もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

170402 黒澤明監督「赤ひげ」(1965)感想特5

2017年04月03日 03時05分00秒 | 映画・映像
4月2日(日):      
深夜なのに、明日から嫌な仕事の日々が始まるのに、自分でも馬鹿じゃないかと思うが、黒澤明監督「赤ひげ」(1965)を見始めてしまった。この映画は「別格」だ。論じるのも烏滸がましい。
特に、佐八とおなかの関係」は愛し合う男女の関係で最も残酷で絶望的な関係の極致

「自分の女房が他人の子を産んで、目の前でその子に乳を飲ませてるなんて、それがどういうわけかもう哀れで哀れで(佐八の独白)」

赤ん坊(子ども)は夫婦のかすがいと言われるが、逆に愛し合う男女の関係において最も取り返しのつかない楔となる。生まれた赤ん坊(子ども)に罪はないのが何よりのとどめだ!その赤ん坊を母無し子に、その子の父を妻に赤ん坊を残して消えられた不幸な男性にしてしまった。失恋ですらない。その時、心が壊れた。「心が壊れるものだ」という経験を初めて知った。本当はそんな経験なんてしない人生の方がいいに決まっている。しかし、佐八のつらい思いを理解できるのは実際に経験をした者にしかわからないだろう。

映画「赤ひげ」は深い。完璧な映画だ。世情よく話題にされる黒澤映画の傑作「七人の侍」(数日前に観た)よりも上だ。原作者の山本周五郎とその思いを汲み取った黒澤明が本当に深かったということだろう。

泥酔ではないけれど今、相当酔っ払ってます。明朝早く起きなければいけないのに、深夜3時にこんなブログを書いている自分をつくづく馬鹿だと思う。もう寝ます。
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