「有朋自遠方来 不亦楽乎」とは論語の学而にあることば。「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」という訳でよく知られている。それを踏まえて作られた作家の横光利一（1898年-1947年）の句がある。関森勝夫の「文人たちの句境」に入れられているものだ。「またたのし友遠方の五月文」論語の方は、学友が教えを乞いに遠路訪れてくれるのは心たのしいものだというのだが、横光の方は、来てはくれなくても、音信がある . . . 本文を読む
令和最初の〈皐月〉もあと一日。列島の南方洋上には前線が見える。まだ海の上だが、これが南から押し上げられて列島に近づくと、令和最初の〈梅雨〉ということになる。
気象庁の頁で見ると、沖縄奄美に続いて九州南部が梅雨入りするのが５月末の予報。我が東海地方はそれより一週間遅れの６月８日頃らしい。去年は５日だったから、大気の動きによってはもう少し早まるかもしれない。「青梅雨」とあるから、東京の青梅市あたりに . . . 本文を読む
韓国人の映画監督にボン・ジュノというひとがいる。ミステリアスなタッチで韓国社会の問題点を突く社会派監督といっていいのだろうか。彼の最新作〈パラサイト〉がフランスで開かれた第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。韓国映画がカンヌの最高賞を受けたのは今回が初めてだ。映画を一種の国策と認識する国柄、映画を愉しんで見る国民性もあって、国中がこの話題で盛り上がっているらしい。
文大統領も「今年 . . . 本文を読む
トランプ大統領は「マイベストフレンド」と安倍首相を何度もヨイショして羽田を立っていった。
日本との蜜月をことさらにアピールしてみせたのも、最後に日本の護衛艦に乗艦してみせたのも、中国との貿易戦争の牽制球と見るのが正しいのだろう。それまでべったりだった安倍さんのいなくなった横須賀基地で、こんどはアメリカの揚陸艦に乗り換えて演説を一発。意気軒高であった。
ＷＡＳＰという名の軍艦にのったＷＡＳＰの大 . . . 本文を読む
ゴルフに相撲に炉端焼きにとＴＶやＳＮＳへの露出効果を狙ったプライベートプランを公式行事より前にもってきた一日目、両陛下拝謁と宮中晩餐会に首脳会談と拉致家族面談を挟んだ二日目。横須賀での自衛隊護衛艦視察とメモリアルディ発信の三日目。「令和」をキーワードに新天皇まで巻き込んで、世界に向けて日米関係の強固さをアピールした首相の「トランプ・ステートビジット演出作戦」は大成功だろうか。さて、梅雨も未だ来ぬう . . . 本文を読む
お仲間の韓国人ビジネスマン、Ｊさんはキリスト教徒だ。キリスト教は韓国最大勢力の宗教で、韓国人口の約３割がキリスト教徒だというから、特別に不思議なことではないのだが、その所為もあってか、彼のブログにはキリスト教徒的な物の見方が現れているし、ブログテーマにも日本や韓国のキリスト教に関係のある人やものが取り上げられてくる。
朝鮮半島を蹂躙した憎むべき秀吉、切支丹大名の小西行長、二十六聖人の殉教、天草四 . . . 本文を読む
朝食の食パンにつける甘味がなくなった。夏前で身体がだるいこともある。スーパーのジャム棚を見て回ったが、結局、蜂蜜にすることにした。ＣＰの高いものはなかろうかと価格表とラベルを読んでいく内に「ひまわりはちみつ」という商品を見つけた。原材料の箇所にはウクライナ産とある。チェルノブイリ原発事故のあったところとか、プーチンのロシアがクリミア半島の主権を奪取に動いているとか、チョコレート会社出身の大統領から . . . 本文を読む
今日は各地が初真夏日。たしかに暑いが湿気がないだけ体感としては楽だ。いよいよ夏モード満開ということ。ここ数年、身体のラジエーターが故障しがちな年寄としては体調に気を付けねば長い暑さは乗り切れまい。今日夕方のツイッターは一斉に、英国のテレサ・メイ首相の辞任会見の映像を流している。登場した時からマーガレット・サッチャーの政治スタイルを意識したと思える英国二人目の女性宰相だったが、自信をもって臨んだはず . . . 本文を読む
ポピュラー音楽評論家のＰ・バラカンのポッドキャストをＤＬして聴いている。先週は自称「マンホーラー」と名乗るマンホール・マニアがゲストだった。話題をまとめてみる。マンホーラーたちが興味をもつのはいわゆるマンホールだ。下水道が主だが、ライフライン（電気、ガス、水道など）を収容する穴もある。人ひとりが入れる直径６０ｃｍが基準で自治体にはそれぞれの規格がある。
我々がマンホールとして目に出来るのはその蓋 . . . 本文を読む
ＢＢＣのポッドキャストでこんな新しい環境ビジネスについて学んだ。テラサイクルというアメリカの会社が始めた「ループ」という名のリサイクルビジネスのことである。何をリサイクルするのかといえば、飲料や食品や洗剤など家庭で使われる消耗品を入れるプラスチックの容器が対象なのだ。プラスチックの環境汚染が声高に叫ばれるようになって未だ日が浅いが、汚染の大元は「シングルユース」のプラスチックだというのだ。日本の台 . . . 本文を読む
「春から夏へ 優雅な花びらがほどけるように咲く牡丹 幾重にも 幾重にも 百花の王は艶やかです」 こんなフォトツイートをタイムラインで見つけた。赤紫の特徴的な花の写真が添付されている。路地道を抜けると牡丹を丹精して咲かせているお宅があったりするが、やはり大振りの花は百花の王の貫禄である。国語学者の金田一春彦先生もどうやら牡丹がお好きだったようだ。５月の「ことばの歳時記」には「牡丹の香」という一項があ . . . 本文を読む
頃は小満。「万物盈満すれば草木枝葉繁る」と《暦便覧》にあるように、万物が次第に成長して一定の大きさに達するころだというウイキの説明だ。沖縄では「梅雨」のことを「小満芒種」という二節気で表すのだとか。その沖縄は５月１６日が梅雨入りだった。大気の動きも夏型に変わりつつあるようだ。南からの湿った空気や前線の影響で、列島は九州から四国にかけて大雨に襲われ、これから明日にかけて西日本から東日本に雨を降らすだ . . . 本文を読む
今日のツイッターに先日大火災を出したパリのノートルダム大聖堂の改修デザイン案のひとつが紹介されていた。ヴァンサン・カルボーというパリの建築デザイン事務所が提案するのは、何本もの木の梁を大きく広げてそれにソーラーパネルを付け、大聖堂の屋根で太陽光発電をさせようというもの。象徴の尖塔にもたくさんのパネルが張られて面白いデザインになっている。電気は蓄電されて聖堂内の電力を賄うほか、余剰分は近隣のビルに分 . . . 本文を読む
笹島堀留から港へと下る中川運河と松重閘門を経由した堀川の水が小栗橋で合流するデルタにあるのが名古屋市の上下水道局露橋水処理センターだ。ここはずいぶん前から古い施設を新しく建て直していた。万歩を山王の駅から始めたがまずコーヒーを一杯とカフェ席のあるコンビニを探して見つけたのがセンターを望める柳原橋袂のローソン。定番の餡パンとホットコーヒーで一息いれて先の小栗橋を渡ろうと歩き出すと、「広見憩いの杜」方 . . . 本文を読む
お仲間Ｊさんのハングルブログを訳した。題して「バラと人生」。通勤途中の公園で赤いバラが咲き乱れているのを美しいと言い、吹く風に踊る花々を見ながら、盧子泳という昔の詩人の誌をまず紹介している。「綺麗な薔薇だと手折ってみれば 花枝ごとに棘があり 好みの愛だと追いかけてみれば 愛の中には涙があった...」 バラといえば茎に生えた棘が邪魔だが、彼はつぎにこの棘にまつわる神話伝説を紹介する。「愛の化身のキュ . . . 本文を読む