5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

政治腐敗、日本は17位

2009-12-06 22:49:08 | Weblog
ニューヨークタイムズ(12月5日)の経済記事に「政治腐敗で名の知れた国」という小さなコラムを見つけた。

世界各国の政治腐敗防止の為の活動をするNGO、トランスパレンシー・インターナショナルが最近発表した世界の腐敗認識指数(CPI=Corruptions Index)について紹介した記事である。こんな指数があるなんて初めて知った。

「国民から委託された政治的影響力を個人の利益の為に悪用すること」が、トランスパレンシー・インターナショナルの定義する「政治腐敗」である。このCPI調査は対象となった世界180カ国を、その国内外のエキスパートや実業家へのインタビューでランク付けする。1~10までの評価で、10が腐敗レベルが低い。

海賊で悪名高いソマリアが1.1で最下位、次席はアフガニスタンとミャンマー。やはり、戦争や紛争で疲弊した弱小の国々がリストの下位に来ると、NYTはまとめている。

やはり気になるのは自国のこと。NYTの載せたチャートには入っていない日本の位置をさがしてみようと、トランスパレンシー・インターナショナルのWEBに行ってみた。

順位表を読んでみると、ニュージーランドの9.4をトップに、デンマーク、シンガポール、スエーデン、スイス、フィンランド、オランダ、オーストラリア、カナダ、アイスランド、ノルウエー、香港、ルクセンブルグ、ドイツ、アイルランド、オーストリアと続き、わが日本は7.7で英国とタイの17位である。

すべて欧州、オセアニア、アジアの一部と、国際紛争に巻き込まれず自国の政治インフラが働いている国々ばかりで、リスト下位に来るスーダン、イラク、チャド、ウズベキスタン、イランなど、アフリカや中近東の国々とははっきりと違った様相である。

180の国の殆ど(73%)がポイント5以下の評価なのだから、人口1億3千万の大国日本がこの位置に居られる幸せを感じずには居られない。隣国の韓国は5.5で39位であるし、台湾は5.6で37位なのだから政治的国情の違いは大きいといえよう。

経済開発途上のBRICsはどうだろう。ブラジルは3.7で75位、インドは3.4で84位、中国は3.6で79位、なんとロシアは2.2で146位の評価である。加熱気味の経済活動の裏側には、必ず政治的腐敗のタネが芽を吹いているということなのだろう。

経済的な発展と政治腐敗がリニアにはならないもうひとつのサンプルがタイだろうか。タクシンスキャンダルなどで国内が割れ、名仲裁者だったプミポン国王も病の床ということで、ポイントは3.4の84位と低位である。ASEANの代表選手も凋落気味というわけだ。

逆に、中東で孤立するイスラエルが、長引く紛争にもかかわらず、6.1で32位に来るのは、強力な政府の管理があるせいなのだろうか。周辺各国が下位レベルばかりなのとはまさに天国と地獄の違いということになるのだろう。

トランスパレンシー・インターナショナルによれば、汚職腐敗の抑止には、強力な議会による監視、機能する司法、自立した会計検査、腐敗推進の組織化、活発な法の実施、公共予算の可視化、独立したメディア、敏感な市民社会が必要だという。

折から、発表された2009年の流行語大賞は『政権交代』だ。攻守交替した鳩山首相だが、ここしばらくのマスコミ報道は、首相実母の銀行口座から資金提供を受けた年間1億8千万円、総額約11億円が、相続税法違反になるかどうかでヤカマシイ。

トランスパレンシー・インターナショナルの2009年調査には、この「首相の犯罪」への疑い要素はもちろん入ってはいないのだろうが、、、




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