い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

七番

2021-08-21 | 順番
ラッキーセブンに願いを込めて
一か八かの賭けに出る
すでに決まっている結果でも
知らない内は神にもなれる

知らないところで自信が笑う
怯えながら不安が隠れる
胸を張る勇気が風を受け
10センチ上の視線につかまる

辛抱強く高まる期待の
カウントダウンが始まる


六番

2021-08-20 | 順番
昨日の事が気になるのは
毎日が新しい一日だから
去年の事と比べるのは
成長過程が気になるから

懐かしい思い出話は
どんな単位を付けようか
思い出した順番で
優劣の評価は付けられず

たらればの夢の世界で
大きさを測る
悔やむ気持ちも吹き込んで
青空の白い雲に届くまで

五番

2021-08-19 | 順番
目が慣れてきたら見えるもの
月も眠る暗闇に
星を遮る暗い夜
足元の凸凹は見えず
転んだ傷の痛みが残る

こぼれた涙を揺らしながら
のぞき込んだ月明かり
私はいつでもここにいるよと
遥かな宇宙を飛び越えて
穏やかな光で君を照らす

あきらめずに時を待つ


四番

2021-08-18 | 順番
いつの間にか口ずさんでいる
言葉の意味も考えずに
メロディーに流されて
途切れていた物語

思い出しながら
三番までの歌詞をなぞる
記憶にない四番の結末
一連の切ない幕が下りる

旅立ちのエールだとしても
これからのしあわせを
ここからの未来を
思い出の涙が後押しする

三番

2021-08-17 | 順番
習慣も生きるための必需品も身に付いた今
特別なイベントや記念日認定の出来事は
心も体も頭だって一番を競う

その瞬間は
眩しすぎて夢心地で
どん底で真っ暗闇で
嬉しすぎて泣けてきて
歯を食いしばっても
どちらに転ぶか分からない

それでも
二番目三番目と次は訪れる
何度でも一番の挑戦が続く


二番

2021-08-16 | 順番
精一杯が似合う順位

今できることを精一杯やったら
みんなの笑顔がやってきた

ここまでじゃなかったような
望んだものじゃなかったような
始まりの思いとは
違う道を進んできたかもしれない

そんな道のりが
あちらこちらから交差して
出会いと別れが織りなした
人生という世界を創っていく

一番

2021-08-15 | 順番
最初に思う事

一週間待てないと高らかに歌う声
会いたい会いたいと繰り返す詩
リピート機能が呪文のように広がって行く

誰かの一番じゃなくても
心の隅にポチッといたいなら
自分の事を好きでいよう

背中越しに見える景色がある
向きを変えた風に出会う
木漏れ日が星に変わる

少し違う
さっきと今を
同時に味わえる


百通

2021-08-14 | 便り
泣かないで 泣かないで

涙の意味も忘れた
止め方だって思い出せない
体中が涸れたとしても
抜け殻の魂が泣き続けてる

泣かないよ 泣き止むから

腫れた瞼を笑っていいから
しょうがないなって優しい声で
涙のワケを拭ってほしい
洗った瞳で見つめているから




九十九通

2021-08-13 | 便り
嫌なことに背を向けて
迷い込んだあの頃にいた人

年齢を重ねた顔は知らない
あの頃の面影も曖昧な記憶
どうしているだろうと
考える時間の中にいなかった人

特別な感情も見つからないまま
逃げ込んだはずの思い出の中
なぜか重なった若いままの姿
不思議な感覚が目を覚ます



九十八通

2021-08-12 | 便り
望むばかりではいけないけれど
我慢しすぎると分からなくなる

本能のままの欲求が許されるのは
ほんの短い期間であって
目の前の誰かがいなくては
現実がなくなると知った時
生きる希望をはるかに上回る
ひとしずくに願いを込める

我儘を悔やみながら様子を窺う
言葉の裏に隠された表情を見る
数秒先の息を吸い込み
数センチ先の未来を予測しながら
実体のない幻を望み
押さえ込む窮屈な現実