読者の川柳を掲載しているが、19日は「憲法を勝手に解釈する総理」で、20日は「中立の教育までも安倍の色」とあった。庶民は強い危機感を抱いているのだ。

 宗教団体を母体とし、庶民生活を第一に考えているはずの公明党も、そろそろ態度を改めてはどうか。いったい、どこまで右翼政権についていくつもりだろう。安倍政権が平和と福祉の看板にそぐわないのは明白ではないか。

 この国で求められているのは、国際社会と協調し、国民の利益を守り、伸ばしていく政治だ。右翼で固めた安倍政権には不可能なことである。

【高橋乗宣】
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http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20140223-1261563.html

小沢氏ら「違憲国会の葬式

      「国会の葬式」で、祭壇に手を合わせる生活の党の小沢一郎代表(中央)ら

 特定秘密保護法を成立させたのは国会の自殺行為だとして、小沢一郎生活の党代表や高知県出身の元国会議員らが22日、高知市の自由民権記念館で「違憲国会の葬式」と題する集会を開いた。1882年に明治政府による言論弾圧で、高知新聞と同名の新聞が発行禁止処分を受け、抵抗運動として「新聞の葬式」が開かれたのを模した試み。平野貞夫元参院議員が「秘密保護法成立は議会政治の自殺だ。行政権力が拡大解釈して運用でき、人間の生存権に干渉する」と「弔辞」を読み上げ、県内外から駆け付けた約150人が国会議事堂の写真を飾った祭壇に献花した。

 [2014年2月23日9時53分 紙面から]
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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-220074-storytopic-11.html

武器輸出提言 死の商人に成り下がるのか
2014年2月24日

 防衛産業でつくる経団連の防衛生産委員会が、事実上の禁輸政策だった武器輸出三原則を大幅に緩和すべきだとする提言をまとめた。安倍政権が進める三原則見直し作業に呼応した内容で、官民一体を演出し、武器輸出解禁に道を開く狙いがあるとみられる。
 しかしながら、国是である禁輸政策の大幅変更について、国民的コンセンサスは得られていない。戦後、日本が築き上げてきた平和国家の理念をかなぐり捨てる行為に加担し、ビジネス拡大の好機とばかりに安倍政権に擦り寄る産業界の姿は直視するに堪えない
 提言は、防衛装備品について他国との共同開発に限らず、国産品の輸出を広く認めるとともに、国際競争に勝ち抜くため、政府内に武器輸出を専門に扱う担当部局を設けるよう求めたのが特徴だ。
 背景には、防衛関係予算が頭打ちになる中、産業全体の弱体化に対する危機感があるとされる。経営の哲学も理念もなく、ビジネスや利益だけを追い求めるのであれば、ブラック企業と何がどう違うのだろうか。
 国際社会も、軍需に依存しないで平和国家として経済発展を遂げてきた日本が、人の命を顧みることなく、自らの利益だけをむさぼる「死の商人」に名乗りを上げたと理解するだろう。これを不名誉と思わないのか。
 共同通信社が22、23両日に実施した全国電話世論調査では、武器輸出三原則の緩和に反対するとの回答は66・8%に上り、賛成の25・7%を大きく上回った。
 国民の多くが、武器輸出解禁に否定的な見解を持っていることがあらためて明確になった。集団的自衛権の行使容認論など右傾化を強める安倍政権に対し、国民の懸念が強いことの表れでもあろう。
 三原則については、国是を骨抜きにするような例外措置がなし崩し的に繰り返されている。政府は昨年3月、最新鋭ステルス戦闘機F35の部品製造に日本企業が参入することを容認。同12月には南スーダンで国連平和維持活動(PKO)を展開する韓国軍に国連を通じて自衛隊の銃弾1万発を提供した。他国軍への弾薬提供は戦後初めてだった。
 三原則が形骸化しつつあるのは由々しき問題だ。安倍政権は今こそ国民の声に真摯(しんし)に耳を傾け、平和国家を象徴する三原則をしっかりと堅持すべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014022802000158.html

首相の「解釈改憲」 立憲主義を破壊する
2014年2月28日

 安倍晋三首相は「解釈改憲」をし、閣議決定すると述べた。集団的自衛権の行使容認のためだ。政権が自由に解釈を改変するなら、憲法の破壊に等しい

 フランスの哲学者モンテスキュー(一六八九~一七五五年)は、名高い「法の精神」の中で、こう記している。

 「権力をもつ者がすべてそれを濫用しがちだということは、永遠の経験の示すところである」

 権力とはそのような性質を持つため、非行をさせないようにあらかじめ憲法という「鎖」で縛っておく必要がある。それを「立憲主義」という


国家権力の制限が目的

 政治も憲法が定める範囲内で行われなければならない。先進国の憲法は、どこも立憲主義の原則を採っている。

 安倍首相はこの原則について、「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考え方だ」と述べ続けている。明らかに近代立憲主義を無視している。

 若手弁護士がバレンタインデーにチョコレートと故・芦部信喜東大名誉教授の「憲法」(岩波書店)を首相に郵送した。憲法学の教科書は「近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とする」と書いている。

 とくに集団的自衛権の行使容認に踏み切る憲法解釈の首相発言が要注意だ。日本と密接な外国への武力攻撃を、日本が直接攻撃されていないのに、実力で阻止する権利のことだ。だが、平和主義を持つ憲法九条がこれを阻んできた。首相はこう語った。

 「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける。審判を受けるのは法制局長官ではない、私だ」「(解釈改憲を)閣議決定し、国会で議論する」


自ら「鎖」を解くのか

 仮に首相が何でも決められる責任者だと考えているなら、著しい議会軽視である。しかも、閣議決定は強い拘束力を持つ。

 憲法という「鎖」で縛られている権力が、自ら縛りを解いて憲法解釈を変更するのか。しかも、選挙で国民の審判を仰げば、済むのか…。こんな論法がまかり通れば、時々の政権の考え方次第で、自由に憲法解釈を変えることができることになる。権力の乱用を防ぐ憲法を一般の法律と同じだと誤解している。やはり立憲主義の無視なのか。

 憲法九条で許される自衛権は、自国を守るための必要最小限の範囲である。「集団的自衛権はこの範囲を超える」と、従来の政府は一貫した立場だった。

 かつ、歴代の自民党内閣は解釈改憲という手法も否定してきた。集団的自衛権の憲法解釈を変更することに「自由にこれを変更するということができるような性質のものではない」(一九九六年)。「仮に集団的自衛権の行使を憲法上認めたいという考え方であれば、憲法改正という手段を当然とらざるを得ない」(八三年)などの政府答弁が裏付けている。

 元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は講演で「六十年間、風雪に耐え、磨き上げられてきた相当に厳しい解釈だ」と述べている。

 集団的自衛権行使を認めると、海外で自衛隊が武力を行使できることになる。実質的に憲法九条は空文化し、憲法改正と同じ意味を持ってしまう。

 阪田氏は解釈改憲の手法を「大変不当だ。法治国家の大原則に違反する」とも語っている。「そんなことが許されるなら立法府はいらない」「一内閣のよくわからない理屈で解釈変更するのは、法治国家の根幹にかかわる」という厳しい批判だ。

 政権によって自由に憲法の読み方が変わるというのでは、最高法規が不安定になるではないか。解釈改憲は、憲法の枠を超越する、あざとい手段といえる。

 「選挙で審判を受ける」という論理も飛躍している。選挙公約には、国民生活などにかかわる“フルコース”の政策メニューが掲げられる。

 選挙で勝ったからといって、解釈改憲という重大問題について、首相にフリーハンドを与えるわけではない。

 そもそも憲法九九条には「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ(う)」と定められている。首相は本来、現行憲法を尊重し、守らねばならない立場である。


多数者支配を許すな

 “芦部憲法”はこうも書く。

 <民主主義は、単に多数者支配の政治を意味せず、実をともなった立憲民主主義でなければならないのである

 多数者支配の政治が何でも勝手に決めてしまうならば、もはや非民主主義的である
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