い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

その四十八

2020-11-30 | オキテ
平均値と言う言葉に甘えて真ん中を漂う

両側から押し寄せる波動が少しズレていく

それでも右へ左へ揺らめきながら

不安定な深さに怯えながら平静を装う

名前を呼ばれたら振り向いてしまうはず

偽物の呪文さえ唱えてしまう弱さを

純粋と言う言葉に変えて逃げ出した

その四十七

2020-11-29 | オキテ
すましたタテマエが現実の世界を埋める
迷うことなく進める日常が当たり前になる
お腹を満たし朝日が起こしに来るまで
暗闇を恐れず眠れることに感謝して

偉人の言葉を理解しようと暗唱する
並んだ言葉が収まる余裕と
実行する勇気が試される
生き物の無限の可能性がある限り



その四十六

2020-11-28 | オキテ
自分で決めた枠の中で
居心地の良い隙が出来たら
形を変えるチャンスかもしれない

固定された規律の歪に
痛みにも似た亀裂があれば
溢れる罪は無駄ではなく

後になって分かる
懺悔も賞賛の声も
今は聞こえないのだから

その四十五

2020-11-27 | オキテ
挨拶の言葉が返って来た時
笑顔だったら嬉しいね
さぁ頑張ろうって言われたみたいで
プラスの力が湧いてくる

一秒に満たない視線の温度が伝わる
たった一人のたった一つの
紛れもなく自然体の瞬間が
こんなにも穏やかな微笑みをくれた

その四十四

2020-11-26 | オキテ
始まりを見つけに足跡を戻る
同じ大きさの跡は長く
大人の時間を数えながら

踏み散らかされたような
区別のつかない無数の足跡は
超えてきた誇りだろうか

それとも気付かず過ぎた
優しすぎる感謝の風が吹いた跡
追い越さず後押しの役に徹する

描かれた風景はいつでも生きている


その四十三

2020-11-25 | オキテ
違うからと言って責めてはいけない
同じ考え同じ感じ方同じ人生
誰一人としていないのだから

相手の立場に立つ
思いやりの心を尊ぶ
誰かのしあわせを願う

美しい響きの中に微かな躊躇いがある
我儘であり自己中であり残酷な否定
見知らぬ時見知らぬ場所

生きているという事は
いつでも初めての時間初めての今
そこにいるという事が奇跡の瞬間

その四十二

2020-11-23 | オキテ
匠の技を駆使して
悲しみの大きさを測ったら
空を覆うほどの雲に埋め込み
陽射しのビームで消滅させる

繊細な思いやりを武器に
苦しみの重さを量ったら
こぼれる涙の一粒を摑まえて
引力に逆らい笑って見せる

このままが嫌だとしても
このままを続ける力が欲しい
これからを願う気持ちが
生きてる星を回し続ける

その四十一

2020-11-22 | オキテ
こんな日もあるさ とつぶやける日は
もう明日に向かって進めている時

少しホッとしたようなため息が
優しい微笑みを温めている

空気がとげとげして白くなるには
集まる仲間の手助けがいる

触れると消える美しさでも
風の隙間を転がりながら

重なるたくましさの道を作る

その四十

2020-11-21 | オキテ
誕生日が近づく
早く大人になりたくて
本当は決まりごとが窮屈で
目の前の出来事に辛さを感じ
ただ逃げ出したかっただけ

10年後は遠い未来で
夢を押しつぶす不安を見つけ
他人事の枠からはみ出した
笑顔を振りまき良い人を演じても
素顔が映る鏡がある

その三十九

2020-11-20 | オキテ
漢字から受ける印象
響きから生まれる想像
身に付いた言葉
生きる温度の暖かさ
優しくしみる深さ

すべてが回る今
ここにいるだけで
苛立っても落ち込んでも
次の笑顔がある限り
もう少し前を向く