ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「物語100,今江祥智」を読む

2017-07-26 22:54:48 | 読む

今江祥智の「物語100,今江祥智」(理論社)という童話集を読み終えた。
この本を初版本で持っている。
発行は、1989年の1月である。
中の連絡用のはがきは、昭和64年8月31日までと書いてあった。
昭和64年は1月7日までしかなかった。
昭和天皇が崩御したからである。
そして、時代は平成となったのであった。
私自身まもなく33歳を迎える頃であった。
この本、買ってから今まで読んでなかったのである。
今はいったい第何版になるのだろうか?

どうして、この本を買ったのだろうか?
記憶は定かではないが、国語の教科書に「どろんこ祭り」というのがあった。
「せっちゃんは、おきゃんで、それに比べてうちの三郎はねえ…」で始まる話。
ちなみに、おきゃんの意味を調べると、
「おきゃんとは、活発でやや軽はずみな若い女性。また、そのようなさま 。現在はあまり使われず、死語となっている。」
だから、他の話も読んでみたいと思ったのかもしれない。

この本の内容について、作者の思いは、データベースにこう書いてある。

30年程前、童話を初めて書いたあと、もしも童話作家になるのなら、せめて一月に一つ位は物語を書こうと秘かに決心しました。以来、だいたい決心通り書き続けていたら、いつのまにやら400程、物語を作っていました。本書はその中から好みのものをちょうど100篇集めた自選集であります。

そしてこの本、「物語100」は、618ページの本である。
100でわり算をして平均を出して約6と答えが分かるように、1編当たりの話は、長くない。
だから、一気に読めるのであった。

それなのに、私はずっと読まずに本棚の一番上に飾ったままであった。
「100」とか「600ページ強」という数字が重すぎたのかもしれない。

その本を、私は、購入してから28年たったこの5月からようやく読み始め、およそ2か月かけて読み終えたのだった。
読まないなんて、3605円もかけて買ったのに、もったいない!
一日平均2話を読むと、2か月かかるな、とか、1つの話がページ数少ないから読むのが楽だな、とか思いながら読み始めた。
ちなみに今は、4509円するのだそうだし、表紙も同じ宇野亜喜良氏のものだけど、異なった絵が描かれてある。


100の物語の中には、意外にも、時代物が多くあって、「おさむらいさん」の時代の話も多いのである。
今の時代の作者だと、さむらいだの、アフリカだのは、そんなに出てこないだろう。
そんなふうに、作られた時代を感じながらも楽しく読んだ。
童話作家の話をこれだけまとめて読んだことはなかった。
絵本でなくとも、気楽に読める本もいいものだと思ったしだいである。

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