泣き虫サキさん

今日もサキさんは泣き出しました。

朝、掃除やら買い物を済ませて、テレビのオリンピック中継を見た後、サキさんの特養へ。
コンビニで、アイスクリームを買い、サキさんの部屋を覗くと、昨日と同じようにベッドの上で、悲しげな表情でブツブツ言っているサキさんです。
「サキさん、お父さんだよ。何しゃべっとるの？」
答えは帰ってきませんが、表情は険しいままです。

差し入れのアイスクリームはおいしそうに食べてくれました。

でも、アイスクリームを食べ終わった後も、表情はさえません。ブツブツの声が大きくなったかと思ったら、目から涙がこぼれていました。

2016年8月11日泣き虫サキさん


昼食のためにスタッフの方が、サキさんを車いすに乗せてくださいました。この時もまだ表情は曇ったままです。食事も一口目は、うまく食べれませんでした。が、二口目からは、いつもの淡々とした食事風景に戻っていきました。

アイスクリームとシュークリームを直前に食べましたが、関係なく昼食も完食。食べられることは有難いことです。
なかなか上手に食べられない利用者さんもみえます。
「頑張って食べようね」
と、声を掛けながら、スタッフの方がおっしゃいました。
「ご飯は頑張って食べるものじゃないんだけどな、楽しく食べるものなんだけどな、ゴメンね」
そうですね。いつの間にか食べることが義務のようになってしまい、スタッフの方も何とか食べさせようと必死になるあまり、あまり楽しい食事風景ではなくなっていました。

食べたくないものの時には、食べない自由があってもいいですよね。必ず食べなきゃいけなかったり、無理やり（無理強いして）食べるのでは、楽しい食事にはならないですよね。

食べられることを喜び、時間がかかってもいいので、食べる楽しさを感じられる食事にして頂きたいものです。
スタッフの皆さん、どうかよろしくお願いいたします。