六十七片
2022-01-31 | 雪花
余所行きの真実
相手によって違う顔を見せるから
本当が見えないと言うのですか
同じ空を見上げて
同じ空気を吸って
同じことを感じなければ
自分とは違うと思うのでしょうか
念入りに化粧をして
何度も鏡の前に立って
360度の想像をめぐらし
2時間後の心拍に胸を押さえる
起き抜けの寝ぼけた顔で
自由に跳びはねた髪を結び
面倒くさいを前面にぶら下げ
重い腰を上げようともしない
いつだってどんな時も
そこにいるのが本当の自分
見た目も仕草も言葉遣いさえ違っても
その時のすべてが本当だから
知ってる顔と知らない顔
分かってるつもりの心の行方
誰も知らないひとりに迷わず
その時のその一瞬すべてが真実