四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子はコハダに、スミイカの子供=新(しん)イカは一パイで二貫とれる大きさに、イクラは皮が軟らかく粒が大きくなってきました

芝海老の背ワタ

2008-04-14 20:39:00 | 04 つきじ(いけす)

003_2 芝海老のおぼろは、あの見覚えのある淡いピンクのぽろぽろ状態になるまでには結構手間ひまがかかっています。

まずは殻を剥き、写真のように一尾ずつ丁寧に背ワタを取り除きます。

そして茹で、潰し、調味しながら煎り付けていきます。

かんぴょうを煮るのと同様、工程がシンプルなだけに決め所が重要になってきます。

たとえば茹でる時にほんの少し入れる塩の量。

調味する時に入れる砂糖・味醂・塩のバランス。

それが少しでも崩れれば台無し、ピタッと決まれば最高…といった具合です。

微妙な差で本当に大きく味が変わってしまいます。

仕上げのポイントは、そぼろ状になってからの火の入れ方で

早めに火からおろしてしまうとしっとりし過ぎて、長く煎り過ぎるとパラッパラになってしまいます。

だから主人は真剣勝負、雪平鍋の中のおぼろを見つめ、菜箸を四本握ってかき混ぜながら火からおろすタイミングを見極めます。

背ワタを取るところは、良い仕上がりにかかせない工程なのです。