い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

三十五拝

2021-02-28 | 願い
四季より頻繁に訪れる心の季節

自然を見習い四分割出来るなら
足踏みしながら待っている
次の季節にタッチして
引き継ぐことも楽になるのに

いずれ来る花咲く匂いを知るために
大地をも起こす冷たさがある
何も恐れぬ風が吹いても
上下の違いに迷うことなく

ありふれた自分の高さで
憧れた景色を見ながら
流れ行く四季の名のもと
この地で今日を生きていく



三十四拝

2021-02-27 | 願い
引き抜く端を決めるのは
ちょうちょ結びのどちら側

一本の紐を結ぶのか
二本の絆を作るのか

力を込めて潰すもろさと
ため息にも動かぬ薄さで

天を仰ぎ空を吸い込む
地に立ち宙に紛れる

結ばれた輪の向こうには
今日を迎える明日がある

三十三拝

2021-02-26 | 願い
ガラス細工の心にもヒビの強さが必要で

流れこぼれる涙の道も
ひとすじふたすじ集まるのなら
すき間に芽生える息吹さえ
上昇気流で天を指す

見逃したことを悔やむより
目に映る今を愛して
頬を撫でるやさしさで
まどろむ弱さに微笑んだ

三十二拝

2021-02-25 | 願い
数え方を知らなくて順番を間違えた

今やらなくてはならない事
でもやりたくない
後悔が目に見えているから
理由を付けて立ち上がってみる

ほんの少し先を行く人
引き締まった曲線が
見えない翼を広げてる
しなやかに飛び立つ準備をする

見失う影の濃さを追いかけて
時の流れを飛び越えた
一番星の瞬きが
これから始まる夜を数える

三十一拝

2021-02-24 | 願い
見てない時は自由でいいとあの人は言う

同時進行の無限の生き様が
時と空間のテリトリーに阻まれて
限りの中に迷い込んでも

知ってしまった出会いと
見てしまった運命の姿
殻を破る勇気を見つけに

開花の温度で身を乾かし
よじれた羽の隙間を伸ばす
取り込む大気に教えを乞うため

背伸びの速さで羽ばたいたなら
自由な心で飛んで行くから
両手を広げて待っていて


三十拝

2021-02-23 | 願い
迷い込んだ春の光が
goと言われて空に舞う

一年二年とさかのぼるなら
来年再来年と坂を上る

平穏な暮らしを懐かしむなら
今日の無事に感謝する

変わらぬ明日を願う度に
今日の笑顔を心に描く

気付かれなくても知らなくても
ノンフィクションの著者になる



二十九拝

2021-02-22 | 願い
凸凹の温度が平らな笑顔を組み合わせていく

流行りのゲームでも錯覚の奥行きの中
四方からの音に操られ架空の世界を知るのに

目の前で動く思い出のシーンさえ
現実と夢見る大人の出入り口を騙す

同じ笑顔が並ぶ厚みを知りたくはなかったけれど

今日の涙を吹き飛ばす威力で
時を超えて発揮する奥の手なら

伏し目だろうと富士の美麗だろうと
覚悟を決めて受け止めて見せる

二十八拝

2021-02-21 | 願い
両極端に振り切らなければ真ん中は見えない

曖昧な中立心が最大の防御だとしても
守ったものは何だろう

表情のない後ろ髪が悲鳴をあげて
裏側の真実に目をつぶる

同時進行の現実が合図を待たずに走り出す

記念日をさかのぼり滲みだした始めと終わり
泣き笑いのふり幅の中

持ち続けた心の糧と
引きずり続けた過去と言う未来

二十七拝

2021-02-20 | 願い
究極の言葉が
引力さえも引き連れて
高みへと昇っていく

無重力に浮かぶ星も
決められた範囲を学び
燃える太陽に距離をとる

直線で結ぶ互いの位置を
もつれることなく
引き合いながら

比べたら
一日にも満たないふたりの間を
回り続ける時の音


二十六拝

2021-02-19 | 願い
光と光の間 影と影の間
違いを見つけるは難しい
けれど
見分ける闇が色を付ける

相手の立場を問う前に
自分の位置が決まらない
揺れる足元の戸惑いが
全身の緊張を増長する

あっさりと聞いてしまえば
いくつもの問いが増え
枝分かれした解答が
蕾のままで時を待つ

花咲く順番を決めるのに
いくつの答えが必要だろうか