い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百八十九小節

2019-09-30 | レッスン
指先に宿るしずくの重さ

零れ落ちたなら
心も軽くなればいいのに

窮屈な幸せを選んだのは
後悔の必然を避けるため

未熟な魂は見破る事が出来ず
ただ路頭に迷い彷徨った

道しるべの一番星が
遠い暗闇に輝くのなら

濡れた指先見つけだして
舞い降りてくればいいのに

百八十八小節

2019-09-28 | レッスン
朝陽が剥がす薄墨のベールを
生まれたての風の波が誘う

撫でる様に先を急ぎ
空の大きさに出会うまで

決められた枠は無く
定められた時間も無い
始まりは瞬間で
終わりの合図も要らない

ありのまま
思考の重さに囚われず
見えない翼をひろげたら

いつか
無限の大空の中
羽ばたく風と

共に飛べる

百八十七小節

2019-09-25 | レッスン
上書きの毎日が記憶を思い出に変える

積み重なる記憶は
圧縮されフィルターを通り
浄化されながら
底へ底へと深さを増す

思い込みもあるだろう
見落とす愚かさに気付きもせずに
脚色された過去

登っているつもりが
踏み越えた足元が
ぬかるみの罠だとしても

すべての思い出を終いながら
また ひとつ



百八十五小節

2019-09-21 | レッスン
すれ違う人がこの先の景色を称える

あとどのくらい進めばいいのだろう
未知への期待と不安の大きさに
戸惑いながら また一歩進む

追い抜く人の背中が増える
目の前を遮られ居場所が消えていく

風の呼び声が左右に別れ
不確かな足元に下を見る

見失ってはいけないよ
ひとり取り残されても
前を向こう

そこにあるのは 続く道

百八十四小節

2019-09-20 | レッスン
屋根に降る星のきらめきが夜を飾る

受け止めた写真の中のまぼろしを
それでいいよと包み込む

見守る勇気と
続ける儚さが
我先にと競う暗闇に

どこまでも真っ直ぐに
潔く届く視線の先

何度でも輝く永遠の始まりが

きっと君を待っている

百八十三小節

2019-09-18 | レッスン
風に散る勇気を覚えたら
空に舞う翼を身に付ける

頭上に広がる大空が
すべての中心を作り出し
大地を踏みしめる万物の
すべての力を引き寄せる

嘆くことはなく
躊躇うことも要らない

今までつけた足跡に
無駄な汚れも透き通り
明日に向かう一筋の
光となって前を向く

百八十二小節

2019-09-17 | レッスン
幸せをたくさん見つけた

そこにある温もりを抱きしめる
朝一番に笑顔になる
遠くから吹く便りに手を伸ばす
開ける勇気に指が固まる

苦しいほどのため息を飲み込む
安堵の涙に心が震える
切り取られた一瞬がすべてを語る
これが現実なのかと鼓動に問う

百八十一小節

2019-09-15 | レッスン
さっきと今の間にある違いを見つけよ

目を凝らしその瞬間を焼き付ける
他の思考を止め一点に集中する

シナプスは手を繋ぎ光の速さで駆け巡る
圧縮された記憶のメモリはフル稼働

見つけた

中心から湧き出る熱い思いを
氷の滑らかな強さが受け止めてくれる

描く軌跡を辿っていけば
奇跡の紫の花が凛と咲く

百八十小節

2019-09-12 | レッスン
風が染める空の色

太陽が見つめる星の色

眩しさに手をかざし
揺れる気温に戸惑う汗

月光に揺らめく
波紋の真ん中に浮かぶ影

時間を操る現実の狭間
祈りを超えた願いの強さに
頷く運命の選択に従う