tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

restraint 5

2017-09-16 08:22:18 | restraint
『いらっしゃいませ(笑)』
店長が声をかけボーイが案内をした。
時間を持て余した彼が店にやってきたのだ・・・手際よく準備をしていた。

『リュウト(笑)。あれはラッキーだよな』
八神と東堂が彼を眺め 含み笑いをしていた事に驚いた。
離れた席でハナが接客していたテーブルだったが、手前には彼女が酒を作り話しながら楽しんでいた。

近場を通るボーイを止めて呼んで貰った。
声をかけられ、誰かと眺めたハナは笑みを浮かべ手を上げた。

オトへ呟き・・・頷くと、ボーイは案内するように彼女の前を歩いた。
笑みの中へ入り込む・・・口を引き笑みを浮かべて会釈して挨拶をした。

『いらっしゃいませ(笑)。オトと言います・・・何を?』
酒を作るぞと手前の椅子に座り彼らを眺めたオト・・・

『飲むの?飲まないの?』
『 ・・・飲む』
『どれ?』
『(笑)水割りでいい・・・』
取り合えずと呟く東堂に、笑み返したオトは彼へ丁寧に作り残る二人を眺めた。

『同じでいい、こっちはロックに』
呟く琉歩に笑み、二人分を作るのだった・・・静かにボーイはオト用にグラスを準備して持ってきた。
コースターの色で彼女用と分かる・・・

『それは何を飲む?』
『常温の水です(笑)。飲まないので』
『ん、飲めないのか?』
『(笑)水が好きなので・・・味は?』
『あー(笑)大丈夫だ』
東堂と話すオトの笑みを晴臣は眺め静かに飲んでいた。

『食べます? 何か頼みましょうか?』
『ん?飯は食ったぞ?』
『(笑)それランチとか言い換えられますか? ディナーの気がしないけど(笑)気のせいでした?
悪酔いしますよ?』

『オト(笑)。それがアシストか?』
『あー(笑)確かに。
それでも悪酔いして帰られても(笑)店が困りますしね・・・楽しい お酒にならないし』
『 ・・・』

『余計に寝れず(笑)体は弱りますよ』
確かにと苦笑いをした八神は、軽食を少しだけ頼んだ。

『オト(笑)こっちに来い』
『ハナさんが来られますよ』
『なら反対にするから来い(笑)』
仕方ないと琉歩と晴臣の隙間へ移動したオトを、近場に座らせた晴臣だった。

八神と東堂は苦笑いをしつつ、晴臣の様子を眺めながら二人で話すのだった。

『あー久しぶりだ・・・また借金を作ったのか?』
『(笑)気にせずに』
『無理だろ(笑)偶然知ったし・・・』
眠そうに凭れた晴臣に苦笑いをして、静かに回した手はオトが笑って掴むと彼の膝に戻して寄りかからせた。

『返してやるか?』
『見返りを求めずなら(笑)』
『 ・・・』
『冗談です(笑)』
『誰が作る?』
『(笑)逃げるが勝ち・・・その意味を体験中です。気にせずに』

『連帯か・・・立ちわりぃな・・・放棄すればいいだろ』
『(笑)とっくです。テーブルに乗るつもりもないので・・・最後ですし(笑)協力して飲み込んで下さいね』
吹き出した二人に、素早い理解だと苦笑いをしたオトだった。

『オ、オトさん。それ仕組まれてますから弁護士を変えて使ったらどーです?』
『残念ながら(笑)変えたら増えました。とうにチクりましたけど(笑)』

グッと抱き込む晴臣に驚いた・・・腰へ回して抱き込まれたのだ。
肩へ顎を乗せてオトを眺めた晴臣・・・3人の驚きは身が固まるほどだった。

静かに店長が来て、腰を下げて晴臣をすまなそうに眺めて小声で呟いた。

『お客さま(笑)。失礼ですが、それは困ります・・・そのような店でもなく・・・』
分かると頷く晴臣・・・謝る八神と東堂が笑って晴臣とオトを、それぞれに引き剥がした。

可笑しくて笑いを我慢するオトに八神が驚き、東堂が眺めながらも晴臣を押さえた。

『分かった分かった(笑)。フユキ・・・お前らは飲み込め。待ってるから』
そう呟くと晴臣はオトに膝枕をして眠り込んだ姿に呆れるオトだった。

『店長(笑)ハナさんは?』
『向こうが離さなくて(笑)、も少しお願いします・・・』
『えー』
『寝てますが、お二人は飲んでますし(笑)クリアしてますから・・・』

『あー騙された(笑)』
『(笑)お願いします。オーナー許可が入りました』
立ち上がり会釈した店長は、すまなそうに離れていった。
その間にオトの手を掴み自分の上で繋ぎ止めた手に呆れ眺めた。

『ば爆睡?』
驚いた八神の呟きに苦笑いをした東堂は、離そうとしていたオトの手を止めて謝った。

もう少しだけ・・・物凄く小さな声で頼む彼に苦笑いをした彼女は、フッと息を吐いて放置した。
上着をかける八神・・・

『八神さまでしたね(笑) いつも一緒なら時間を作れませんか?』
『彼の姉の子に振り回されて(笑)我慢して付き合うので崩れてくんです・・・半分は諦めですよ』

『子供を疲れさせて遊ばせてから、しっかり食事を取らせたら案外(笑)早く寝ますよ』
『(笑)その遊びで余計に疲れて、彼は逆に寝れなくなります・・・』

『あー・・・(笑)。無視して寝たふり・・・なら、相手もしなきゃ子供は諦めません?』
『上司の子も絶対なので・・・』
『 ・・・(笑)大変ですね、私なら強制して黙らせてきますけど(笑)』

『誰の子でも?』
『(笑)子供の寝る時間を潰せないと親を脅しますけど?
嫌なら拒否(笑)用を作って寝場所を替えます』
なるほどと呟く彼らに微笑んだオトだった。

『あーら(笑)、オトさん返してくれる?』
『(笑)待ってましたよ』
そう呟いたオトが彼の手から離すと、晴臣は素早く両手を彼女の腰へ巻き付け無理やり抱き付いた。

笑うオト・・・それにも増して笑う彼らの姿にハナが驚き眺めていた。

苦笑いをしながら体へ触れていく・・・彼の脇を撫で上げていくオトの手・・・それは焦らしに似た触りで・・・焦る晴臣が飛び起きた。

『おはようございます(笑)。ハナさんが見えましたので交替しますね』
素早く離れ、ハナと入れ替わるオトに彼らの驚きは長引いた。

『さっ触んな!』
『ん?何かありました?』
呟くオトはハナを眺めた。
『起きただけよね(笑)上着を取ってくれたのは彼女だけど』
含み笑う彼女達を交互に眺める・・・構わずにオトはハナ用にグラスを準備したのだった。


帰り際・・・見送るハナに指名が入ったと離れた・・・
素早く戻った晴臣が、後から戻ろうとしたオトを抱き込んだ。

腰を引き寄せ素早く・・・唇に挟まれた彼女の手に項垂れた晴臣・・・
『熱を込める場所が違う(笑)。男は仕事に精を出しましょう』
『オト・・・お前・・・さ・・・』

迷うように呟く晴臣を見返したオトの笑みに、つられ笑う晴臣だった。
彼らは呆れた顔しか出なかった。


『連れ帰るぞ』
『稼ぎがなくなる・・・これは仕事だから付き合ってるけど、次はない!』
『 ・・・』
『(笑)ご利用ありがとうございました。またのお越しを(笑)』

『居ねーだろ』
確かにと笑み頷くオトに、ため息をした晴臣だった。

『会いに行く』
『皆で?』
ヤバいという顔をしたオト・・・それは何の意味に言ったと晴臣も考えた。
『(笑)気を付けて』
グッと離したオトが手を振った。



腕を組みながら歩く晴臣・・・
『リュウト・・・あれは なんだ?』
『ハル?』
『んー
オトは何で驚きながら焦ったように言った?』

『ん?』
『俺らで来るのかと言っただけだろ?』
東堂が呟いた。
『あれは違げーよ・・・何処に来るって想像なら何処だ?
オトに繋がる俺らの場所って?』
何だと考える彼らだった・・・

何処かで繋がる期待は、晴臣には嬉しくて考える事も楽しくなった。
何より触られた感触が自分に甦った事に戸惑った。

柔らかな手は指先だけが強く、体へ流れた・・・腰から落とされ指先と分かる程に身の上を滑り出していた。
ざわつき始め一気に血が騒ぐ自分に焦り飛び起きたのだ。

脇腹だけの熱さは全身へ駆け巡り出した・・・あの触れを味わいたい晴臣の口元が笑みながら引かれた。


何だと様子を眺める二人・・・思い出した笑いなのか・・・オトとの幸せな時間を思い出していると気づけたが、晴臣の笑みが変化した様子は少しずつ呆れ顔へ向かった。

八神が自分の掌をチラつかせ、さっきの出来事なのだと口を引いた。
その思いが今の晴臣かと・・・フッと笑う二人に気づく事もなく歩く彼・・・

あーあとクビを振る二人もいた。