サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

おでこに赤いブツブツが

2022年10月29日 18時41分53秒 | 今日のサキさん
 今日はサキさんの面会日です。2週間程度の間隔は開けてくださいという施設側の要請により、前回から2週間ぶりの面会です。にしても、2週間に1回の根拠は何なんだろう?1日に4組しか面会できないし、あ~~もっと自由に面会が出来るように何とかならないものかな。国が何かしらの指針を出してくれないかな。ま~無理かな。旅行支援には国費を使っても介護家族の気持ちに寄り添う雰囲気はないもんな。あ~~あ。


 今日のサキさんです。相変わらず眠そうに目を閉じています。
「サキさ~~ん、元気にしとった?ごはん、ちゃんと食べとる?」
 もちろん質問に答えは帰ってきません。反応もありません。前回は息子の名を連呼したら少し反応が返ってきましたが、今日はそれもダメです。お姉さんも、サキさんの気になっている甥の写真を見せて名前を聞かせていましたが、それにもあまり反応を示しません。
「サキさん、今日もかわいいね。きれいやね。」
これもダメでした。サキさんは昔から「カワイイ」とか「きれいだね」って私が言うと「バカにしとるやろ」と言ってまともに聞いてくれません。何かサキさんの反応を誘う魔法の言葉を見つけなくては。


 サキさん、今日もまたおでこに赤いブツブツが見えました。スタッフさんに伝えると、「さらさらしているから問題ないですよ」という答え。でもスタッフさんのいなくなった隙をついておでこを触ってみたら、やっぱりサラッとはしてなく、ボツボツとしています。帰り際、別のスタッフさんにおでこの赤みを伝えておきました。しかし、最初のスタッフさんに対する不信感が少しだけ芽生えてしまいました。何で「サラッとしてますから大丈夫ですよ」って言ったのかな?「問題ないですよ」のアピールだったのかな?だとしたら、ちょっとね。

 昼からは、長良公園の研修センターで若年性認知症の本人・家族交流会の「笑っとこぐみ」。全部で7組の若年のご夫婦と、包括さんや家族の会のメンバーで、和気あいあいとした楽しい時間を過ごしました。


 雲一つない快晴のもと、公園で木の実や松ぼっくりを拾ったり、体を動かして楽しく過ごしました。日向は汗ばむほどでしたが日陰は風が強く肌寒い、そんな同じ時間帯なのに寒暖差の大きな一日でした。それでも笑顔のあふれる楽しいひと時になりました。
 皆さん、今日は本当にお疲れ様でした。


 研修センターの壁に貼ってありました。来週の信長祭りに映画の宣伝も兼ねてキムタクが岐阜にやってくるみたいです。来週、柳ケ瀬付近は大変な騒ぎになりそうです。

娘、息子、サキさん

2022年10月17日 17時18分30秒 | 私の日記
 今日の昼過ぎ、玄関のカギを開ける音が。何の前触れもなく、いきなり鍵を開けて入ってくるのは娘しかいない。玄関に向かうと、やっぱり娘だった。
「どうしたんや?」
「車屋に寄らないかんで」
 娘の車は、いまだに岐阜のディーラーなので、点検・車検のたびに家に戻ってくる。戻ってくるなり「腹減った」といいながらお湯を沸かしカップ麺の準備をする。
「そんなもんばっかり食っとったらあかんぞ」
「しゃーないやんか」
 前よりさらに太くたくましく成った娘が答える。

 娘とは不思議と気が合うのか、お互いよくしゃべる。30分くらいだったけど、途切れることなくたわいのない会話が続く。
 お母さん(サキさん)の面会が先週から再開したこと。
 兄ちゃんの彼女に会ったこと。(兄ちゃんから送ってもらった彼女とのツーショット写真を見てもらったり)
 旦那のお母さんとうまい事やってるか? などなど。

 またまた体はどんどん成長を続けている(横に)娘。孫を作る気は今のところ無いみたい。まあ、二人でゆっくり考えてくれればいいでね。でも、あと5年もしたら、お父ちゃんは孫の面倒見れんくなるでね。お父ちゃんに面倒見て欲しかったら、早めにね。
 それと、兄ちゃんとはお父さんより長く付き合っていかないかん訳やで、仲良くやってね。彼女ともね。


 土曜日に面会に行った時のサキさん。おでこのあたりに、赤いブツブツがみえる。でも近づけないので何なのかはっきりわからない。スタッフさんにも聞きそびれてしまった。パネル越しじゃなく、直に触れ合える面会だったらいろいろ気付けることもあるんだろうけどな。


 目を閉じたままだったサキさん。何の反応もなく、ただただ一人声掛けを続けるのはしんどい。それでも息子と彼女の写真を見せ、息子の名前を言い続ける。すると、やっぱり息子の名前に少しずつ反応し、薄目をあけてくれた。いつになっても、どんな状態になっても、やっぱり息子が一番気掛かりなんだろうな。
 もうすぐ息子にも春が来そうだから、楽しみに待っとってね、サキさん。

 



明日は久しぶりの

2022年10月14日 10時16分43秒 | 私の日記
 明日、いよいよサキさんに会えます。

 2か月半ぶりの面会。今からワクワクしています。

 息子に、彼女との写真を送ってもらいました。A4サイズで印刷し、サキさんに見てもらいます。サキさん、どんな反応を示すかな? あるいは無反応かな?

 明日お姉さんは用事があり、こちらも久しぶりの一人での面会です。スタッフさんの(監視の)目を盗んで思いっきりサキさんに触れ廻ってこようと思います。

 久しぶりなので、スタッフの皆さん大目に見てくださいね。


 水曜日、いつものように百年公園を散歩していたら、大きな鳥に出会いました。

 この案内板によると、ヤマドリみたいです。そのちょっと前には大きなヘビも見ました。ひと月ほど前には遊歩道を横切るウサギにも出会いました。動物たちも実りの秋を満喫し、来る冬に備えているみたいです。

 私は、相変わらず「酢キャベツ」と「酢納豆」で、食欲の秋ならぬダイエットの秋です。少し痩せた姿をサキさんに見てもらいます。ちゃんと見てくれるかな。また、しかめっ面されるかな?


 そして少しだけ「読書の秋」。がんばって読みます。

息子と彼女と

2022年10月02日 17時52分13秒 | 私の日記
 昨日、息子がやってきた。彼女を連れて。

 彼女の紹介と、結婚のための挨拶みたいだ。すでに彼女のご両親とは会って挨拶を終えたらしい。

 私からは何も言うことはない。二人でよく考えて、力を合わせて笑顔で生きていってくれれば、それだけです。サキさんの写真を見てたら思わず涙がこぼれそうになってしまった。サキさんの大好きな息子が、いよいよ結婚する。サキさん、どんな想いかな?絶対泣くだろうな。早く知らせてあげたいな。

 彼女には、少し障害があるみたいだ。歩くのが少し大変そうだ。ひょっとすると将来、車いすになるかもって言ってた。そしてもう一つ、アスペルガー症候群(ASD)。話しているとほとんど何も感じないが、少し独特の間がある。私への最初の挨拶も、緊張と間違えずに言わなければいけないというプレッシャーからか、少してこずっていた。
「うちは何も気にしんでいいでね。指で生クリーム食べるお父さんやで、何も気にしんでいいでね」少しずつ表情が柔らかくなっていった。うちでは本当に気楽に自由にしてくれればいいでね。

 まだ結婚式は先だろうけど、来年の3月までに籍は入れたいと言っていた。そしてきっと一緒に住むんだろうけど、これからいっぱいいろんなことを経験すると思う。その中には楽しい事だけじゃなく、苦しい事、いやなこともいっぱい出てくると思う。

 金曜日にふれあい会館であった岐阜県の「認知症講演会」。鳥取から来られた藤田さんの言葉でとても印象に残ったフレーズがあります。
「堂々と生きる」とても力強い言葉でした。

 また、講演会でもらった、日本認知症本人ワーキンググループ「認知症と共に生きる希望宣言」の 1 に
「自分自身がとらわれている常識の殻を破り前を向いて生きていきます。」という文章がありました。

 息子にも少し「アスペルガー」っぽいところがあります。場の雰囲気を読むのも苦手です。対人関係も。彼女もそうかもしれません。でも何も恥じることはありません、恐れることはありません。講演会での言葉を君たちに送ります。

 堂々と、しっかり前を向いて二人で力を合わせて生きていってください。

 幸せになってね。