Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

本「ソボちゃん」

2021-05-20 | 

 少し前に有𠮷玉青さんの「恋するフェルメール37作品への旅」というエッセイを読んだ。 「ソボちゃん」は、その時のオランダ旅行と思われる場面から始まっている。 玉青さんの祖母(秋津さん)と母(佐和子さん)はかつて父親の仕事の関係でインドネシア・ジャカルタ(当時はバタビアと言ったらしい)で暮らしていた。 インドネシアはオランダの植民地だった。 
 たまたま入ったレストランでインドネシア料理を食べ、帰り際お店のインドネシア人らしき女性から「ダー」と挨拶される。 「ダー」は「バイバイ」のこと。 祖母がいつも「ほら、ダーしなさい」と言っていたことを思い出します。 作家生活で多忙な母に代わり祖母に育てられた玉青さんは、いつか大好きな祖母の思い出の国、インドネシアを訪ねたいと強く願っておられそれがかない、この本を書かれたのでしょう。 私個人的には、退職の数年前ようこ姫さんと二人、ノリちゃんに連れられて初めて海外個人旅行に出かけたのが、インドネシア、バリ島だ。 ウブドやジョグジャカルタで「ジャランジャラン」とブラブラしながら1週間も過ごした懐かしい思い出がある。

 👇は、本の表紙。 「祖母と襖の落書きの前で。3歳頃」

 さて、この本を読むきっかけはもちろん「紀の川」である。 今、NHKラジオ第2「朗読の時間」で藤田美保子さんが読んでいる。 全50回、あと10回を残すばかりとなった。 和歌山県を流れる紀の川はゆったりと下りながら周りの川を取り込んでしまう、そんな川に例えられた女3代の長編小説である。 母、はなに反発し、新しい時代を歩もうとする娘文緒が「ソボちゃん」だと言うのが、なんか不思議で微笑ましい。 「紀の川」の中で、病気がちな、文緒の娘華子が佐和子さんです。 53歳で早逝するが、学生時代から書き始めて以来、数多くの小説、劇、ルポなどの問題作を書き、書き終えるごとに入院していた、と玉青さんは語っている。 彼女が留学中に母の訃報が届き、帰国し喪主を務めたそうだ。 

 従姉とのインドネシア旅行の最後は、バリ島だったようです。
 
「スラバヤへ、そしてバリへ あとがきにかえて」にこんな文章があります。

 ” 折々に強烈な印象を残した母に比べ、祖母との思い出は穏やかです。 教えられたことは滋養のように、内側から効いています。 その効力は、祖母が亡くなって半世紀が経とうとしている今なお、衰えることがありません。…”

 👇は、従姉の撮影による著者近影。インドネシア・ジャカルタにて。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿