サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

新しい利用者さんに叱られた

2018年12月26日 21時50分07秒 | 今日のサキさん
サキさんの特養さんに新しく入られた利用者さん。

一番難しい時期(状態)なのかな? 苦手だ

今日は、思いっきり叱られた。
「おじさん、おじさん、何でそんなに手が悪いの?(たしか、こう言っていたような)おばさん(サキさんのこと)いやがっとるがね。何でそんな事ばっかするの? 意地悪いね。(意地汚いね、だったかな)」

あんまり、しっかり聞いてなかったので、うろ覚えですが、けっこう悪いことを言われました。

病気だと分かっていても「おじさん」と、わたしよりはるかに年上の方に言われたことにムカッとし(表情には出してないつもりですが。敏感に読み取るのかも)、ののしられるような言い方に腹が立ち(もちろん、やさしく言い返していますが。ある程度は受け入れながら) 気持ちが重くなってくる。

見かねたスタッフさんが、この利用者さんの席を移動。他のテーブルに移しても、またそこでもめるので、一人離れたカウンターへ。

毎日接しているスタッフさんは大変だな。
家でみていたご家族さんも、きっと大変な思いをされていたんだろうな。特養さんに入居できて(離れることができて)ほっとされているかもしれないな。

大勢の方が集まるところでは、いろんな方が、いろんな思いを背負ったまま入所される。それまでの環境、生い立ち、社会との関り、全てを背負って入って来られる。いろんな思いがぶつかっていく。さらに、当のご本人は、なぜ自分がここにいるのか理解できていない。今日も「法事があるで、もうすぐ帰らないかん」と言ってみえた。

とても話し好きの方で、よく話し掛けてくる。機嫌のいい時はいいが、すぐに表情が変わる。

この前も「何を怒っとるの」と言われた。

そんな風にみえているのかな。時々、とてつもなく的をついたことを言われるときもあるしな。そんな顔してたのかな。気をつけないと。

だけど、やっぱり、気が重いな。
やっぱり、しんどいな。

スタッフの皆さん、大変だと思いますが、よろしくお願い致します。

ちなみに、今日もサキさんは時間はかかりましたが完食出来ました。

ショートケーキも完食

2018年12月24日 21時51分56秒 | 今日のサキさん
朝、お姉さんとスーパーでショートケーキを買ってから、サキさんのところに行きました。

後1時間ちょっとで昼食の時間でしたが、ショートケーキを食べてもらいました。



一度も口が止まることなく、ショートケーキ1個完食。やっぱり好きなものにはちゃんと口を開けて答えてくれます。
口から食べられるって、やっぱりいいですね。

知り合いの方の中にも、「胃瘻」をされる方が増えています。胃瘻にしないと施設に入れない、いや、胃瘻にすれば施設に受け入れてもらえる・・だったかな。誤嚥の心配も消えるので、決断されたらしい。

やっぱり、口から食べられるって、いいな。それも出来れば普通食をよく噛んで。

サキさん、ケーキの後の昼食も、完食出来ました。(やっぱり、ソフト食は食べやすいのかな)

サキさん、クリスマスじゃなくっても、また大好きな甘いもの持っていくでね。好きなものいっぱい食べようね。

今日も完食

2018年12月22日 22時49分08秒 | 今日のサキさん
今日は、少し早めにお姉さんとサキさんのところに行きました。

サキさんのテーブルに新しい方が座ってみえました。入所されて間もない方だと思いますが、周りの方とうまくいきません。まだ、何故自分がここにいるのか、何でここで食事をしなければならないのか、全く理解できていないみたいです。さらに、ブツブツとよく聞き取れない内容を延々と繰り返される利用者さんに「うるさいね~」から始まり、さらにはきつく非難するようになりました。

慌ててスタッフさんが席を変えられましたが、そちらの席でも前の方とうまくいきません。結局、一人、離れた場所に移されました。

入りたての一番不安定な状態の利用者さん。早く雰囲気に、環境に慣れて下さると良いのですが・・・。

さて、今日のサキさんですが、結論から言うと、見事、完食出来ました。お姉さんの上手な介助のせいなのでしょうか? それとも食欲が出だしてきたのでしょうか。今日も食後に食べかすは、ほとんど残っていませんでした。


大好きなさといもも大きなまま口の中に入っていきました。ウズラの卵も小さくせずに一つ丸ごと口に納まりました。好きなもの食べたいときには大きな口を開けてくれるサキさん。嫌いなもの、食べたくない時(熱かったりすると)ガンとして口を開きません。

サキさんって、こんなにはっきり態度に表す人だったかな? って、思わず思ってしまうくらい、しっかり意思表示するサキさんです。

明日は、ちょっと家にこもってやらないかん事があるで、24日に行くでね。どこかでショートケーキでも買って。
待っててね、サキさん。


介護者のエゴ?

2018年12月19日 21時50分05秒 | 今日のサキさん
最近すっかり食が細くなったサキさん。

私たちが食事介助に行く水曜日と土曜日だけ普通食にしてもらっている。
でも、このごろ、よく思う、
「これは、サキさんの意思なのだろうか 介護者の、私のエゴなのではないのか。」

すっかりトロミ、ゼリー食に慣れ一生懸命に「すする」サキさん。
歯ぎしりのせいで前歯は奥に引っ込んでしまい、左右のほほに食べかすが残ってしまう。口の中に残ったままでは、なかなか次のご飯を口に入れることもままならない。

そんな状況が続いている。


15日、土曜日のサキさん。この日も1/3くらいしか食べられませんでしたが、エビチリを食べた時の、何とも言えないリアクション。久々の辛さの刺激をちゃんと受け止めてくれたみたいです。

そして、今日19日水曜日のサキさん。

初めはいつものようなゆっくりのペースで、もうこの辺にしとこうかなとデザートを食べ終えた時、もう一口くらい食べられるかなとスプーンを口に近づけると、大きな口を開けてくれました。
そう言えば、デザートの時も、いつもみたいに止まることなく一気に食べきっていました。
その後、一度も止まることなく完食出来ました。(ひじきは少し残りましたが)

何があったんだろう。途中でデザートを食べたのがよかったのかな。主菜が豆腐で食べやすかったのかな。何はともあれ完食出来たサキさん。

サキさん、完食出来んくてもいいで、ゆっくりよく噛んで、そして時々でいいで笑顔で食べてね
今日みたいに目を開けて食べてね。

忠臣蔵、え、何ですか?

2018年12月14日 22時51分30秒 | 私の日記
今日、12月14日は、赤穂浪士の「討ち入り」の日。

いつも悪役にされるのは
吉良上野介

でも、吉良上野介
地元では、名君 として語り継がれている。

私の地元は、愛知県西尾市。
吉良町も、平成の大合併で、一色町、幡豆町と共に、西尾市となった。

吉良町は、三河湾に面した温暖な土地で、吉良上野介は、盛んに「塩田」を開発したそうだ。

対する赤穂も塩の産地。
塩(塩田)をめぐっての対立があったとかなかったとか・・。

西尾も、もともと塩を煮るところから、熱塩(これで、にしお と読む)と呼ばれ、西尾へと字が変化していったそうだ。

西尾は、もっと古くは「吉良の庄」と呼ばれていたそうだ。

吉良は、やっぱり私の地元だ。
いつまでも悪者扱いされるのは、やっぱり嫌だな。

今日、会社の若い子に聞いてみた。
「忠臣蔵って知ってる?」

「え、何ですか? それ」

サキさんの右側から

2018年12月12日 22時32分45秒 | 今日のサキさん
今日はサキさんの右側から食事介助。

サキさんの表情は、よく見えませんでしたが、サキさんも同じように私が見えてなかったと思います。(まあ、目を閉じているので、どっちにしても私の顔はあまり見てませんが)

ときおり目を開いても、私の顔を見ないで済むためなのか、それとも、右側からの食事介助に慣れているからなのか、それとも今日のおかずの「カレイのムニエル」のふんわりした身のせいなのか、大好きなかぼちゃのせいなのか、いつもの倍くらい、全体の3/4位を食べることができました。


食後? のサキさんです。

うつむいて、少し右に傾いて・・・。

どんな思いなのかな?
何を考えているのかな?

今日は、久しぶりに何か「ブツブツ」言ってたサキさん。
何か言いたいことがたまってきたのかな?

じゃんけんで温かい時間

2018年12月10日 21時31分40秒 | 今日のサキさん
土曜日の特養さんでのことです。

サキさんと同じテーブルで食事をする方が3人みえます。

いつもは、皆さん静か(少し眠そう)に、食事を待っています。ただ、じっと待ってみえます。時々一人の方は機嫌悪くなることもありますが、最近は、めっきりおとなしく静かになってしまいました、

土曜日も、皆さん静かでした。
あのスタッフさんがみえるまでは。

そのスタッフさんは、テーブルにやってくるなり、お一人お一人に優しく、自然な声掛けをされていきました。皆さんへの声掛けが終わると、おもむろに一人の利用者さんに
「○○さん、じゃんけんしようか、指の運動にもなるし」
二人のじゃんけんが始まりました。

「○○さん、強いね、負けちゃった」

すると、前に座っていた別の利用者さんも、目を輝かせながら、そのじゃんけんを見ていました。それに気づいたスタッフさん
「△△さんも、じゃんけんする?、じゃ、やろっか」

とても楽しそうに手を出す利用者さん。スタッフさんは、もう一人の利用者さんにも声をかけます。

気が付けば、とても楽しいじゃんけん大会になりました。
利用者さんとスタッフさん、また、利用者さん同士、とても楽しい、微笑ましい時間が流れていきました。

その後、運ばれてきた食事。
いつもは食の細い利用者さんも、大きな口でご飯をほおばっていました。

とっても温かい時間を過ごさせてもらいました。
ありがとうございました。

サキさんは半分しか食べられませんでしたが・・・。

どれにしましょう?

2018年12月08日 22時40分27秒 | 今日のサキさん
今日は、ほんの少しだけ早くサキさんのところに行きました。

ベッドで横になってブツブツしゃべっていたサキさん。すぐにスタッフさんたちがやってきて、サキさんを車いすに移してくれました。

シャッターチャンス

いくつか撮りましたが・・・。





更新の写真、さて、どうしましょうか。

更新写真

2018年12月06日 21時17分35秒 | 今日のサキさん
昨日の食事介助後のサキさんです。


最近は、こんな写真ばっかりです。目を閉じて、首は右に傾いています。

この前、施設の家族会の日に、サキさんの証明写真が必要だと言われました。
精神障害者保健福祉手帳の更新に必要だそうです。サキさんは、1級なので、福祉手帳が更新されると、岐阜市の福祉医療費受給者証医療費を岐阜市が負担してくれる、とても助かっている制度です)が引き続き交付されるそうです。

精神障害者という表現に、とっても引っ掛かりますが、背に腹は代えられないので、ちゃんと更新手続きをしようと思います。

正面・無帽で1年以内に撮影された写真が必要らしいです。
でも、最近の写真は、目を閉じているものばかり。

ん、目を開けた写真・・・とは書いてありません。目を閉じて手もいいのかな?

土曜日までに、最近の写真の中から、これは・・・という1枚を探さなくては。ベッドで横になっているものでもいいのかな。

土曜日に、もう一回、ちゃんと撮ろう。
出来たら、パッチリお目目のサキさんを。


10年

2018年12月04日 21時39分34秒 | 介護日記
今年も、もう12月。残りわずかになってきました。

平成30年12月。
サキさんが「アルツハイマー型認知症」と診断されたのが、平成20年12月。
10年過ぎました。


平成21年1月のサキさん。診断されて数カ月。一緒に平等院へ行った時。
この頃は、まだ仕事も続けていました。時々、迷って帰ってこれなくなる時もありましたが。


平成23年4月のサキさん。
実家の西尾市へ帰った後に、名古屋の鉄道博物館に行った時の一枚。
この時には、通勤が出来なくなり、仕事は前の年の9月ごろにやめていました。


いきなり飛んで、平成26年7月のサキさん。
介護保険を利用し始めて2年。
平成24年6月に申請。要介護1。
平成25年3月、介護認定を申請し、要介護3に。(デイの利用回数を増やすため、認定の申請をしました)
平成26年5月、要介護5になりました。
この写真の頃は、一番荒れていた頃です(私も)。この間の写真はあまりありません。私自身に(写真を撮る)余裕が全くなかったことが分かります。


平成26年10月。医療保護入院を経て、初めて老健に入所。とても寂しそうな目をしています。


老健を6カ月で退所。1ヶ月の在宅介護、3カ月にわたる2度目の入院。そして平成27年9月。現在の特養さんに入所。入所当初は穏やかな表情の日も多くありました。



そして、平成30年11月のサキさん。

介護保険を利用する前後、そして施設を利用するようになって一気に進行した気がします。

インフルエンザと私のきつい対応。さらにサキさんの仕事を奪い続けたことが、サキさんの進行を早めました。(たぶん、これは間違ってないと思います)今さら悔やんでも仕方ありませんが、悔やみ続けることで、その後悔の気持ちを言い続けることで、少しでもこれからの人の参考になれば、そんな気持ちでいます。

これから、あと何年、この生活が続くか分かりませんが、仕事とサキさんの食事介助と、家族の会の活動と、出来る範囲でいろんなものに関わっていこうと思っています。

息子さんですか?

2018年12月01日 22時24分58秒 | 今日のサキさん
今日は第1土曜日で、仕事の日なのですが、サキさんの特養さんの家族会に出席するため休みをもらいました。

家族会は10時半からなので、それまでは会社を休んだ罪悪感?もあり、お風呂掃除を頑張りました。椅子も排水の溝も、天井の換気扇回りも、とんでもないことになっていました。今、思い出してみても・・・、たおれそうです。

その後、買い物を済ませてから、お姉さんとサキさんのところへ。

餅つき大会の後、その餅が、あんこと黄な粉餅となって昼食に出されました。昼食なので、いつもならゼリー食なのですが、今日は普通のお餅でした。


お姉さんが小さく刻んだお餅をせっせと食べるサキさん。あんこはやっぱりスムーズに口に入っていきます。

食事の後に、施設の家族会。多くの方が参加されました。
その中で、この時期ならではの話し(感染症や冬服への交換など)の後、ヒヤリハットの報告がありました。さらにその中で「言葉によるヒヤリハット」も話してくださいました。命令口調、きつい表現などで利用者さんを傷つけているのではないかというお話しでした。トップの方がそのことをしっかり自覚して頂いていると言う事で、少しホッとしました。本当は、今日、私がつっこんで質問してみたかったことだったのですが、先手を打たれたような感じでした。

そして、夜は私一人での食事介助です。

5時少し前のサキさん。ベッドでじっと同じ方向を見つめていました。

夕食は肉じゃが。大きなジャガイモも1回で口に取り込むことができました。でも、やっぱりスムーズには行かずに半分ほど残してしまいました。
ジャガイモは、ほとんど食べれたから、ま、いいか。

帰り際、施設のスタッフさんに声をかけられました。
「よくおみえになりますね。息子さんですか」

この前も言われました。
サキさん、いくつに見られているんだろう?
そして、私もいくつに見られているんだろう?

「旦那です。もう、還暦も過ぎてますよ」って言ったら、びっくりされてました。