サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

仕事を辞めて3ヶ月

2021年03月31日 16時23分36秒 | 私の日記
仕事を辞めて早や3ヶ月。毎日、特に決められてやらなければならない事もなく、ただ何となく時を過ごしている感じです。

 それでも今日は、買い物(水曜日がポイント2倍のドラッグストアめあて)と、明日また年金事務所へ行くのに必要なサキさんの障がい者手帳を特養さんに借りに行ってきました。戻ってくると11時過ぎ。そこからはいつものようにテレビとにらめっこです。今日は選抜高校野球の準決勝。頑張っている高校生を見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。明日は決勝戦。きっと昼からは今日と同じようにテレビとにらめっこになるのでしょう。

 1人でテレビを見ているとき、気が付くと何やらブツブツとつぶやいています。今日も高校野球見ながら「もっとバット短く持たなあかんわ」だの「ナイスプレー、よく取れたな、エライ」などと自分ではできもしないくせに偉そうにしゃべってます。
 誰もいない一人っきりの部屋。ブツブツ言っても別に誰に聞かれるわけではないのでいいのですが、ふと気づくとやっぱり少し『寂しい』ものがあります。誰も家に返ってこないし、尋ねてもこないから気楽は気楽なのだけれど・・・。

 1人っきりの家なのに、時々、部屋のあちこちから「音」が聞こえます。強風が家をたたく音、乾燥なのか湿気なのか木のきしむ音。誰もいないお風呂で何かの落ちる音(不思議だ) そんな音が聞こえるたびに誰かの気配を感じる。誰かがのぞいているような変な感覚。誰もいないのは分かっているけど。そんな時いつも「サキさん・・・」とサキさんの名を口にしている。何でか分からないけど、ことあるごとに「サキさん」ってつぶやいている。

「サキさん、まー3月も終わってまう、早いね」
「サキさん、どうしようね、何しやいいんやろね?」
「サキさん、どうしよう、まー働けんかも知れん。何もやる気しーへんで」
などと、頼りない言葉ばかりサキさんに投げかけている困ったお父さんだ。


この前の長良公園での若年性認知症カフェ「わらッとこ組」は本当に楽しかったな。数十年ぶりにキャッチボールも出来たし、いろんな話もできた。何よりみんなのたくさんの笑顔に会えた。やっぱり笑顔は前向きに生きていく力を与えてくれる。そんなみんなを笑顔にするようなお手伝いをこれからもっとしていこう。

 

3月20日、今日のサキさん

2021年03月20日 16時46分39秒 | 今日のサキさん
 前回の面会から2週間。長かったような、あっという間のような。ともあれ待ち遠しかったサキさんの面会日です。

 今日もお姉さんと一緒にサキさんとの面会。

 今日のサキさんは、声はでませんでしたが手(指)はよく動きます。特に右手の指が動いていました。手のひらを保護するための布を巻いていないので、余計に動くのでしょうか? じゃんけんも出来そうなほどでした。

 肩をすぼめてちょっと寒そうなサキさん。私が「サキさん、寒い?」と聞いても、もちろん返事はありません。お姉さんは、それよりのサキさんの右手の細さが気になったみたいです。袖口が緩んで、すき間が目立つので余計に手がやせ細ってみえたのかもしれません。確かに左手と比べると気持ち細いような。


 最近は、サキさんの部屋に入ってないので、サキさんの服のチェックも出来ていません。もう3・4年、新しい服を買っていない気がします。最近は婦人服売り場に行くのも少し気恥ずかしくてなかなか買いに行けていません。

 面会の後に、お姉さんに付き合ってもらって買いに行くことにしました。一人で婦人服売り場をうろついていると変態のおっさんと思われそうで、じっくり服を選べないのでお姉さんの力を借りることにしました。

 今サキさんが来ている服は、全てがすっぽり頭からかぶるものになっています。スタッフさんに聞いてみると、やっぱり前開きになっている服の方が着替えさせやすい・・と言う事だったので、前開きの服を2着買いました。

 本当は、真っ赤かピンクの派手な服が良かったのですが、地味な色のものになってしまいました。次回の面会の時に持っていこうと思います。

 サキさん、以前と比べると顔は少しふっくらしてきたみたいです。でも手や足は、お姉さんが言われるように少し細くなった気もします。しかし、やせこけたという感じではありません。
 このまま穏やかに何事もなく過ごすことが出来ることを祈るばかりです。

昨日は、久しぶりに散歩をしようと思っていたのですが、ダメでした。選抜が、高校野球が始まってしまいました。ますます運動不足になりそうです。サキさん、怒るかな。新しい服を持っていくで、許してね。

再び片付け

2021年03月16日 18時02分09秒 | 私の日記
外に出なければ・・・と思いながらも、気持ちがのらず先週の木曜日からずっとこもりっぱなし。出掛けたのは、きのうの買い物だけ。声に出したのも、きのうたまたま家によって部屋の片付けをしていた娘とほんの少し話しただけ。娘は18日ころワクチンを打つそうです。気恥ずかしくて面と向かっては言えなかったけれど「ご苦労様」

家にこもりながら、再び家の片付けを始めようと思いました。娘がやってきたのも、あまりの部屋の汚さに業を煮やして私が娘に訴えたからでした。(部屋の灯りのカサは、ほこりでとんでもないことになっていました)

さあ、片付けです。

長く台所を賑わしていた「鬼滅の刃」のコーヒー缶。なかなか捨てられませんでしたが、いつまでもという訳にはいかないので思い切って処分しました。

さらに、流し台の上の棚の中を見てみると

賞味期限2010年6月の“カンパン” いくら非常食とはいえ、さすがにこれは備蓄期間長過ぎ・・・。


黒くて何かわからなかったのですが、パン粉 です。これも賞味期限切れ、2013年6月が期限でした。

これ以外にもいろいろと処分しました。明日からも少しずつコツコツと片づけをしていきます。

明日は今日片づけた粗大ごみを処分に行きます。その後また自転車でブラブラと出歩いてみようかなと思っています。天気も良さそうだし、風も弱そうだ。桜のつぼみも花開いて迎えてくれるかも知れない。気持ちも少しは前向きななるかな?


2週間ぶりの面会

2021年03月06日 17時02分23秒 | 今日のサキさん
今日は2週間ぶりのサキさんの面会日。お姉さんと一緒に行ってきました。


いつもとは違う向きのサキさん。

マスクの耳にかけるひもがちょっと伸びています。理由はすぐにわかりました。

マスクがすぐに口から外れてあごにきてしまうので、ひもが伸びてしまったのでしょう。
 サキさん、ちゃんと口にマスクしんと意味ないよ。

今日のサキさんは、ずっと目を閉じ、というか、気持ちよさそうに眠っている感じでした。いつものようなうなり(うめき)声もなく、口をもごもごすることもなく、微動だにしません。穏やかに休んでいます。今日は気温も上がって丁度良いポカポカ加減だったのかも知れません。

4月で65歳になるサキさん。誕生日にショートケーキを差し入れていいか施設の方に聞いてみました。本当は自分たちで食べさせたいのですが接触を制限されているので、差し入れだけでもと思って聞いてみました。

結果は、本当は差し入れダメなんだけど、せっかくの誕生日なのでプリンやヨーグルトなどの密閉された容器に入ったものならOKですと言う事でした。ショートケーキはスポンジが心配なのでダメということでした。

早く直接、私たちの手で食事の介助が出来るようになって、サキさんに思いっきりアマ~~イものを食べてもらいたいです。生クリームをいっぱい口に頬張ってもらいたいです。

ちなみに最近の私。
部屋でゴロゴロ。そして

3kg 太りました。

外に出ないと・・

2021年03月03日 18時12分26秒 | 私の日記
先週の金、土、日曜日、そして昨日の火曜日の4日間、家にこもりっぱなしだった。外に出たのは、新聞を取りに行ったのとゴミ出しの時だけ。こもる事で心までこもってくるような感じでした。

サキさんが介護保険を利用する前、一人で留守番をしている時期が結構長い間(多分、1・2年)ありました。テレビを見たり、好きなDVDを見て時間を過ごしていたサキさん。始めのうちは、一人で近所のスーパーへの買い物もできていたのですが、次第にトラブル(レジの列に並ば(べ)ない、通路をふさぐ、しかもそのことに気づいていないので周りの方とトラブルになる)が増え、さらに見当識の障害も激しくなったり(近くのコンビニが分からなくなる)で、一人家にこもる時間が増えてきました。

今回、私自身が家にこもる生活を重ねたことで、何となくですが、その当時のサキさんの気持ちを少しだけ体感できた気がしました。
 どんどん削られていく意欲。
 何をしていいのかわからない。
 ただ時間の流れていくのを追随している。
 日にち、曜日の感覚が薄くなる。
 社会から取り残されている感覚。
 かと言って外に出るのは何となく怖い。
 自分が必要とされていると思えない。

もちろん、サキさんの感覚とは違うのだろうが、明らかにやる気は無くなっている。サキさんも何していいか分からないから結局何もしないままで時間の過ぎていくままに任せていたのではないのかな。でもサキさんは私と違って真面目な人だから、一日家に居てボーっとするのは辛かっただろうな。掃除も、食事の用意も、買い物も、最期の方はDVDもうまくいかなくなったサキさん。辛かっただろうな。だから私が仕事を終え、帰宅した時には「あ~良かった。お父さん帰ってきた」って、なったんだろうな。

サキさんは、病気だったけど私は違うんだから、もうちょっと頑張って外に出ないといけないな。でも外に出ると言っても意味なくうろついてもな。


月曜日に行った年金事務所。私の分の手続き(特別支給の厚生老齢年金)は終わったのですが、サキさんの職域加算の分は共済のもので65歳からなので65歳になる月からでないと手続できないと言う事で4月1日にもう一度手続きに行くことになりました。(1回では終わりませんね)

そして今日、ハローワークに行ってきました。(そうだ、失業者だったんだ)

職業相談をしてもらいましたが、久しぶりの会話だったので関係ないこと(上に書いたような内容)をぺらぺらとしゃべって、まるで人生相談のようになってしまいました。若い女性の相談員の方でしたが、辛抱強く初老のおっさんの愚痴に付き合ってくれました。ありがとうございました。

できるだけ、家にこもらずに外に出ようと思います。
明日は、久しぶりに心を燃やしてきます。
煉獄さん、私にカツを入れてください。(また人任せ、しかも2次元)